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悲しみを残したまま僕らは次の場所へ…

はじめに言っておくと、私はKANちゃんのファンです。何年も。
ほったらかしだったこのnoteにも、本当はKANちゃんのことを書いていきたいのだけれど、なんか今はこちらの話を先に消化しなければ…と思い、
書き始めた。
KANちゃんファンから見た、山崎まさよし氏のライブのこと。
ちなみに、山崎まさよし氏についても、かれこれ20年ちょっと、付かず離れずのファンをやっている…
山崎氏への入り口もKANちゃんがキッカケだったな…。

悲しい悲しいあの日。
これでもかというくらい涙を流し、ずっとずっとTwitter(現・X)に張り付いていた。
そこで目に飛び込んできたポスト。
KANちゃんが山崎氏に病床から電話をかけてきて、叱ったという話。

君のことを知ってる人も知らない人も君の歌を聴きに行ってるんだから
歌わないとだめだよ

(山崎氏のライブMCを聞いた方のポストから)

山崎氏、少し前にライブで8曲しか歌わなかったことで炎上し、話題になってしまい、ずっと心配だった。
悲しい知らせが駆け巡ったあの日、ライブのMCで山崎氏はKANちゃんの話をしたらしい。

ああ、KANちゃん、ちゃんと叱ってくれてたのか。良かった…
そう思った。

KANちゃんはいつかのラジオで、たぶん、(スターダストレビューの)要さんと、こんな話をしていた。
自分たちにとっては、何回かのうちの一回だけど、
お客さんにとっては、その時が唯一の特別なライブなのかもしれない。
どこの会場でライブを見ても、同じクオリティでなければ…と考えている人である。

翌日の11月18日、ちょうどデジタルチケットのダウンロード日。
良席をゲットしたにもかかわらず、
昨日の今日で、正直ライブなんか見に行かれないと思っていた。
でも、KANちゃんに
「山ちゃんがちゃんと歌っているか、見てきてくれる?」と
言われている気もして…。
泣き腫らした目でスマホ画面に映し出された座席の番号を眺めながら、
行ってみようと決意した。

12月2日。
YAMAZAKI MASAYOSHI “ONE KNIGHT STAND TOUR 2023”
長野県須坂市文化会館 メセナホール。
最前列の中央。
彼の一挙手一投足、全てが良く見えた。

何か苦しそうだな…
いつものような勢いがないな…
大丈夫かな…
私にはそんな風に見えていた。

そんな中で「歌う度に気持ちが変わる曲がある」と歌い始めた曲。
「泣いたらごめんなさい」と断った上で、
泣くのをこらえて歌っている。
ああ、ずっと悲しんでるんだな、
どうしていいかわからないんだな…
そんな気持ちがひしひしと伝わってくる。

いま、世の中で起きていること。
世界情勢(ウクライナやらパレスチナやら)や、
知り合いが亡くなったこととか、
それをストレートに受け取ってしまい、辛いと。
その気持ちが、そのまま込められていた。
聞いている方も、、、辛い。

これは推測に過ぎないが、あの騒動の頃。
彼は辛い何かを受け取ってしまったんだと思う。
到底、歌う気になれない何か。
それはKANちゃんのことかもしれないし、
そうではないかもしれないが。
(10月はKANさん的に会いたい人に会いましょうの時期だったらしいから)
だから、今も迷っている。迷いに迷っている。

アンコールは終始KANちゃんの話。
女子高生が好きだとか、ルーズソックスが好きだとか公言してて、
ダジャレが大好きで…
(風邪をこじらせて「こじらせ紋次郎」とか、
弾き語りライブのタイトルが「弾き語りばったり」だとか
かわいい店員さんがいるお店に連れて行かれて、
YAMA-KANのCDを渡してきたとか。
そんなエピソードを話されていました)

なんだかんだで、デビュー当時から一番お世話になったKANさん。
KANさんは歌えなくなってしまったけど、僕はもうちょっと歌っていきますという言葉にホッとさせられ、
終始「僕の仕事は歌うことです」と、
自分に言い聞かせるように言葉にしていた。
あの8曲の話も、少しずつネタにできるようになってきたようだ。

アーティストも、ファンも年を取る。
山崎氏も長いことやってきて、
今後どうやっていこうか、試行錯誤していると。
そんな迷いが、今回のライブに出てしまっていた。

ラストの曲。
必死に歌っている様子にこちらも苦しくなり。
先のKANちゃんの話も重なって、
曲が終わった途端、
私は最前列で、崩れ落ちた。
山ちゃんの気持ちを感じるには、距離が近すぎた。

涙が止まらなくて、周りが退くくらい嗚咽してしまった。

こんなに苦しいライブ、今まで見たことが無かった。
自分がまだ気持ちの整理が全くできていない状態で参加したこともあるけれど、こんなにダメージをくらっている山崎氏を見るのと同時に、
KANちゃんの存在の大きさを感じてしまったから。

KANちゃんに報告するなら、
「山ちゃんはちゃんと歌っていました。迷いに迷っているけれど。
まだまだ苦しんでいるけれど。これからも歌っていくようです。」
そう言うだろう。

しかし、私たちの苦しみはまだまだ続く。
山崎氏、いや、いつも呼んでいるようにキャンパーさんと呼ぼうか。
(KANちゃんが山崎氏をそう呼ぶことがあって、私も真似している)
キャンパーさんの歌のように、
私たちは、この悲しみを残したまま、次の場所へ踏み出せるのだろうか。
まだまだ、その次の場所なんて見えないけれど。

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