【スト6】クラシックキャミィMR1500の番人→レジェンド底までの道筋 ①起き攻め

はじめに

この記事に目を通して頂きありがとうございます。今回執筆するに至ったきっかけは、ストVダイヤ到達していたがスト6ではレート1500で伸び悩んでいた筆者が最上位キャミィ使いの「様式美」氏との出会い、そして師からのコーチングを受けてレジェンドを踏めるまでに実力を伸ばせた事にある。
師が私生活が忙しく自ら攻略を発信していくプレイヤーではないこと、そしてこの有益な情報を筆者だけ独り占めしている状況は良くないと思ったのでこの記事を残すに至った。拙い文章ではあるが何か学びを得ていただけたら幸いである。

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キャミィの起き攻めコンセプト

キャミィのコンセプトは素早い動きで相手を翻弄しループ性の高い起き攻めを高速で押し付けることだと捉えている。まずはその起き攻めをシステム化する事から取り組んだ。
そもそもストリートファイターは投げが崩しの起点となる。
守る側がしゃがみガードをして他のボタンを一切押さなかった場合これを"直接"崩せる手段は投げになる。(中段もあるがこれは本筋の攻略とは逸れる)
このしゃがみガードを固める相手に投げを通す事で相手の守りを瓦解させていく。
さてキャミィのコンボは大体中アローか大アローで締める事になるのだが、これらは共に前ステから投げを埋める事ができる。中央と端で状況が変わってくるものの崩し方はそこまで変わらない。

投げ重ねを軸に崩す

まず中央の場合、投げ重ねはとにかく強い。多くのキャラの場合投げ重ねをしのぐ方法はグラップ、OD無敵技、SAの無敵技、バクステの4つになる。
この4つのうちグラップとバクステは投げを凌げはするものの状況が振り出しに戻るだけである。
他のふたつは共に無敵技になるのだが、これらまで全て上手く処理しようとすると消極的になってしまい崩しにいけなくなるので食らっちゃいけない無敵をくらわないようにする事が大切になる。くらってはいけない無敵技の考え方は後の大局観のパートで記す。

投げ重ねに対して相手は何をしてくるのか

中央の投げ重ねは基本的に悪いことが起きないので強い事がわかっていただけただろう。この投げ重ねを擦り続けると守り側はいつかリアクションを起こしてくる。よく見られるリアクションが遅らせグラップとバクステである。相手のリアクションをまずは記憶に残しておくことが大切だ。
このシチュエーションであれば「投げを嫌がった相手はバクステをしてくる可能性がある。」のように「〜を嫌がった相手は〜をしてくる可能性がある。」といった程度に覚えておくと良い。
まずは相手の防御行動を頭に残しておいて次の起き攻めを構築していく段階に立てると良いだろう。
相手がどのような防御択を取れるかという事がある程度わかってくると、その択に対する100点の解答をまずは準備するのが普通の感覚であろう。バクステや上入れっぱに対しては重い打撃を重ねる、グラップに対しては投げスカモーションを出させて狩る等がそれに当たる。
読み勝ってこれらの択を通せた時のリターンの高さ・読み勝った気持ちよさは格ゲーの醍醐味のひとつではあると思うが、一方でバクステばかりする相手に対して打撃を重ねたらリバサパリィを通されて逆転の流れを掴まれるといった経験に心当たりは無いだろうか?
自分のレベルが上がってくれば当然相手のレベルも上がってくるのでバクステに対する100点の解答が何であるかはバレている。そこでこちらを信用してきた相手がリバサパリィを選択してくる可能性は大いにある。
先述したがキャミィの強みは起き攻めをループさせることにあるので読み勝った時に毎回致命傷のダメージを与える必要はない。だから如何にして相手の逆択を喰らわないようにするかが次の段階では大切になってくる。
相手がこちらの起き攻めを切り替えせる手段として上げられるのが無敵技・ジャストパリィ・シミーに対するファジー中足・端のバクステ・(一部のキャラの低空〜)である。防御側はこれらをどうにかして通そうと良い塩梅で散らしてやって来るようになる。
こちらのループを止めさせないためにもこれらを通される確率をなるべく減らす択を新たに取り入れる必要が出てくる。

