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記野式:サクッと!ゲーム業界講座   6月後半号

こんにちは。予告させていただきましたが、25日配信予定から5日ほど遅れて配信しております。7月後半号もCircanaの情報を待って記事を書かせていただくため7月25日ではなく31日の配信となりますのであらかじめご了承ください。

さて、今号のまえがきは「ゲーム」と言ってもちょっと前から認識が変わって来たかも!をテーマにアメリカ市場の変化を交えてお話しします。

さて、今号は売上データの報告で満載です。アメリカ市場データCircana(旧 NPD)から始まりますが、ヨーロッパ、イギリスの5月のゲーム市場、欧米日の5月のPSNゲームランキング、5月のSteam Deckランキング、それから5月の世界のモバイルゲーム市場についても報告します。注目のニュースも読んでほしいニュースがありますので、最後までおつきあいくださいね!

なお、本記事での為替レートは1ドル=145円で計算しています。1か月内で7円以上の円安…。海外出張に行けません…。


<記野式まえがき:アメリカ市場に見る「ゲーム市場」の変化>

皆さんはゲーム産業ってどのくらいの大きさだと思います?エンターテインメントと言えば、「映画」かなぁ?映画産業のアメリカ国内の興行収益は現在年間258億ドル(約3兆7,410億円)と言われており、実はアメリカのゲーム市場の半分以下の価値しかありません。ゲーム産業ってそれだけ大きな市場を呈しているのです。映画のマーケットをディスってるのではなく、ゲームがいかに大きな産業かをお知らせしているので誤解なきよう。

1.アメリカのゲーム市場規模

コンサルティングファームPricewaterhouseCoopers(以下PwC)のレポートによると、アメリカ国内における2022年度のゲーム売上(eSportsの売上を含む)は541億ドル(約7兆8,445億円)に達しており、2027年には720億ドル(約10兆4,400億円)を記録するのではないかと予想されています。

ちなみに2022年の前年比成長率は2.4%で、アメリカ市場が過去5年間で経験した最低の成長率でした。これは再三お伝えしている通り、新型コロナ感染バブルのあとの調整期間だったのです。つまり、パンデミックにより一気に膨れ上がったホームエンタテインメント市場が、通常の社会生活に戻るにあたっての一時的な市場の伸び悩みを指します。

PwCは、2023年度の成長率は5.1%に回復し、それ以降は6%前後で成長を続けると予想しています。しかしながら、アメリカは遡ること2021年に、急速に成長する中国市場に「世界最大のゲーム市場」の座を明け渡しています。

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