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ゴールデンメロンの播種

2022年11月27日

晩秋の晴天のなか、京田辺農福観地域づくり協議会の皆さんによるビール麦の種まき会に顔を出してきました。
「地ビール」原料にしようと地元で麦を育てる話は時々耳にしますが、ここでいま年々栽培面積を拡大しているのは「ゴールデンメロン」という品種。明治時代に最初に日本に入ってきたビール麦の一つで、現代の品種ではないところが、他と違うところ。

作業に参加される地元の方々に説明されているところ 地域をあげての取り組みです

京田辺市は明治時代、普賢寺村の田宮龍太郎という篤農家がビール大麦の栽培法の確立に取り組み、のちに京都全域でビール大麦生産が盛んになった端緒をつくった、という由緒ある土地。地元の方が地ビールを使った地域おこしを計画されていると聞いて、田宮が手掛け、京都では昭和25年(1950)頃に栽培されなくなったゴールデンメロン種を現代によみがえらせましょう、と提案して今に至ります。

今年5月の収穫風景

府の農業改良普及センターの協力も得て、地元の農家の方々が、国の研究機関から取り寄せた100粒を3年がかりで37 kgにまで増やしたところ。今年はその一部を約1.4反の畑に撒き、残りをビールにしてみましょうという話になっています。麦のスペックを調べたところ、タンパク質含量は11.4%。エールモルトには好適と思います。

1年ぶりのケルダール

しかし、収穫後半年たつのに発芽勢(72時間以内の発芽率)は95%止まりで、まだ休眠している模様。製麦は年明けかな、と思っているところです。明治時代の大麦品種がどんなモルトになり、どんなビールになるのか、チャレンジは続きます。