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地方で起業する「少量多品種」戦略

ひとつの畑にさまざまな野菜を植えて育てる農業スタイルのことを「少量多品種」栽培といいます。

少しずつ多くの種類の野菜を育てることによって、すべての作物が病気などで枯れてしまうリスクを抑えたり、地域内で消費可能な数量での生産に留めたり、作物の組み合わせによっては病害虫の発生を抑える効果があります。

地方で起業する際には、ひとつの会社であっても業種や業態をひとつだけに限定するのではなく、小さな利益の業種を組み合わせることによる「少量多品種」経営が好ましいです。

地方の経済規模に合わせた戦略

地方といっても大小さまざまな都市や町がありますが、例えば私たち株式会社京谷商会が拠点を構えている大阪府太子町は、人口が1万4000人弱です。

町内にあるコンビニは4軒、飲食店は10軒くらい、スーパーは2軒で、不便だなぁとは感じますが、現実的にはこれ以上の商店があったとしても採算ベースに乗せるのは非常に難しいでしょう。

ですから、商店や店舗でなくどのような業種や業態であっても、地域との関わりを持ちながら営業を行うのであれば、町の人口や所得水準などの経済規模に応じたサイズの事業しかできません。

経営の「少量多品種」戦略

このような事情から、地方で会社を営業する際には、どうしても単一の業種や業態の事業の成長はスグに頭打ちしてしまいます。

ですから、地域経済に密着した事業を展開することにこだわるのであれば、複数の業種や業態のポートフォリオを組んで、「少量多品種」の経営を行うことが好ましいです。

複数の事業を持つことによって経営の難易度は飛躍的に上がりますが、小さなマーケットで無理矢理に事業を大規模化させるよりも、企業の持続可能性は高まります。

それぞれの業種や業態からは少しの利益しか上げないように心掛けることで、地域内の既存プレイヤーから収益のすべてを奪わなくて済みますので、地域内の平和も保たれます。

地域外との交易をする

拠点となる地域の経済規模を超えた会社へと成長させるためには、「少量多品種」経営だけではなく、地域外へと商品やサービスを売ったり、地域外から顧客を集めるなどの戦略もあります。

株式会社京谷商会の場合には、日本全国の企業の広告PRを請け負っていますので、この収益については地域外へのサービスの提供による収益の獲得となります。

また、観光事業については地域外からの顧客の来訪を促すものですので、こちらも地域外との交易としての収益になります。

少量多品種×地域外交易のバランス

ということで、地域商社として活動している私たちのような会社にとっては、地域内の顧客を対象とした「少量多品種」戦略と、地域外の顧客にサービスを提供する地域外交易を上手く組み合わせていくことが大切です。

狭い地域のなかで特定の産業のすべての収益を独占するのは得策ではありませんし、既存のプレイヤーとの衝突には慎重になるべきです。

都会でのビジネスと比べたときには、おそらく難易度は同程度ですがゲームの種類が違うかもしれません。そして、成功させたときに得られる報酬は、おそらく地方での成功のほうが大きいです。

地方の経済を活性化させて、個性あふれる地方の姿を取り戻すために、みんなで一緒に地方を盛り上げていけたら嬉しいです。

まぁ、そんなこんなで地方創生サロンを始めます。LINEだけで完結するオンラインサロン(月額1000円)です。もしよろしければご参加ください。

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