100点を取る事に拘らず60点でも良い

先程の「投げを嫌がった相手がバクステをしてきた」というシチュエーションで考えてみる。バクステに対して打撃を重ねてしまうとリバサパリィや無敵技(しかもSA無敵にまでも)噛み合ってしまう可能性があるので起き攻めの継続確率がガクッとさがってしまう。
更に中央におけるキャミィの打撃重ねの定番は前ステ屈大pであるが、これはヒットさえすれば大きめのリターンは出せるもののガードされていた場合、有利Fは取れるものの投げ間合い外となってしまい微後ろ歩きガードをされれば攻めはそこで終了してしまう。
このような事もあるので重めの打撃重ねはバクステに対しては100点の解答になり得るものの他の防御択に対しては落第点しか出せないのである。

遅らせ小p重ね 〜継続力を上げる①〜

ここで私が提案したいのが遅らせ小p重ねである。(遅らせ重ねってなんだよって矛盾をはらむが、リバサパリィに対する遅らせというニュアンスで使っている。)
まずバクステをされていた場合小pがヒットして距離が離れる事はなくこちらが有利Fを保持したまま攻め継続ができる。上手くなれば単発で状況確認して小p→小k>中アローとリターンは出せるが他の択への精度が下がるので後回しで良い。
そして打撃重ねではケアできなかったリバサパリィに対しては、タイミングをずらしているので意図的にジャスパを取られることはない。さらに小pは全体Fが短いことと連キャンがかかる事もあって、小pガードさせて当て投げ・小p>小足>小pまで連キャンで暴れ潰し・小p>小足で止めて投げにいく等多彩な崩しに行く事が可能だ。
他にも遅らせグラップやシミーに対するファジー中足等にも同様で小pをガードさせることができるので強い崩しにいく事ができる。
SA暴れに関しては暗転が入る事もあってインチキガードをする事が可能だ。相手の起き上がり1F目以降に小pを押すことで相手がリバサでSAを打っていた場合、小pの入力がかき消されパリィ等で上書きすることが出来る。暗転によるインチキガードもあるのでSAパナしはあまり強くない。
問題はOD無敵だ。これは暗転が絡まないので小pの入力をかき消すことはできない。OD無敵にだけは負けてしまうのだが、OD無敵技は命の次に大事なドライブゲージを2本も消費する。こちらの体力を約1200点捧げる事で相手のドライブゲージを2本奪えると考えれば多くのシチュエーションで悪くないだろう。これらの考え方は大局観のパートで深く触れることとする。
基本的な遅らせ小pは相手の起き上がり0F目より少しでも遅らせて遅らせグラップにカウンターヒットするタイミングを目処に狙えば良いのだが、派生系として6FOD無敵技をガードするタイミングで4Fを押す超遅らせ小pも一応紹介しておく。
これはOD無敵技をガードできるものの、相手のファジー防御択を食らってしまう可能性が跳ね上がるので使うのはかなり難しい。(グラップとOD無敵を両方小技で対応するのはほぼ不可能である。)OD無敵を食らったらまずい場面でピン刺しするイメージになる。

遅らせ投げ重ね 〜継続力を上げる②〜

先述の遅らせ小p重ねではグラップとOD無敵を両方ケアすることがほぼ不可能である事はわかって頂けたと思う。それでもこれらに両対応したい場面というのは結構多くある。例えば体力大量リードしていてこちらが逆択を食らったら試合が揺らいでしまう場面等である。
例えば打撃を重ねに対するジャストパリィ、投げ重ねに対するバクステを通されると画面が入れ替わりそのまま端で圧死させられる可能性が途端に浮上する。OD無敵を食らって切り返されたらこちらのドライブゲージは枯渇していてバーンアウトからの逆転負けの可能性も浮上する。
これらの主要な逆択を全てケアできるのが遅らせ投げ重ねである。6F無敵をガードするタイミングで投げを押す事で相手の逆択をケアしつつ、相手の遅らせグラをも投げ抜けする事でケアできる。
一部の投げに対する逆択を持っているキャラクター(キャミィ 春麗 JP ジュリは特に注意)意外にはほとんど裏目になる事がない択なので覚えておいて損はないだろう。

