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【9/12開催】京都企業を知る!京都企業訪問プロラグム「1DAYオフィス訪問」(京都芸術大学)レポート <ver.1>

こんにちは!地域企業インターンシップ促進プロジェクトです。
今回は、2023年9月12日(火)に開催した、「1DAYオフィス訪問」(京都芸術大学)の様子を【ver.1】・【ver.2】にわけて皆さまにお届けします。

「1DAYオフィス訪問」とは?

1日に学生が3社京都企業を訪問し、オフィス見学を行うとともに、社員の方と交流します。
1社あたり1時間でプログラムを組んで頂きます。企業様には、「企業の魅力、強み」と「働く人」の情報を提供して頂き、学生が就職活動時に企業選択を行う際の選択肢の1つとなることを目指します。

学生に対する事後のアンケートにおいては、「中小企業ならではの、良さを知ることができた」「1日に3社周り、企業に関してイメージがしやすくなった」「働くことに関して具体的なイメージができた」という声を頂いております。

また、「1日に3社会社を訪問できるということ」「実際に見て、聞くこと」に対して一番関心が高く、プログラムの満足度は、「大変満足」「満足」を併せて100パーセントの評価を得ています。

京都芸術大学様と連携

今回は、京都芸術大学様と連携し、「卒業生に会える」「伝統・工芸」「クリエイティブ」を軸に以下の12社にご参加頂きました。

訪問は、4つのグループに分かれて7~8名の学生が企業様を訪問しました。

1.うね乃株式会社

熱心に説明を聞く学生

うね乃様の当日の流れは以下の通りです。
①会社説明
②工場見学
③新入社員の方の自己紹介と座談会

★会社概要
明治36年の創業以来、百余年、鰹節と昆布を中心とした『おだし』の製造販売をされています。
素材の持ち味を最大限に引き立てながら“おいしさ”の基礎をつくる「おだし」は、まさに日本の味の原点といえるもの。
忙しい現代の食卓にこそ、本当に安全でおいしいものを届けたい。まじめな姿勢と想いを大切にされています。

鳥羽式(鰹節を削る機械)の説明

★学生の質問
学生「就職活動で、自分のPRポイントは何を話した?」
社員「自己PRでは、継続力について話した。1度始めたことをやめられない性格、テニスを小学校から高校生まで行っていた。」

学生「うね乃を知ったきっかけは?」
社員「実家のだしを使っていたから。きっかけは、身の回りに意外とあるので目を配ってみると良い。」

学生「目標はあるのか?」
社員「管理栄養士の国家資格を持っている。病院などには、現在卸していないが、食べられずに困っている方にお出汁を届けることに将来挑戦してみたい。」

学生「入社してからのやりがいは?」
社員「試食を作ってお客様に提供すること。お客様が美味しいと感じていただき、商品化につながるとうれしく思う。お出汁は生活と身近で、生きる上での勉強になる。」

2.株式会社ゑり善

店舗にて説明を受ける学生

ゑり善様の当日の流れは以下の通りです。
①オフィスツアー
②会社説明
③着物の着付け体験
➃社員の自己紹介と座談会

★会社概要
天正12年(1584年)創業、430年の歴史ある呉服専門店です。「和」の心を大切に着物の魅力を拓き続けておられます。
親子孫三代にわたって、ゑり善の着物をご愛用される方がいらっしゃるそうです。国内外から様々なお客様がいらっしゃるそうです。
“正しい商い=「正商」”よい商品を、適正な価格で、誠実な商いを大切にされています。

社長も座談会に参加頂きました!

★学生の質問
学生「新卒採用で求める人物像は?」
社員「人を喜ばせてあげたいと思う方が向いていると思う。お客様と接する中で、提案の幅が広がると思う。誰かに喜んでもらえることに喜びを感じられる方を求めている。」

学生「大学の美術で学んだことが活かされますか?」
社員「他の社員の方がデザインを作る時のサポートや、お客様のお話を伺うときに活きている。お客様の要望を1から聞いて、絵を描くことから始めることもある。デザインを学んでいたらお客様にデザインを提案し着物に反映することも可能。」

学生「入社の決め手は?」
社員「大学では和歌を勉強していた。日本文化に触れられるということが、就活の軸で、着物は綺麗で興味があった。芸術大学出身ではないが、日本文化やものづくりが好きで携わりたいと感じていた。
着物については、入社後に勉強するということで、大丈夫ということだったので入社を決めた。」

