記野式Blog:なんと!EAがFIFAをタイトル名から外すかも?ライセンスのお話!
「ライセンス」ってどういう意味でしょうか?車のライセンス、コンビニの酒たばこのライセンス、いろいろなところで聞かれますね。許可、認可などいろいろと訳せますが、我々がコンテンツで使うところのライセンスは「IPなどを使用させてもらう権利」とでもいっておきましょうかね?
Electronic Arts(EA)が人気サッカーゲームフランチャイズ「FIFA」のタイトル名変更を検討していることが明らかになりました。New York Times紙の報道によると、その理由はFIFAのネーミングライツのライセンス料をめぐるものだとのこと。なんかF1のFOCAを思い出すわぁ(後述するです)。
確かFIFA(国際スポーツ連盟)とライセンス契約を結んでいても、選手の肖像権やリーグ、チームのライセンスはFIFAとの契約とは別にライセンス契約を結ばないといけないはず…。つまりEAはFIFAシリーズを発売するにあたり、FIFA本体と上記のひとつひとつと交渉し、それぞれ多額のライセンス代を払って「FIFA」タイトルを発売してきたのです。
FIFAにはいわゆる「冠」としてライセンスをもらっていたんですけど、このたびEAに対してこれまでのライセンス料の2倍以上を求めているらしいんです。情報筋によると4年間で10億ドル(約1,130億円)超、10年で25億ドル(約2,825億円)超を請求しようとしているとのことです。
いくら「FIFA」シリーズが売れているからと言ってあきらかに暴挙ですよね。開発費を大きく上回るライセンス代、しかもただの「冠」で実際の選手やチームなどは含まれていないのですから…。
ってことで、EAのFIFAとの交渉は合意に至っておらず停滞しているとのこと。EAは2021年末までには結論を出したいと考えているようです。FIFAが強欲なのは当然ですが、FIFAのためにもならないと思うんですがね…。
EAは冠を取ってゲームの中身だけで勝負することになるのですからものすごい決断ではあります。FIFAが付かないから買わないって人もいるでしょうね。
でも、これに関しては私もEAを支持します。選手やチーム、リーグとは今まで通りライセンス契約を結ぶでしょうし、長年愛されたゲームですからきっとユーザーは付いてきてくれるでしょう。
何にしろ、「要求すれば払う」と思っているライセンサー(ライセンス(許可)する人)には一度そっぽを向く(笑)べきです。失ってみて初めてわかるライセンシー(ライセンス(許可)を受ける人)なんですわ。
Formula 1(F1)に関しても昔同様のお話がありました。世界的なF1自体の盛り上がりとゲームなどでの多様に気を良くしたFOCA(F1の運営組織)がべらぼうなライセンス代を要求して、ゲーム会社がドン引き → 「もうF1ゲーム作るのやめようぜ」になったことがあると聞き及んでおります。
しばらくF1ゲームが減った時期がありましたが、現在ではEAに買収されたCodemastersが毎年シリーズを発売してくれてファンを喜ばしていますよね。
ライセンス代を払って「使わせてもらう」のは当たり前の話かもしれませんが、IPホルダーは「使ってもらってさらにIPのパワーを高める」という副産物も享受できるのですから「暴利」はいけませんよ。
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