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14.fieldアイ研合宿報告

 現在、Irish PUB fieldは休業を余儀なくされていますが、そんな折り、2000年のパブ創業以来の様々な資料に触れる機会がありました。そこで、2001~11年ごろにfield オーナー洲崎一彦が、ライターのおおしまゆたか氏と共に編集発行していた月刊メールマガジン、「クラン・コラCran Coille:アイルランド音楽の森」に寄稿していた記事を発掘しました。

 そして、このほぼ10年分に渡る記事より私が特に面白いと思ったものを選抜し、紹介して行くシリーズをこのnote上で始めることにしました。特に若い世代の皆様には意外な事実が満載でお楽しみいただけることと思います。

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 今回は、2001年から2009年まで琵琶湖湖畔、近江舞子で行われていた「fieldアイ研合宿」の一幕です──。(Irish PUB field 店長 佐藤)

↓前回の記事は、こちら↓

fieldアイ研合宿報告 (2003年5月)

前回、この欄に  

「時々興味深げにのぞきに来る若い女の子にエッチな事でも言って、気まずくなったら演奏を始めて誤魔化す、という格別のセッション遊びに興じることにしよう」  

 などと書いたせいか、ここんとこ、女の子がセッションをのぞきに来なく なったぞ!!  

 「そりゃ、オッサン自意識過剰やろ?」 と突っ込む向きもあろうが、いやホンマ。ホンマの話。  

 さて、私たちfieldアイ研は毎年5月の連休に琵琶湖畔で合宿を行ってい るのだが、今年は女子参加者の激減という緊急事戴に陥ったのだった。約20名の参加者の内pubスタッフを除けば、女子の参加が4名!! これはナイ で!   

 いくらボヤいてみても、この数字こそがアイ研中核を担うわれわれオッサ ンの男性としての実力だというわけか? 魅力的な男性の居ない世界に女性 が寄って来る理屈はない。これぞ万国共通の理論。  

 「アイリッシュ・ミュージック愛好」の錦の御旗も、その実下品なオッサ ン集団である事がバレてしまうとムシロ旗より始末の悪いただの「嫌み」に なるんです(?)。     

 とはいえ、合宿はタノシでありました。毎年この滋賀県琵琶湖畔近江舞子浜では、5月連休に合わせて「虹の市」というビーチを覆い尽くすフリーマーケットの大イベントが開催される。そして、われわれもこれに合わせてビーチ最前線の民宿コムラを貸し切りにして軒下に簡単な野外ステージを設置するのだ。  

 今年は天候に恵まれ、炎天下のビーチに向かって、色々な組み合わせのユ ニットで演奏しまくった。いつもは、夜のパブでアルコールと煙草の煙にま みれた環境でしか見ない面々の太陽光線にさらされて苦しそうな事! この 人たちは紫外線にあたるとすっかり消毒されて蒸発してしまうのではないか? と思わせる顔色の悪さ。非日常の中の不釣り合いという二重のひねりがなかなかオイシイ。    

 翌朝は、今年から設置した合宿実行委員長(N氏)が鬼軍曹と化して、夜通し飲んでた人も朝までセッションしてた人もお構いなく、容赦なく叩き起こしてまわり、全員ビーチの水際まで出てラジオ体操。二日酔いで嗚咽しながらのこの拷問的光景は、まわりでフリマの準備をしていた人々にどのように見えただろうか一抹の不安を感じるものであった。  

 完全に寝ぼけ眼のK入道が、ポツリとひとりで 「す~ばらしい、朝が~来た~~」 と低くうなりながら、イーリアン・パイプを鳴らしている。 一見して変。おかしい。完全に紫外線ハイ状態。  

 こうして、アイリッシュ・ミュージックとサンサンたる太陽の出会いは、 かくも恐ろしげな摩擦を起こしながらも徐々にお互いの歩み寄りを見せ、最 終ステージとなる午後からの全員セッションでは、怒濤のダンスチューン・ エンドレス・セットがこの琵琶湖畔に鳴り渡った。

 フリマのお客さん達も足を止め、家族連れは子供が私たちのステージの前 から動こうとしない。犬もどこからかやってくるし、一気に(一瞬だったけれど)私たちはビーチの人気者と相成った!  

 太陽の力はこのようにもの凄かったのだ。酒も煙草もエッチな話も無く、 若いお姉ちゃんの力も借りずに、ワシらオッサンもつい演奏に興じてしまっ たぞ。  

 また、今回は遠く北九州から参加してくださったG夫妻。東京から参加していただいたNさん。新入部員のMさん。普段普通に顔合わせている人ばかりが内々で、という雰囲気でもなかった中で、確かにアイリッシュ・ミュージックを肴に皆一体となってコミュニケーションしていた。気がつけば自然にそうなっていた。  

 つまり、今年のアイ研合宿はあらゆる意味で 「1泊2日の大セッション」だったということが言えるのではないかな。 (前回はおもいっきりボヤいたので、今回はちょっと自画自賛方向でまとめ てしまいました。ごめんなさい)

<洲崎一彦:Irish pub field のおやじ・太陽光充電を試みたが、紫外線消  毒効果により顔面蒼白、脱水症状一歩手前に陥る>

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