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1年ぶりの麦汁分析

2023年1月26日

年末から、ようやく製麦実験を再開しています。必ずしも製麦用でない品種だったり、スペックだったりする大麦を、「使える麦芽」にする、という宿題に取り組んでいるところ。今回は製麦用の大麦を使って、論文で報告のある方法の再現性を取って(同じような結果になるかを確認して)います。

出来上がった麦芽は、決まった方法で粉砕し、決まった分量のお湯に加えて、決まった温度プログラムで加熱し、決まった方法で濾過して、コングレス麦汁(Congress wort)を得ます。タイトル写真はこの麦汁を調製する自動糖化装置。カップに突き刺さっているステンレスの棒は、攪拌用のプロペラです。醸造所の糖化槽の超小型版というところ。

濾過が終わったところ。出来上がった麦汁の密度や色など、さまざまな性質を調べることで、元の麦芽の性能がどうだったかを決めることができます。

ここ数年、日本各地で製麦を始める蒸溜所が出てきているので、作った麦芽の性能を評価する分析サービスが提供できればいいなと思っているところ。
・水分含量・全窒素
・エキス(粗紛・微粉)
・糖化時間、濾過時間の可否
・麦汁の色度、透明度とpH
・フライアビリティ
あとは化学実験が必要ですが
・ジアスターゼ力
・FAN(可溶態窒素)
・βグルカン
ぐらいについて、近々原価計算して価格表を作ってみようと思っています。