【デジタル庁】EBPM推進委員会(第1回)について考察してみた
実は、11月4日にEBPM推進委員会なるものが開催されておりました。資料などが公開されていなかったためすぐに記事を書けなかったのですが、本日みてみたらなんと、めちゃくちゃ資料がアップロードされていました。なので、めんどくさいけど見たらなんかいいことある気がする、いやないなと鬩ぎ合う気持ちを持ちつつ読み進めていき、いつも通り愚痴多めの考察を進めていきたいと思います。
推進体制
IT室にぶら下がっていたものは全廃なのでまるっと体制作り替えてみましたということのようです。ただ、一番下のEBPM推進委員会という名前自体はそのままなんですね。構成員や任務自体にも変化なしと。
今回配布された資料群
多い。とても多くて見る気力が湧かないが順々にみていけばいずれ最後までいくだろう。
各府省におけるEBPMの取組状況
そもそも、皆様今まで各省庁がどんなEBPMをしてきたと思いますか?それがみれる部分がこの取組状況部分です。
簡単に言うと、①推進チームを設置して、②実行チームを設置して、③外部アドバイザーの意見も吸い上げる、④取組方針策定、⑤ロジックモデル作成、⑥実態把握や効果検証を行う。こんな感じですね。ここで重要なのはもちろん「ロジックモデル」だと考えられます。これ、標準化したりされているのでしょうか?各府省から出てくるアウトプットの粒度がバラバラになっているのではないかと邪推してしまいます。
活用数が増えてるということですね。これはいいこと。
省内説明のために使われるケースが多いようです。ちょっともったいないですが、こんなの主計局に出すと面倒な質問が増えるばかりなので当然出さないでしょう。なので、主計局説明にも積極的に使うよう推進チームへ働きかけるなどした方が精度が上がっていいのではないかと思います。
知らないところでこんな事もやれていたのですね。政策のブラッシュアップや積極的な部局への予算配分などが出来ているのは素晴らしいと思います。ただ、結果を数字マジックで表現できないよう、ある程度KPIを定量的に、客観的にみて他省庁と同基準で数値が取れるようにするなどの注意は必要かもしれません。
予算プロセスにも使っているとのこと。ただ、ロジックモデルを作成した事業についてなので実際はもっと少ないかも。
人材は足りないですよね。民間でもデータサイエンティストは足りていないので正直厳しいと思います。できる人は政策立案側に行きやすいなど、インセンティブが生まれるような体制にしてあげる必要性があるのではないかと思う次第。
効果は現状可視化ができること、根拠の明確化、モデル改善による効果UP、事業者との認識合わせ、みたいなところが書かれています。政策立案やその運用をしていくためには説明責任が発生しますので、その説明に必要な情報を収集しているだけでも十分価値はあると思うのですけどね。ただ、収集する方法に関しては結構アナログな方法が多いようなので、可能な限り人が介在することなく出せるような状況にしていくべきだとは思います。
私が言うまでもなく、上で書いた提言が大体課題として取り上げられていますね。悲しい。。。
こんな形で今後すすめていくようです。課題がある程度見えてきたため、それに対してアプローチをしていくということでしょう。
各実施府省からの提出資料
提出された資料の粒度も違うし、ロジックモデルの書き方も全然違う。
ちょっと言ってることとやってることちゃうやん(笑)。アウトカムとかインパクトってそういう感覚的なものじゃだめじゃないですか。課題はこの資料作成後に見えてきたものなので課題についての解決がされているわけでないことは理解していますが、せめてインパクトは政策と関係付いたデータがないとやってる効果なんて見えないです。僕だったらこれで予算くださいって言われても、「何見たら予算出せるか判断できるん?」って返すと思います。
経済・財政一体改革推進委員会におけるEBPMの取組について
EBPMアドバイザリーボードなるものを設けて経済・財政一体化改革についての推進をしようというもののようです。システム系でいうところのPMO組織ですね。先ほどの各省庁がロジックモデルなど使って実施しているものとは違い、「骨太」などの改革工程表に書かれている項目についてのレビューをしようということのようです。レビューする側なのでメンバーは教授陣が多くなるのは致し方なしかなと。
GIGAスクールの評価を全国統一試験や自治体独自制度等から見ていくということですかね。全く異論はありません。こんな感じで各省も見てくれればいいんだけどなー、ナー。
デジタル庁の取り組み
これは既に私の別記事でまとめている内容しか出ていないので割愛。
行政改革推進本部事務局の取組
ガイドブック作って、勉強会をする。とてもいいと思います。後は文化の醸成とインセンティブの用意ですよね。新しく何かを始めようとすると反発もあるしやる気のない人も多くいると思いますので、着実に進めていってもらえればと。
総括して
議事録がない!話している内容が分からない!
という言い訳ですが、基本は取組状況の中に課題感などがしっかり書いてありますので問題なく進むものと思います。ただ、やはり少し動きが遅いというか地味な感じがするんですよね。国民が思い浮かべてるEBPMってもっとTableau Publicとかのダッシュボード使っていつでも国民も議員も見れるようになっていて、国民からも良質なアイデアが出てくるようなオープンな世界じゃないですか。それで議員が仕事してねーなって思ったら投票でその人を落とすとかも考えられるみたいな?そんな世界になるといいなと思ってます。
参考にする人がいるかどうかわかりませんが、案としてはEBPMとして扱うもの全てを定量化(数値化)して、それをオープンにすることです。制作立案に使われるものであるのですからその情報は行政文書になりますし、タイムスタンプやログ保管の決まりも守った上で国民からの監視も可能になります。監視も可能というと表現が悪いですが、職員の立場からしてもそれが根拠として使えるわけですし、そのデータそのものがあれば説明責任を果たせるということになり言い訳(高度な日本語)をこねくり回すような余計な仕事をしなくて済むはずなので職員の方もぜひそんな環境を用意されてみてはいかがでしょうか。
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