学生「会社に入ってから着物を勉強したとあるが、どうやって勉強したのか?」
社員「実際に店舗にある商品を見て、先輩などに教えてもらう。接客の中で覚えていく。先輩のお商売に付き添い不明点を最後に解消するようにする。
着物文化検定も勉強した。検定を受けて知識はついたが、それが全てではない。」

学生「販売の話の中で、心のこもった接客が大切とあったが、何が大切か?」
社員「大切にしているのは、お客様に楽しんでいただけること。自分たちが取り扱う商品の良さを、お客様に伝えていきたい。
お客様が探しているものがあれば、断るのではなく、可能な限り探すなど、お客様第一で動く。」

学生「どんな雰囲気の会社か?」
社員「風通しの良い会社。自分の意見が発信しやすい。」

3.株式会社亀屋良長

「烏羽玉」とお茶を頂きました。

亀屋良長様の当日の流れは以下の通りです。
①会社説明
②和菓子の歴史
③最近の状況の説明

★会社概要
京菓子の名門と謳われ、一時は江戸にまで名を知られた菓子司・亀屋良安から、暖簾分けするかたちで享和3年(1803年)に創業。以来、四条醒ヶ井(さめがい)の地に於て営業し、当代で八代目となられます。
亀屋良長様の代表銘菓『鳥羽玉』(うばたま)は、200年以上の年月を経て、作りつづけられています。

参加学生

★学生の質問
学生「パッケージやお菓子のデザインは何人で行っているのか?」
社員「複数人で行っている。中には、もともと建築のデザインをしていた者も。そうした前職の経験を活かしてデザインしている。色々な意見を取り入れながら決まっていく。」

★学生の感想
学生「伝統とはなにかについて知る事ができてよかった。過去のデザインを理解する事の大切さを知った。」

学生「和菓子を現代の”可愛い”を意識し、パッケージや販売方法を工夫することで、文化を継承している点が印象的だった。
また、建物のすぐ側に湧き出ている醒ヶ井や、菓子木型、歴代の菓子の見本帳など実物を交えながら説明をしていただき、亀屋良長様の伝統を感じた。」

学生「もっと、話が聞きたかった。改革をするにあたっての意識の変化など今に至るまでのお話はとても参考になった。」

4.株式会社京都紋付

参加学生

京都紋付様の当日の流れは以下の通りです。
①会社説明
②質疑応答
③会社見学

★会社概要
大正4年創業以来約100年間、「温故知新」をテーマに京黒紋付染(伝統産業法指定)一筋に歩んでこられました。
匠の技を持った先人の心技を仰ぎそれを凌ぐ逸品を追い求めておられます。京都紋付の加工ブランド「御黒染司」は、高い技術力と斬新なアイデアを持って極限の黒さを追求し、近年はアパレル業界ともコラボレーションを行い着物だけではなくあらゆる素材の黒染めを行っておられます。

熱心に説明を聞く学生

★学生の質問
学生「着物も染めることができるのか? 」
社員「着物を染めるのは非常に難しい。洋服であれば白→緑→黒というように染め替えが可能。」

★学生の感想
学生「SDGsに繋がっている事がすごいと思った。伝統産業を守る事が、会社を守る事になるのではないかと思った。」

学生「京都だけでなく全国に伝統産業と呼ばれるものがあり、それぞれが伝統技術を次世代に残すべくデザインや販売方法に工夫を凝らしている。原点を守って発展していくという言葉を、”螺旋状に発展”と図形で表現してくださったことが印象的だった。」

学生「黒染めに特化していることで、私達消費者やアパレルブランドが持っている衣服をリウェアし、新しく価値を与える点はこの企業だからこそできる唯一のものだ。それを生かすための仕組みが、合理的なことを十分に理解する時間となった。」

学生「伝統産業の大切な部分を残しつつ、生き残っていく方法を具体的に説明してくださり、とても勉強になった。就職したい企業として考えているので今回の見学はとても参考になった。」

