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妹の遺族年金請求と確定申告に行ってきた話

妹が亡くなり、ひと月半が過ぎた。
妹の確定申告に行ってきた。

亡くなって2週間後には、母を連れて年金相談センターに行ってきた。
そして正月を挟んで、ようやく税務署にも行ってきた。

雑多な手続きを高齢の母にやらせる訳にもいかず(元々何かを調べて準備するのが苦手な、完全依存体質の母)
やらせても二度手間になるのが解ってるので(他の簡単な手続きを頼んだら案の定、2回訂正申告する羽目になった)
フルタイム週5で働きながら、妹が加入していた健康保険組合に連絡して【医療費のお知らせ】を5年分取り寄せ、勤めていた会社に頼んで源泉徴収票も5年分取り寄せた。

まだまだやらないといけないことはあるのだが、とりあえず【メインの大仕事】となる、この2つ終わらせることが出来た。
遠方の税務署に高速道路を飛ばして行ってきた。

帰り道、高速を降りたら夕日がきれいでした。
やっと確定申告行ってきたよと、心の中で妹に報告しました。

遺族年金請求に行ってきた話

妹は29歳で乳がん疑いがあり、31歳で手術をした。その後16年治療したので、トータル18年病気と闘ってきた。
その間、転職もし、スキルアップもしてきて、某大学の研究室で広報事務系スタッフとして働いてきました。

公立高校を出た後、専門学校に2年通っただけの普通の人だったのですが、妹はそこから英語学校に通い、TOEICも頑張って受けて、仕事で海外とやり取りできるまでになっていました。ECC通学に300万円くらい掛かったと母に話していたそうです。
その努力が認められ、外国人スタッフと仕事のやり取りを任せられるまでになりました。プライベートでも仲良くなった同僚を訪ねて、中国やシンガポール、インドネシアにもひとりで遊びに行ったりしていました。

その甲斐もあってか、その頑張りが認められ、長く勤めさせていただけたんだ思う。
なによりも職場長の理解があったのが一番の救いで、手術の後の抗がん剤治療で、かなり体力的精神的ダメージがあった時期には、自宅に近い別の事務所で働けるよう配慮してくださったり、コロナ禍になった際には在宅勤務させてくださいました。

そのおかげで妹は亡くなる2週間前まで働くことが出来ました。亡くなるぎりぎりまで働けたおかげで、妹は厚生年金を300ヶ月掛けていたのです。
300ヶ月、25年。ホントによく頑張ってくれました。病気と闘いながらの18年は本当にしんどかったと思います。
しかし、そのおかげで母は妹の遺族年金を受け取れることになりました。自分が亡くなった後、賃貸の一人暮らしになる高齢の母を案じていた妹。家賃の半額程度の年金を受け取れることが解りました。

辛い治療を止めてしまいたい時期もありました。大好きな仕事でも、しんどくてしんどくて起きれなくて、めまいや吐き気に苦しむ日も多かった。胃腸炎を起こしたり、亡くなる半年前からは腹水も徐々に溜まり始め、いよいよ辞めたい時期もあったと思います。だけど本当によく頑張ってくれました。 

しかし、上司や同僚たちが助けてくれ、応援してくれたからこそ、長く勤められたんだと思います。みんなと長く一緒に働けることがまた、妹の生き甲斐でもありました。

1番多く使った年では100万円

準確定申告(亡くなった年の確定申告は準確定申告と言います)をするために医療費のお知らせを取り寄せて計算してみました。
5年しか遡りが出来ませんでしたが、抗がん剤を色々試しだしたこの3年間が一番医療費がかかっていたかと思います。
主となる病院では限度額認定証を使っていましたが、それでも年に100万円以上使っている年もありました。確定申告した5年分の医療費控除の申請額の合計は380万円でした。

がん治療で一番大変なこと

がん治療で何が一番大変かというと、やはり【治療費】なんですよね。

妹の治療費はここ5年ほどで一気に増えていたのですが、体調不良や仕事が忙しかったこともあり、医療費控除の確定申告を一切していませんでした。それまでのように【領収書を集めて、月ごとに計算して…】という細かい作業に時間を費やす体力精神力がなかったんだと思います💦

しかし、平成29年度からは、健康保険からの【医療費のお知らせを貰う】だけでよくなり、領収書は持っておくだけで、貼ったり計算したりしなくて良くなったのです。その話を妹に毎年していたのですが、もう妹には既に、そこまでやる気力がなかったんだと思われます。

なので妹が亡くなった後には、必ず確定申告をやってあげようと思っていました。

再発してからはだいたい年50万円。ポートを入れて点滴での抗がん剤を行うようになってからは、年100万円ほど医療費に使っていました。妹が頑張った証は、私達家族にしかわかってあげられないんですものね。

妹は大切な自分の子ども代わりの猫2匹の生活も案じていました。乳がんになったモモちゃんと、行方不明になった際、片足を無くしても奇跡的に帰ってこれたマメちゃん。この子達のご飯代と治療代をも少しでも多く残したいと、必死で節約していました。

なので医療費控除での還付金は、母と猫たちに使ってあげたかったのです。

年金も母が貰えるように手続きできた。
医療費控除の還付金も、当面の猫たちのご飯代と医療費になります。

本当に良かったです。

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