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星の呼び名から空を見上げる

皆さんは「星」という言葉を聞いたとき、
どんなものを思い浮かべるでしょうか?
 
太陽、地球、月、ベガ、デネブ、アルタイル。
流れ星、望遠鏡、星に願いを、きらきら星。
その他、小説や映画などなど…
 
ここまで挙げたもの以外にも「星」という言葉から連想されるものは
人によって様々かと思います。
 
まず、私たちの住む星。地球は太陽の周りを回る「惑星」の一つ。
他には金星、火星、木星、土星などがあります。
月は地球の周りを回る「衛星」という星の一つです。
地球の衛星は1つだけですが、複数の衛星を持つ惑星もあります。
そして、太陽、ベガやアルタイルなどは自分で光っている
「恒星」と呼ばれる星たちです。
 
太陽を除いて、夜に見える恒星たちは星座を形作っている
星たちでもあります。
私たちに馴染みのある星座と言えばお誕生日の星座でしょうか。
占いなどで見かけることも多いですよね。
海外から伝わってきた星座は現在88個と定められていて、
古いもので5000年ほど前から伝わっているものもあります。

星座や星の名前の由来がすべて正確に残っているわけではありませんが、
現在よく耳にするものは西洋や中国から伝わってきた呼び名がほとんどです。
星や宇宙に興味を持ち始めた頃は、なんの疑問も持たずに覚えていったのですが、ふと、日本語の呼び名は無いのだろうか?と思うようになりました。
(カタカナばかりだと何だか覚えにくくないですか⁉)
 
調べてみると、自分が知らなかっただけで、日本での呼び名というのもたくさん残されていました。今日はその一部をご紹介していこうと思います。
 
そろそろお盆休みも終わり、夏も終盤に入っていく頃かとは思いますが、
まだまだ夜空では夏の星たちが見ごろ。
 
夏の夜空で有名なのは、やはり「夏の大三角」ではないでしょうか。
「ベガ・アルタイル・デネブ」と繋いだ夜空の目印となる三角形です。
星の名前も夏の大三角という名称も歌などに登場したりするなど知名度は
高いのでは?と勝手に思っています。
読んでくださっている皆さん、どうでしょうか⁇
 

さて、夏の大三角のベガとアルタイルは日本では七夕の星としても知られています。ベガが織姫星、アルタイルが彦星。
2個を合わせて「七夕星」(たなばたぼし)や「七夕さん」と呼ぶ地域もあるようです。
 
その他にも、地平線から見えてくる順番によって
「さきたな(ベガ)・あとたな(アルタイル)」
夜空で見る位置関係から「上(かみ)の七夕(ベガ)・下(しも)の七夕(アルタイル)」などがあります。
 
夏の大三角、3個目の星、デネブはベガとアルタイルのさらに後に地平線からから見えてくることから「七夕の後星(あとぼし)」や「後七夕(あとたなばた)」という呼び名があります。
簡単な図ではありますが、夏の大三角だけで比べてみるとこんな感じです。

夏の大三角


 日本では、物語や絵に合わせた名前というよりは、単純な見方による呼び名というのが多いのかもしれません。私は日本に伝わる、呼び名というのもしっくり来たのですが、皆さんはどうでしょうか?

今日ご紹介したものたちは、現在よく聞く呼び名とはかけ離れたものたちでしたが、日本での呼び名と西洋の呼び名の意味が似通っている星も存在しています。またその星が見ごろを迎えるころにご紹介したいと思います。

 ふと見上げる夜空も普段とは違った呼び名で見上げてみると、なにか新しい発見があるかもしれません。 

夏の大三角は今の時期は21時~22時頃頭の真上の辺りで見つけることができます。夏の終わり、夕涼みも兼ねて夜空を見上げに出掛けてみるのはどうでしょうか? 

最後までお読み頂きありがとうございました。

参考文献
「宙の名前」 林完次 角川書店
「星の神話・伝説」 野尻抱影 講談社学術文庫
「星座の神話」 原恵 恒星社厚生閣

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