シミー 〜爆発力①〜

この択は継続率は高いものの通った時のリターンも低いためアヘ単になってしまうという悩みもまたある。単打を狙うだけでなく、他にもリターンを出せる択を採用していきたい。
まず1つ挙げられるのがシミーであろう。
シミーの説明は省かせてもらうが、まず利点としては狙い通りだった時のリターンがとても高い点そしてほぼ裏目る事がない点にある。
欠点としては投げ抜けを押させることがとても難しい点と中央では攻めが途切れてしまう可能性を孕む点がある。
ある程度スト6をプレイしていると投げ抜けをもらしたらとんでもないダメージを貰ってしまうという失敗体験を持っている人が多い。だから通ったらリーサルになるバリューの高さのあるシミーが臭う場面で投げ抜けを押すことはまずない。投げを捨てて読み合い回数を増やし、相手が様子見をしたらそこから通常技キャンセルラッシュ等で打開を図るという動きを狙う事が多いだろう。

ではどのようにして投げ抜けを押させるかというと先程紹介した遅らせ小技重ねからの崩しを混ぜて高速ジャンケンを仕掛け続け、勝ちが続いた後に狙うのが良い。
小技からの崩しを混ぜる理由は「投げ」を起点に崩されているという事実を濁らせたいからである
速い展開の中で色々な崩し方を混ぜることで相手はこちらがどのような読み合いを仕掛けているかよくわからなくなり、本来やらないはずの投げ抜けをしてしまうという想定で狙っている。
わかりやすい表現をすると「脳をバグらせる」という事になるだろう。

遅らせ屈大p 〜爆発力②〜

またもう1つ私が起用している択として遅らせ屈大p重ねである。
この択の利点は崩した時のリターンが高い点、端であればガードさせてもそこそこ強い崩しにいける点にある。
屈大pはガードで+1F有利で暴れ潰しと1F前歩き投げが無難に強いので端では圧がある。
また欠点としては崩す際のタイミングがシビアである点と相対的な欠点にはなるのだがシミーと違って無敵を警戒できない点だ。
この遅らせ屈大pが通る時は相手が遅らせグラップやファジー小pを選択している時であるのだが、これをどれだけ遅らせているかは人によってかなり変わってくるのでタイミングを掴むために試行回数が必要になる。
これらシミー遅らせ屈大pも駆使することで爆発力も期待できるようになるので塩梅を工夫していきたい。

ゲージ状況を意識した試合の組み立て

ここまでは相手の出してきた手札に対する丸い回答を提出する訓練を提示した。これらの選択肢をより活かすために大切になってくるのが起き攻めしている時のゲージ状況を把握する事である。
1番わかりやすい択がOD無敵技だ。OD無敵技は喰らうとこちらのターンが終了してダメージも取られてしまうのであまり気分の良い択では無いと感じる人が多いと思う。ただこの択をどのようなゲージ状況で食らうかでその不快度は大きく変わってくる。

体力ゲージの状況で判断

極端にわかりやすい例としてこちらの体力が1割の場合にOD無敵を食らったらそのラウンドは負けてしまうのでリターンは高くなる。このリターンの高さを把握しているプレイヤーは多いと思う。
これは体力ゲージの状況によってOD無敵技のバリューが変わってくる一例である。

