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PRP再生療法の成長因子「あり」と「なし」の違いについて解説

こんにちは。共立美容外科の磯野です^^
今回は、PRP再生療法の成長因子「あり」と「なし」の違いについてお話したいと思います!

PRP再生療法というのは、血小板を濃縮させた「PRP」というのを使用して、肌のお悩みにアプローチしていくという再生医療になります。

もともと血小板には成長因子が複数含まれているのですが、ここでいう成長因子の有無は「添加成長因子」の有無を指しています。

PRP再生療法には成長因子ありとなしがある

PRP再生療法には2種類あって、添加成長因子が入ったものと、入っていないものがあります。

そもそも成長因子とは何なのか、添加成長因子が入ったものと入っていないものの特徴についてわかりやすく解説します。

成長因子とは?

成長因子には、細胞を活性化させたり増殖させたり、成長させたりする成分が含まれています。

肌細胞がケガや病気などで損傷を受けると、血小板に含まれる成長因子が修復するために働きかけ、傷を治してくれます。

しかし、成長因子の分泌は18〜24歳をピークに徐々に減少していき、年齢を重ねるごとに細胞の活性化や成長、修復が遅れて、シミやシワなどが出やすくなってしまいます。

血小板に含まれている成長因子の種類

血小板に含まれている成長因子の種類と働きは以下の通りです。

  • FGF:修復、コラーゲン・ヒアルロン酸の産生

  • EGF:上皮細胞の成長促進、創傷治癒の促進、血管新生

  • PDGF:細胞増殖、修復、血管新生、コラーゲンの産生

  • VEGF:血管内細胞増殖・新生

  • TGF-β:上皮細胞・血管内皮膚の増殖、新生・創傷治癒の促進

【成長因子添加なし(従来)】PRP再生療法とは?

患者さんの血液を採取し、遠心分離機で赤血球と血小板を分離させ、血小板のみを抽出したPRPで施術を行う従来のPRP療法です。

自身の血小板のみを使うため、アレルギーや副作用の心配がほとんどなく、安全性が高いことからポピュラーな再生医療として使われてきました。

【成長因子添加あり】PRP再生療法とは?

患者さんの血液を採取し、遠心分離機で赤血球と血小板を分離させ、血小板のみを抽出したPRPに不足している成長因子を添加させたものを「PRP皮膚再生医療」といいます。

従来のPRP療法では対処しきれない深い肌の凹みなどに対応できるよう、さらにパワーアップさせるため、成長因子を添加したものです。

ただし、成長因子が多すぎるとしこりができるなどの問題があるため、医師の高い技術と豊富な経験が必須です。

【成長因子添加あり・なし】効果・症状の違い

添加成長因子が入っているPRPと入っていないPRPとでは、改善できる症状への効果に大きな差があります。

成長因子添加ありの効果

添加成長因子ありの場合、以下のような効果があります。

  • 目の下のシワ・たるみ

  • 目の上のくぼみ

  • 目じりのシワ

  • ほうれい線

  • 鼻の下のシワ

  • 額のシワ

  • 眉間のシワ

  • 頬のハリの低下

  • 唇・口の周りのシワ

  • 首のシワ・たるみ

  • マリオネットライン

  • インディアンライン(ゴルゴライン)

  • 手の甲のシワ

成長因子添加なしの効果

成長因子が添加されていない場合の効果は以下の通りです。

  • 目元の浅いシワ など

【成長因子添加あり・なし】ダウンタイム・リスクの違い

成長因子添加のありと添加なしのダウンタイム・リスクの違いについて解説します。

成長因子添加ありのダウンタイム・リスク

成長因子の添加がある場合、術後に腫れが伴うことがあります。
腫れは2、3日をピークに次第におさまっていきます。万一、1週間以上経過してもおさまらない場合は、アレルギーや細菌感染などが考えられますので、施術を担当した医師に速やかにご相談ください。

もしダーマペンを併用した場合は、ダーマペン施術により、乾燥や赤み、かゆみ、内出血などが数日生じる場合があります。

リスクとして、成長因子の配合量が多すぎる、または効果が高く出過ぎてしまうことで、しこりができたり注入部分が膨らみすぎたりする場合があります。

成長因子添加なしのダウンタイム・リスク

成長因子の添加なしの場合、赤血球が混ざっていることが多いため、ダウンタイムが長引いたり、内出血が生じたりする傾向にあります。
また、まれにアレルギーや細菌感染により、腫れが生じる場合があります。アレルギーや細菌感染が原因の場合、1週間以上腫れが見られます。

リスクとして、効果が現れない場合があります。

【成長因子添加あり・なし】修正方法

PRP療法によりしこりができてしまったり、思ったような効果が現れないといったトラブルが起こります。

そのような場合の対処法が決まっていますので、ご紹介します。

成長因子添加ありの修正方法

成長因子の添加ありの場合、効果が高く出過ぎる、または注入量が多すぎるために、しこりができたりや膨らみすぎたりすることがあります。

そのようなトラブルが起きた際は、修正方法として「ケナコルト注射」を打つ方法が取られます。

ケナコルトはステロイドの一つです。ステロイドはもともと副腎で作られるホルモンで、炎症を抑えたり細胞を小さくしたりする効果があります。

修正したい部分に注入することで2〜3週間かけて徐々に溶けながら吸収されていき、数日間に渡り効果を発揮します。

デメリットとして、ケナコルト注射は一度でしこりや膨らみを改善できない点が挙げられます。完治させるには、1か月に1回ほどの頻度で6か月程度継続しなければなりません。

成長因子添加なしの修正方法

成長因子の添加がない場合、効果が全く現れないというリスクがあります。

そのような場合は、再施術を受けることで修正できるケースがあります。

もし確実に効果を得たい場合は、成長因子の添加があるPRP再生医療を受けるのも好手段です。

クリニックによっては効果を感じられなかった場合の保証がついている場合もありますので、クリニックを選ぶ際に確認しておくとよいでしょう。

【成長因子添加あり・なし】PRP再生療法の違いまとめ

成長因子の添加があるPRP療法と添加がないPRP療法の違いを以下にまとめました。どちらのPRP療法を受けるか悩まれている方は、参考にしていただくとよいかと思います!

  • 効果・改善できる症状の違い:添加ありは深いシワや傷などに対応できる。添加なしは浅いシワや傷跡などに対応している

  • ダウンタイム・リスクの違い:添加ありは術後に腫れが伴うことがあり、リスクとしてしこりや膨らみすぎる可能性がある。添加なしはダウンタイムが長引いたり内出血が伴いやすい。リスクとして効果が現れないことがある。

  • 修正方法の違い:添加ありはしこりや膨らみすぎることがあるため、その場合にケナコルトというステロイドを患部に注射する。添加なしは効果がない場合があるため、再施術か成長因子を添加したPRP療法に切り替える。