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『人間性はどこから来たか』【新人読書日記/毎日20頁を】

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新人読書日記シリーズ、3冊目。
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#新人読書日記

社会生物学から見た人類【新人読書日記/毎日20頁を】(31)

「人間性はどこから来たか」、41-60頁、読了です。 この辺りでは、社会生物学の視角から、人間の結婚、出産に関わる本質に触れています。身近な話題が取り上げられ、男女の恋愛・婚姻関係における役割の差などについて、生物学の視点から解釈されています。例えば、なぜ男性の方が婚資を払うべきなのか、なぜ夫の不倫は妻の不倫より大目に見られるのか、男女格差について生物学の角度から理性的答えを出しています。また、「独身主義」、「同性愛」、「養子取り」など、現代社会にみられる現象の存在理由に関

満員電車に痴漢が絶えない理由は… 【新人読書日記/毎日20頁を】(30)

 「人間性はどこから来たか」、21-40頁、読了です。  第1章「現代人は狩猟採集民」では現代人のいろんな特徴や習慣、また病気は昔々の狩猟採集民時代から受け継いできた遺伝子型や本能から生じた文明社会不適応性だと主張されています。  今読んでいる第2章にもこういった主張に触れています。本題に入る前にまず、人間性研究の歴史が紹介されています。様々な分野の国内外の学者の研究努力と成果を概観することができます。まるでバイキングのように、人類の進化に関する面白い議論を一気に満喫でき

霊長類学者が書いた文明社会啓示録 【新人読書日記/毎日20頁を】(29)

 「人間性はどこから来たか」、1-20頁、読了です。  おそらく、「狼少年」のことを誰しも一度は聞いたことがあるでしょう。狼に育てられた狼少年は作り話ではなくて、実在すると信じる人も少なくないのではないでしょうか。実際、私はずっと信じ込んできたのです。とはいえ、本書の冒頭から、西田利貞先生は辛辣な言葉で、理性的な考えで反対の姿勢を示しています。著者は人間と動物の違いについて、まだまだ知る必要があると感じて本書を執筆したとのことです。  西田先生は人間の本性を探るため、狩猟