芸術系大学ギャラリー担当者の座談会を聴きに。
こんにちは、広報グループMです。
昨日(3月8日)、京都精華大学の新ギャラリー、ギャラリーTerra-S(テラス)で行われた座談会を聴きに行きました。
※ 新しくできたギャラリーの名前、スペルを間違えそうになりますが、「TとSが大文字、r は重ねる」です。Terra-S。よろしくお願いします。
この座談会は、展示コミュニケーションセンターの教員である伊藤まゆみ先生が、インストールワークショップ「アートを置く」の関連企画として実施されました。
(「アートを置く」については、広報グループUさんのレポートをぜひご覧ください)
<芸術系大学ギャラリー担当者座談会>
これからのギャラリー運営の参考とするため、大学ギャラリー間のネットワーク構築の一助とするため、京都市内の芸術系大学のギャラリー担当者をお招きした座談会を開催します。各ギャラリーの活動内容をご紹介いただいた後、京都のアートシーンにおける芸術系大学ギャラリーの役割や課題、可能性について議論します。
芸術系大学のギャラリー担当者の座談会ってめずらしいのではないでしょうか。
登壇されたのは、京都芸術大学 ギャルリ・オーブの運営委員である髙橋耕平さん、成安造形大学【キャンパスが美術館】から田中真吾さん、京都市立芸術大学 ギャラリー@KCUA(アクア)の藤田瑞穂さんの3名です。ちなみに髙橋さんと田中さんは本学卒業生。
最初に伊藤先生から座談会の主旨について説明があった後、3名からそれぞれのギャラリーについて、活動内容や運営体制、展示プログラムの決め方等について紹介が行われました。
「ギャルリ・オーブ」は京都芸術大学の学内ギャラリー、【キャンパスが美術館】は成安造形大学キャンパス内にある7つのギャラリースペースをトータルで管理運営、「ギャラリーアクア」は京都市立芸大から離れた街中にあるギャラリー、ということでそれぞれの性質から、コンセプトや運営方針が違っていることが分かっておもしろかったです。
学事との調整や、企画展のあり方、申請展の選出方法もそれぞれ。でも、大学ギャラリーの良さを生かしながら、そこで展示するアーティストを、そしてその場所を育てようとする姿勢は同じだなと感じました。
※本筋から逸れますが、成安造形大学の【キャンパスが美術館】の発音に驚き。区切らず一息に名詞として発音されていました。(文章で伝えるの難しい)
あっというまの90分だったのですが、質疑応答では、収蔵・資料についてのニッチな質問・回答もあってそれも興味深かったです。所蔵品の保管の仕方に胸を痛める担当者...。どうか所蔵環境が整えられるような予算がとれますように、陰ながら祈ってます。
また、美術作家でもある田中さんと髙橋さんの、制作活動とギャラリーの仕事のバランスについての話も良かったです。展示するためにはいろんな立場の人との出会いややりとりがあって勉強になるし、インストーラーや照明など、専門家の方の発想に驚かされることも多いとのこと。
田中さんの「忙しいけれど、ギャラリーの仕事は事務的な作業も含めて "美術に関わること" なので嬉しい」という言葉に胸を打たれました。
個人的には、ギャラリーアクアの藤田さんのお話が全体的にとてもおもしろくて、移転する京都市立芸術大学内に新しくできるギャラリーへ行くのがとても楽しみです。(ギャラリーアクアはあと1年とのこと。ちょっと寂しい...)
藤田さんの手には、自作された新ギャラリーの模型。
今回の座談会では、本学の伊藤先生は司会進行役だったのですが、伊藤先生からも展示やギャラリー運営についての話を聞いてみたい!と思いました。
そして学内ギャラリーが復活したことが改めてすごく嬉しくなりました。これからの展覧会が楽しみです。
座談会が終わったら良い感じの夕暮れでした。
以前、講演会の企画運営を担当していたときに、「座談会」の難しさを感じていたのですが(大失敗しないけど、大成功はしない印象)、今回、良い座談会はすごく良いな!と当たり前のことを思いました。また機会があれば聴きに行きたいです。
おわり。