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よければ一緒に~KANちゃんのこと①~

今日は12月12日。
かのお人が星に旅立ってから1ヵ月になる。
いや、星ではなくて、フランスに行ったまま、姿をくらましているのかもしれない。
どうやって自分を騙そうか、あの日から、そんなことばかり考えている。

今日、KANちゃんをリスペクトするアーティストさんたちが、
「KANのChristmas Song」を歌ったものが、12月25日まで、
大阪のFM2局限定で聞くことができると、そんな話が解禁になっていた。
誰も居ない職場で聞いた。
歌い出しで泣いた…
懐かしい声に…というよりも、ああ、KANちゃん、居ないんだな…
そう実感してしまうことにもなったから。
でも、愛が溢れていて嬉しい。本当に。

あの日。11月17日(金)。
職場の新入社員2人に朝から研修をしていて、11時に終え、
後片付けをしているところに、
スマホを手に取った同僚が、私の後ろで悲鳴を上げた。
何事かと振り向くと、まっすぐに私を見つめて、
「スマホを見ない方がいい。きっと、泣くよ」
と言った。
私はたぶん、「あぁ…わかった」とだけ言ったと思う。
自分のスマホを手に取った。
見たのは、ニュースでもなんでもなくて、X(旧Twitter)だった。
やはり…
この数日間、言葉にできなかった不安…押し込めていた気持ち。
それが現実のものになって、私は、
「あぁ…」とだけXにつぶやいた。
その後、落ち着こうと、お茶を飲もうとしたが、
カップを持つ手は震えが止まらなかった。

別の同僚がやってきて、
「もう帰ったら?大好きな人だったんでしょ?」と気遣ってくれる。
もう、何をどうしたらいいかわからなくて、
仕事は続けた。
しかし「どうしたらいいの?」と言いながら、ウロウロするしかなかった。
ウロウロしながら…
「ああ、私の32年間」とつぶやいた。

その日はその後、どんな仕事をしたか、記憶にない。

そんなはずがない。居なくなるはずがない。嘘だ。
今すぐXを開いて、皆と話がしたい。
そう思っていたことは覚えている。

その日は残業せずに帰宅(させられた)。
私が1人残るのを心配した同僚が、
「今日は1人で残業なんかしたらダメ」と、心配してくれて、
ものすごく久しぶりに定時で帰ることに。

車に乗り込んで、エンジンをかけた途端、
ラジオから流れてきたのは、
ビートルズの新曲「Now And Then」。

抑えていた気持ちが決壊し、車の中で号泣した。
嗚咽するほど泣いた。
とめどなく涙が出た。

楽観してくださいって言っていたじゃない。
先月、フランス行ってたじゃない。
ビートルズのMusic Video観たって……

泣きながらどうにか運転して帰宅した私は、
それからひたすらXを見つめ、Xで会話していた。
ほとんど眠れずに朝を迎え、
早朝からでなければいけない仕事があったので、
目も顔も腫れたまま出かけた。

会う人は皆、私の顔を見て、
「ご愁傷様」とか「このたびはとんだことで…」なんて言ってくれるけど、
実感がないわけで。
「いやいや、家族じゃ無いんで…」
そんな風に返すことしかできなかった。

なんだ、これ?何が起こっているんだ?

理解ができないままだった。

あの日から1ヵ月が経とうとしている。
私の人生における一大事が起きていることは、
間違いないようだ。
今の気持ち、今起きていること…
そんなことを少しずつ綴っていけたらと思う。
簡単に気持ちの整理はできないし、
「今までありがとう」なんて、
まだそんなことは言えない。
口にしたくもない。

しかし、この気持ちがどう変わって、どこへ向かっていくのかは、
記録しておこうと思う。

友人から、人の記憶は薄れていくから、
時間が経たないうちに、記録として残しておいた方がいいと勧められた。
ああ、そうだな、、、と腑に落ちた。

何をどう残せるかよくわからないけれど、
いちKANちゃんオタクの心情を綴っていきたいと思っている。

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