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学用品の海外支援でよく聞かれること

Q. なぜランドセルを積極的に支援していますか?

A. 日本のランドセルは、通常の利用であれば6年以上使用しても著しく性能が落ちることはありません。そんな立派なリュックを全員が持つことができるのが日本です。しかし、発展途上国の子ども達が使っているバッグやリュックサックはそこまでしっかりしたものではありませんし、雨が降れば中身が濡れてしまいます。日本だとみんなが持つことが当たり前なのであまり実感が湧きませんが、6年以上使ってもヘタレないリュックは中古品であっても現地の子ども達は大喜びするほど、良い品です。

Q. 現地の子ども達は全員が貧困ですか?

A. 全員が貧困というわけではないです。発展途上国でもおおよそ2割は富裕層となります。逆を言えば8割ほどは貧困層ということにもなりますし、その8割の中に最貧困層と言われる、一日一人あたり200円ほどで生活する人々がいます。人間は環境の影響を大きくうけますが、貧しく生まれた子どもたちのほとんどは現状は変えることができると思うことができません。立派なオフィスビルが見える貧困地域の人々でも、それは別世界と思ってしまうものです。そのため、外部からの支援が必要です。発展途上の国にはスラムの問題も多く、すべてを国の力だけで解決するのは難しい状況です。例えば、全員が保険に入っているわけでもないので、火事で家が燃えてしまったらすべてを失います。それでも、国が支援してくるのはきれいな服ではありません。こういった状況の中では、世界の有志が手を差し伸べることはとても意義があると考えています。

Q. 学用品の支援によって、経済格差を埋めることは出来ますか?

A. NPOの活動のみでは、根本解決は難しいと思って活動をしています。経済格差は資本主義や民主主義、人間の欲によって生み出されるものです。そのため、NPOの活動ではできることをできるだけやるということを決めて活動をしています。とはいえ、発展途上国の知識格差を埋めるために私達ができることはたくさんあります。識字率が国の発展には欠かせません。日本で読み書きができないという人はいないと思いますが、まだまだ世界にはそういう子どもがいます。大きく変えることよりも、支援先の子ども達に少しでもきっかけを与えることができるのが、私達だと思って現地まで行くような活動をしています。

Q. 海外支援活動の中で特に意識していることは何ですか?

A. 日本の常識と現地の常識が違うということや、不平等にならないように、また、私達自身が承認欲求を求めないということです。
常識で一番わかり易い部分は、ランドセルの色の好みやボールペンの基本色です。国によって変わることを、国際的な支援をする側として意識しています。
不平等という観点では、数点のみ現地の子ども達に渡してほしい!などの依頼を受けることがあります。確かに、おもちゃなどを子ども達が受け取ったらとても喜ぶでしょう。しかし、特定の一部の子供にのみしか渡せないとなると、問題が起きてしまいます。ランドセルに関しても、現地の先生に勉強の意欲が高い子どもを選抜してもらう等して、上位100名などの条件で渡さなければいけません。例えば、3人の子どもだけに何かを個人的に渡してくるというような、やりたいようにやるだけでは現地も困る場合があり、様々な調整が必要になります。また、炊き出しのおかわり等もNGである場合があります。全員がおかわりできないならしないなど、現地におけるルールを意識しなければいけません。
そして、誰かのために何かをしたからといって何かを得るためにやるわけではないという意識を持って活動しています。現地に行って子ども達から笑顔や感謝の気持をいただくことはとても嬉しいことですが、それ以上のことを求めずに、やらないよりやることが大事ということを意識して、日々活動を継続しています。


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