HACCPナビリリース開始記念セミナー参加レポート

HACCPナビ リリース開始記念セミナー レポート@(株)三菱総合研究所

はじめに

こんにちは。ヨシザワです。今日は、株式会社三菱総合研究所様にお邪魔し、今食品業界で最もHOTと言っても過言ではない「HACCP」についてのセミナーに参加してまいりました。

「こいつ、いろんなジャンルかじってるな」

そう思っていただけると本望です。そうなんです。かじってます。なので本内容も私の咬合力の限りで噛み砕き、私の書ける範囲で書かせて頂いております。

HACCPとは

そもそもHACCPとは何か、私も未だに中身を覚えられないので、復習を兼ねて記載します。

「Hazard Analysis and Critical Control Point」

難しい・・・!日本語にしてくれ!と口には出さず、日本語を調べていくと、

「危害要因分析重要管理点」

あー、そういうことね!なるほどなるほど・・・とはいきません。危害要因分析重要管理点・・・これは深堀りが必要そうです。

「HACCPによる衛生管理は、各原料の受入から製造、製品の出荷までのすべての工程において、食中毒などの健康被害を引き起こす可能性のある危害要因(ハザード)を科学的根拠に基づき管理する方法です。」(下記URL参照)

少し理解が追い付いてきました。工程管理の中で、危ないポイントをしっかりと管理し対策していくことと文系大学卒の私は理解しました。

同じ機械で生肉と野菜をスライスする場合、生肉についている寄生虫などが野菜に付着するケースは大いに考えられます。そこで、スライス後の野菜をきちんと消毒する、などの対策までの管理もHACCPのようです。

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制度化の狙いと現在、今後

さて、セミナー本編に入ります。山口大学共同獣医学部 豊福肇様よりなぜ制度化され、現在はどうなのかそして今後どうなっていくのかについてのお話から始まりました。

制度化の狙い

・食中毒の下げ止まり対策

→高齢社会に向けて食中毒被害を減らす必要があること

→食中毒被害の実態は統計の100~1,000倍(保健所に届け出ていないケースがほとんど)

・国際的整合性と国際競争力

→GHP(Good Hygienic Practice/一般衛生管理)とHACCPは国際標準とされている

なるほど。日本の未来のことを考えて、この度制度化をする運びになったのですね。確かに高齢の方は免疫力、体力ともに低下しており、20歳の成人とは食中毒の被害にあった時のダメージに必ずや差が生まれます。

また、先進国として戦後すぐに国力を持ち直した日本も、未だにあらゆる部分で世界から遅れていることもあります。そこでオリンピックなどの国際イベントに備え、国際的な食品衛生の基準に合わせるということだそうです。

今後~HACCPはよりScience drivenへ~

食品事業者は自分の食品に影響する可能性のあるハザードを認識する必要があり、消費者の健康に与える影響を理解し適切に管理すべき、とのことでした。その際にScience=科学の力=ITをもっと使っていくべきとの見解のようです。

例えば、潜在的ハザードが重要なハザードであることを認知するのも科学の力、重要なハザードを妥当性確認された管理手段を実施するにも科学の力が必要とされているそうです。

いずれも世界規模で、化学の力ありきで考えられているのだということを知りました。管理することについて、もはや人力では通用しないのですね。人の目こそ最も信用できると言われていた時代は、崩壊しつつあるようです。

改正食品衛生法におけるHACCPの制度化

第2幕では一般財団法人食品安全マネジメント協会 事務局長兼技術本部長 農学博士の大羽哲郎氏からJFS規格とHACCP制度の現状についてより詳しいお話がございました。

平成30年6月13日公布の改正食品衛生法により、「②原則すべての事業者に”HACCPに沿った衛生管理”を制度化」とあります。これは2020年6月までに施行、2021年6月までに完全施行とされている法で、ここでは農林水産省の導入状況における調査結果が出ました。

その中でも特に目を引いたのは、2019年1月25日~2月28日の間の調査ですが、食料品製造業の小規模事業者(年商1億未満)のうち30%がHACCP制度化について「導入未定」、21%が「知らない」と回答したそうです。

また、2019年11月20日開催の、HACCP対応講演会参加者249名に調査したところ、HACCP制度について「よく知っている」と回答したのはたったの6%で、「少し知っている」が29%。聞いたことがある、もしくは知らなかったと回答した方が65%に上りました。

そのアンケートの中で「HACCP制度にどのように対応するか」という質問に対しては「手引書などをも用いて自ら準備」が81%だったそうです。

手引書を用いて・・・81%の方々が回答した手引書とはどのようなものなのか。厚生労働省が作成したものがHPに上がっていたので、私も見てみました!

・・・無理。

「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(小規模な一般飲食店事業者向け)」をサーっと見てみましたが、えぐいです。

確かにわかりやすいイラストなどが描かれていて、なんとなくいけそうな気がしなくもないのですが、さあやるぞ!とはなれませんでした。(厚生労働省さん、すみません。私の力不足です。)

これらを用いて自力でどうにかするなんてとてもじゃないけど考えられない・・・というのが正直な感想です。ご興味のある方はぜひダウンロードしてみてください。

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そこで(株)三菱総合研究所 主席研究員の氷川珠恵様より、HACCP対応文書作成クラウドツール”HACCPナビ”のご紹介です。

事故情報などがハザードDBとして登録がされており、一つのデータベースにまとまっているうえに、必要に応じた書類の作成が容易に行えるのがこの”HACCPナビ”だそうです。

・効果的に→食品安全レベルの向上に効果的な計画作りや管理を支援

・効率的に→食品安全管理に特化した支援ツールにより効率的に文書作成・管理

・きれいに→複雑な様式の文書もきれいにレイアウト

この3つの強みをもとに科学の力=ITでHACCP制度化への準備、その後の管理を行うことができるのがこのHACCPナビだそうです。

おわりに

今回は少し普段関わる分野とは異なるお話をさせていただきました。

「食」という人々の生活に必要不可欠なものには、悲しいことに時として「リスク」を伴います。それらを予め把握し、対策し、事故が起きない環境を作る”HACCPの制度化”。

こうした制度化と、その制度に対して全関係企業が積極的に向き合って頂き、対応していただくことが私たちの食の安心安全に繋がります。

容易且つ確実に対応頂くためにも今後も科学の力からは目が離せません。

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