防御側の選択肢の中にはリスクが伴うものの通った時に特大リターンを通せてしまうものが多々ある。
防御側がSAゲージを3本抱えていれば、バクステやリバサパリィが通った時SA3最低保証分の2000点以上のリターンが見込める。
この緊張感を持たずに呑気に重ね続けていると大逆転負けを食らってしまうのでまず意識しておかないといけない。
勿論体力差によっては重ねを多めにしていかないと厳しい場面も多々あるので、これを通されたら負けると認識した上で重ねて負けるなら仕方ない

ドライブゲージの状況で判断(絶対読んで)

まわりのプレイヤーを見ていてなんで上手いのにこんなにレート停滞してるんだ?と感じる人の9割近くはここに原因があるように感じる。現に筆者もレート1500の時と今で1番変わったのはこの判断力であると実感している。

一旦体力差は無視して、自分のドライブが2本未満・相手のドライブが6本近くあるとする。

この状況であなたは何を考えて起き攻めをしますか?
試合中ではなく文章を読んでいるだけであれば
逆択を食らった時の状況が厳しすぎるので消極的に行く
という判断ができる人は多いと思う。この感覚がとても大切になる。
相手がキャミィだった場合、OD無敵を通されたら画面が入れ替わるだけでなく自分のドライブが2本未満・相手のドライブが4本近くで相手のゲージ有利かつこちらはODストライクすら打てなくなるのでとてもとても厳しい。このゲージ状況で端を脱出するのは困難なのでそのまま端でハメ倒されるという負けパターンは容易に見える。
ODストライクやジャスパを通された場合も同様で画面を入れ替えられるだけでなくゲージが枯渇した状態で端脱出を強いられる。
ここまで見えていれば設定した状況で強気な起き攻めに行く人は少ないだろう。

では次にこちらのドライブが6本近く・相手のドライブが2本程度である場合を考えよう。

この状況なら相手のOD無敵を食らったとしてもとたも大きなドライブ有利を作り出せる。ジャスパやODストで入れ替えられたとしても自分のドライブ有利状況は継続しているので先述の例よりは端を脱出する難易度も大幅に下がる。
故に強気に起き攻めに行っても良いと判断ができる。
「遅らせ小p」の項で解説を見送ったOD無敵技との向き合いはこの解説の考えがかなり大切になってくるのでしっかり把握しておいて欲しい。

「負けない確率」と「勝つ確率」のトラップ

最後にここまで紹介した起き攻めの考え方を締め上げる理論を紹介する。
ここまでの内容をしっかり理解した読者の皆様は負けない択選びをする能力がついている。
ただし「負けない確率」を上げる=「勝つ確率」を上げるとはならないのが格ゲーの面白いところだ。

例として自分の体力が1割・相手の体力が6割ある状況を想定する。
この状況で起き攻めをする時「負けない確率」を上げる択選びをするのであれば遅らせ小pや遅らせ投げになるであろう。このような選び方をすれば自分の起き攻めで逆択を食らって直接負ける確率は減らせる。ただし遅らせ小pでお茶を濁したところでその後の5~6割を毎回逆択を警戒しながら削り切る事には変わりない。遅らせ○○から出せる火力は小技コンボ約1.5割か投げの1.2割であるからこの体力を削りきるとなると4~5回起き攻めをしないといけない。
4-5回裏目らずに相手を崩し続けるのは至難の業である。
するとここまで体力差が開くと逆に起き攻めの回数を減らすためにリスクを冒す必要が出てくるのだ。これは直接的な「負けない確率」を減らす事に通じる。
これが「負けない確率」と「勝つ確率」は必ずしも一致しないという事だ。
反対にこちらが体力大量リードしている場合は「負けない確率」を上げる事が「勝つ確率」を上げる事に直結する。
このギャップに惑わされないような感覚を培うのも大切になる。

おわりに

ここまで起き攻めの自分なりの考え方とあまり知られていない択を紹介した。ただ結局は起き攻めは読み合いであるので正解がある訳では無い。各々が自分の経験を素に理想の塩梅を見つけていくことになると思うが少しでも負ける確率を減らし、勝てる確率を増やす事の手助けになれば幸いである。

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