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南海✖️泉北高速の統合は京成✖️新京成となにが違うのか

こんばんなまらステ💙Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨

鉄道会社は乱立から収束の時代に入った❓

先立って10/31に京成電鉄が新京成電鉄を吸収合併することも発表されたため、多くの人はそれに重ね合わせている様子。

でもユーザー目線からすると決定的に違うところがある。

それは京成と新京成の運賃は統合されないのに対して、南海と泉北高速の運賃は恐らく統合されるということ。

今回の発表にあたって統合後の運賃案として南海難波ー泉ヶ丘間のものが示されたのだけど、

普通運賃は490円を存置、通勤定期は23,980円から18,870円、通学定期は9,670円から6,060円に引き下がるとしており、

これって南海難波ー泉ヶ丘間21.2kmとほぼ同距離の南海難波ー大阪狭山市間21.8kmと一致してるのよね。

ということで泉北高速線の運賃が南海電鉄に統合された場合の普通運賃の一例を示したい。

南海高野線から泉北高速線が分岐する中百舌鳥、中百舌鳥からひと駅手前の百舌鳥八幡、そして南海のターミナル南海難波から泉北高速線の各駅への普通運賃の変化を示した。

あとからできた光明池ー和泉中央間は現在20円加算されており、統合後についても存置されるものとした。

中百舌鳥ー深井 200➡️240
中百舌鳥ー泉ケ丘 240➡️290
中百舌鳥ー栂・美木多 280➡️290
中百舌鳥ー光明池 300➡️370
中百舌鳥ー和泉中央 340➡️390

百舌鳥八幡ー深井 280➡️240
百舌鳥八幡ー泉ケ丘 320➡️290
百舌鳥八幡ー栂・美木多 360➡️290
百舌鳥八幡ー光明池 380➡️370
百舌鳥八幡ー和泉中央 420➡️390

南海難波ー深井 450➡️420
南海難波ー泉ケ丘 490➡️490
南海難波ー栂・美木多 530➡️540
南海難波ー光明池 550➡️540
南海難波ー和泉中央 590➡️630

値上がりになる区間は強調させてもらった。

要するに南海より泉北高速の方が運賃が安いんだよね。だから泉北高速線内で見ると結構な値上がりになる。

ただ、南海難波ー栂・美木多、光明池間で値上がりになるのはちょっと解せない。

これ一体どーゆーことなのかとゆーと、

現在は南海難波ー栂・美木多の場合、南海難波ー中百舌鳥間350円と中百舌鳥ー栂・美木多間280円を合算した630円から乗り継ぎ割引100円を引いて530円にしている。

南海難波ー中百舌鳥間は14.1kmで、南海では12-15kmの運賃を370円に設定しているけれど、この区間だけ大阪Metro御堂筋線の340円に対抗するため350円に引き下げている。

また南海は16-19kmが420円なのに対して20-23kmが490円と一気に70円も上がる。つまり高野線、南海本線ともに20km以上の利用者をメインターゲットにしていることがわかる。

統合後は南海難波ー中百舌鳥間の値引きの恩恵を受けれなくなり、かつ深井以外の駅では20km以上値上げの影響を受けてしまうわけ。

もちろん定期券は大幅に値引きになるわけだから、腹を括った点もあるにしても、南海が割と強気なのはあーそーゆーことなのかと。

でも和泉中央への加算運賃は廃止する可能性がある。なぜかというとJR阪和線の和泉府中と多少の競合関係はあるから。

和泉府中は阪和線のなかでも利用の多い駅で、ラッシュアワーは関空行きの特急はるかや紀伊半島行きの特急くろしおを停めて通勤利用を促している。

泉北高速は2014年に南海傘下に入ったけれど、その翌年に座席指定制特急泉北ライナーが走り始めて、着席通勤でも競合するようになった。

元々、泉北高速線は大阪府都市開発株式会社という大阪府主体の第3セクターで1971年に泉ヶ丘まで開業、少しずつ路線を延ばして1995年に和泉中央まで全通した。

南海高野線と直通運転こそしたけれど、運賃はバラバラで非常に割高。

1987年に大阪市営地下鉄(当時)御堂筋線が中百舌鳥に乗り入れてくる。

中百舌鳥ー難波間では御堂筋線の方が安いし、御堂筋線は天王寺、難波、心斎橋、本町、淀屋橋、梅田、新大阪とオールスターのようなルートだから、このままでは泉北高速線の乗客がほぼ全員御堂筋線に流れてしまうじゃないか❗️