5.株式会社國友銃砲火薬店

打ち上げ花火

國友銃砲火薬店様の当日の流れは以下の通りです。
①会社説明
②座談会

★会社概要
【戦国時代以来の「独自性を大切にする心」】種子島に伝来した銃を國友鉄砲鍛冶集団が解体研究し、日本初の銃製造を行いました。
創業以来、難しい火薬販売許可を所持し続け、安全管理では経済産業省、京都府などから表彰受賞。
「独自性を大切にする心」で花火PC点火器システムや音楽シンクロシステムを自社開発し、安定供給を目指されております。
国内最大級火薬庫所持の八木町倉庫・本社間をオンライン化し常に最先端技術で対応されております。

座談会の様子

★学生の質問
学生「1年のうちの繁忙期は?」
社員「春先。冬は射撃場が山の中などにあるので、練習がしにくい。あとは、弾が大量入荷したとき。世界情勢などで入りにくくなっている弾もある。」

学生「入社して何かギャップがあったか?」
社員「税関でのことが初めてでわからないのに、大量に仕事があったときしんどかった。」

  1. 学生「職場の人間関係は?」

  2. 社員「職場の人間関係は良好。普段もくもく仕事をしている人でも飲み会などは饒舌になったり、面白い人が多い。」

学生「花火大会はコロナ禍で減ったり、近隣住民からの苦情などネガティブな側面もあると思うが?」
社員「コロナで激減した仕事は、80~90%戻ってきた。近隣住民からの苦情は昔からある。主催者と住民の関係性が築けるかの問題。むしろ、花火は町興しになる。」

6.株式会社ジイケイ京都

オフィスを見学

ジイケイ京都様の当日の流れは以下の通りです。
①会社説明
②オフィスツアー
③座談会

★会社概要
GKデザイングループ(1952年設立。国内8社、海外4社の計12社で構成)の1つで、昨年50周年を迎えた総合デザイン事務所です。プロダクトからコミュニケーション、景観、空間にいたるまで幅広い事業を展開されています。
社員の皆様は、芸大出身でデザイン好きの集まり、世代に関わらず「おもしろいやつがいる」とよく言われるそうです。
非常にフラットな会社で、1つの領域にこだわらずみんなでやるスタンス。
京都市では、街路環境計画「御池シンボルロード事業」を手掛けられ、安全性・機能性とともに、人が気持ちよく歩いて楽しめ、祇園祭や時代祭の舞台にふさわしい場としてのデザインをされました。

座談会の様子

★学生の質問
学生「仕事はチームで取り組むのか?」
社員「本来1名でやる方が良いPJTでも2名で実施させる。専門性と視野を広げ、知見を掛け算で広がることを意識してるため。
同時並行で複数仕事を持つことがベースになる。」

学生「大学でデザイン専攻ではないのだが、デザイン専攻以外で活躍してる方はいるか?」
社員「とても多い。70歳で活躍してる方は染色専攻。精華大学の日本画出身で活躍している方もいる。」

学生「多くの専門の領域があると思うが、自分の専門としていない知識などはどのように学ぶのか?どうやって学び、仕事に繋げているのか?」
社員「クライアントからのインプットを丁寧に行う。わからないことをなくすようにする。実際現地や現物を確認する。体験できるのものはやってみる。自ら仕事のために必要なことは機会を設けて、学びに行く。交通費は会社が負担してくれることが多い。」

学生「やりがいはどこに感じるか?」
社員「クライアントが喜んでいる姿を見た時。クライアント先の方々が高い評価をしていることを聞いた時。クライアント側の行動が大きく変化した時。成果が出た時にやりがいを感じる。(すぐには出ない)普段仕事をする中で、どうすれば良いかを想定し、ロジカルに形になると面白い。」

学生「ポートフォリオを制作している。上手い作品は、どういうものなのか知りたい。」
社員「上手いと感じるポイントは、会社によると思う。その会社の求める人材像や大切にしていることを調べることが大切。実際冊子を作ることになるので、文字の組み方などが設定できているかが大切なのではないか。
情報整理や文字の大きさ、プロセスの見せ方は基礎力があるかないかに影響する。QRやiPadでみることができる工夫は上手いと思った。海外大学生のポートフォリオは上手なので参考にして良いと思う。
短い時間で伝わるよう、簡潔に伝えたいことを伝えられるようにすることがポイント。自社の採用活動では、質と量と専門性のバランスを見ている。
A3ヨコ1枚で表現させるようにしている。」

いかがでしたか?
こちらの続きは、【9/12開催】京都企業を知る!京都企業訪問プロラグム「1DAYオフィス訪問」京都芸術大学の3年生対象!レポート<ver.2>をご覧ください。

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