ってなことで、泉北高速線の深井から南海高野線の堺東までノンストップで中百舌鳥を露骨に通過する区間急行を登場させて対抗した。これは今でも変わらない。

大阪府都市開発は泉北高速線だけでなく物流事業もやっていて黒字だったけれど、大阪府政を維新が牛耳るようになると、なんでもかんでもプリヴァティゼイション(民営化)しちゃえって話になった。

黒字会社なので海外ファンドも入ってきてそっちに売る流れになったけれど、南海に売るべきだという方向に話が傾き始めて結局南海の子会社になった。

個人的には泉北高速線は無条件に南海に譲るにしても、物流事業はちゃんと市場の原理に基づいて売却先を決めるべきだったと思うけどね。

社会主義っぽい声を味方につけるかたちで、南海がまんまと物流事業までせしめたのは納得いかない。こんなことやってたら、いつかこの国には海外からの投資が一切来なくなってしまうよ。

南海としては物流事業の利益もあるからこそ、子会社化後は100円という大盤振る舞いの乗り継ぎ割引を行い、翌年から泉北ライナーの運転も開始した。

それでも泉北高速線は定期券は割高で、通勤通学需要が減っていることは痛手だった。

人手不足のなかで鉄道や不動産事業における人的リソースの共有化という目論みもある。

まだ泉北高速線が大阪府都市開発だった頃、府市統合の一案として御堂筋線と泉北高速線と直通運転というものがあった。

泉北高速線は南海と同じで1,067mmのケープゲージかつ架線集電、御堂筋線は欧州の地下鉄規格で1,435mmのスタンダードゲージかつ車両の横にあるサードレールから集電するかたちで、まったくの別物。

御堂筋線は北側では阪急テリトリーに配慮して阪急と大阪府による第3セクター北大阪急行を設立して直通させたのに、何故か南側では南海に何の配慮もせずしかも大阪市外に思いっきり大阪市営で入り込んできた。

北花田から南海と大阪府による南大阪急行❓を設立して御堂筋線の延長線として和泉中央まで敷設すればスッキリしたのにさ。

結局、大阪府と大阪市と南海のそれぞれのプライドが邪魔して最適な計画が組めなかったんだろーなぁ。維新が初期にボロクソ叩いていた府市合わせってやつね。

まあ、架線集電とサードレール集電の互換性は欧州では初期のユーロスターをはじめ全然あるし、近鉄が架線集電の奈良線とサードレール集電のけいはんな線を直通できる車両として導入予定。

レールの幅の違いを乗り越えられるフリーゲージトレインにしても在来線の速度なら現実味はあるということで、こちらも近鉄が京都ー吉野間の特急を走らせるために開発中。

だから、技術的には将来的にできなくはないけれど、泉北高速線が南海に入ったことでほぼ芽がなくなった。

基本的には今後も今と輸送体系自体は変わらないだろうけど、なにわ筋線ができた時に泉北高速線系統が入っていく可能性はゼロじゃない。

御堂筋線の力を借りなくても梅田、新大阪まで乗り入れられることで、本来大阪府と大阪市がやるべきだった輸送体系が実現できるかもしれない。

今のところ関空系統しか入らない予定だけど、そんなのやってみなきゃわからない。最初から否定してどーするんだ、ってことを我々は大谷翔平から教えてもらったはず。

自分自身はなにわ筋線の建設には反対なんだけれど、どーせできるなら活用の幅は拡げたほうがいいということ。

また、泉北高速線は和泉中央から約2kmほど線路をそのまま通せるようになっている。

そこは和泉市と岸和田市の市境にあたり、両市・大阪府・南海による新都心の建設というのも考えていいかもしれない。

実現は夢の1%足らず、だとするなら夢はでっかい方が実現も大きくなる。

南海はオワコン路線を救うのではなく、グループと沿線地域を発展させるための新しい仲間を迎え入れるんだ、って気持ちを持っていきたい。

それじゃあバイバイなまらステ💙厚沢部煮切でしたっ✨







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