トキエア〜赤い海を往く北前船
こんばんなまらステ💙Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨
再三就航延期を繰り返し、もう無理なんじゃないのかと地元でも心配されていた新潟拠点の新航空会社トキエアが1月31日、新潟ー札幌丘珠間でようやく就航することができた。
とっとりガスがなにやらやると言ってたフィールエアとか、
福井空港からヘリコプターを飛ばすと言っていたセレスティアル航空とか、
関空拠点のジェイキャスエアウェイズといったところが次から次へと名乗りを挙げるも、今いったいどーなったんだろ、ってところでトキエアはなんとか飛び立つことができた。
新規航空会社が予定通り就航することはない、ということは歴史が証明しているだけに、これらのキャリアもまだまだわからないけれども。まさにマーケティング用語におけるヴァレイオヴデス(死の谷、事業化への障壁)を越えるのが難しいってこと。
さて、折角のトキエアの祝賀ムードに水を差すようだけど、ヴァレイオヴデスを越えたトキエアに今度はダーウィンシー(ダーウィンの海、産業化への障壁)が待っている。今日はそんな話。
トキエアの場合、まず週4日、1日2往復というところからのスタートで、これを毎日運航にするためのオペレーション確立が必要になる。
離島以外の国内線って毎日運航が普通だからね。乗りたい日に飛んでない、っていうだけで多くの人は選択肢から外してしまう。
新潟から札幌丘珠へは1時間40分、札幌丘珠から新潟へは1時間45分、単純往復で3時間25分。
機材ひとつでやりくりしたとしても、できれば3往復にしたい。
トキエアはLCCではないとしているけれど、価格は安く抑えることとしており、そうであればLCCのように兎に角折り返し時間を短縮して、回転を上げなければいけない。
航空って供給が需要をつくるものだからさ。
いい例が羽田ー南紀白浜線で、機材を小型化して便数を増やしたら需要がついてきて、逆に名古屋と紀伊勝浦を結ぶ特急南紀の名古屋ー津間がガラガラになった。便数が少なかった頃は鉄道で東京へ向かっていたんだね。
羽田ー北九州線も空港移転で便数が増えたら、需要がついてきた好例。それまでは新幹線で東京ー小倉を移動する人が少なからずいた。
トキエアが競争戦略を考えられるようになるには、毎日3往復の安定運行が最低ラインだと思う。
羽田ー新千歳間はJAL、ANA合わせて4往復、夏季は1往復の増便がある。
丘珠の方が札幌市街には近いけれど、プロペラ機のトキエアに対して、こちらはジェット機だからトキエアより遥かに速い1時間10分で結んでしまう。
それに対して価格と丘珠の地の利で訴求するとしても毎日3往復が最低ラインということ。
この先の新潟空港からの就航予定路線にしても、高速バス以外の競合がいないのは仙台線だけで、
セントレア線、神戸線、佐渡線、首都圏線は他航空会社、新幹線、ジェット船といった競合がいる。
新潟空港は新潟の街から遠いので、もっと街に近い新潟港から出るジェット船が強大な相手になってしまう。
セントレア線については就航そのものに疑問がある。
戦略の似ているフジドリームエアラインズ(FDA)が既に小牧線を飛ばしており、小牧よりも名古屋市街に遠いセントレアへ、FDAのジェット機よりも遅く結ぶことに合理性を感じない。
セントレアから国際線に乗り継ぐって言ってもそこまでのレパートリィもない。
それよりはFDAの本拠地でもある静岡線を飛ばした方がいいように思う。
静岡と新潟の交流という意味でもそうだけど、トキエアとFDAの交流、つまりFDAや母体の鈴与とは良好な関係を築くべきだということ。
鈴与はこの先トキエアが就航予定の仙台や神戸の地上業務をやってるし(丘珠もやってるけどそっちは恐らくJAL系のHACに委託している)、少ないパイを競い合うより例えば新潟ー小牧線はFDA、新潟ー静岡線はトキエアが担当しつつ双方コードシェアした方がよくないか。
FDAは新潟ー福岡線を飛ばしており、福岡ー新潟ー丘珠・仙台という連携輸送もできるはず。
鈴与は新千歳、丘珠、青森、花巻、仙台、松本、静岡、小牧、セントレア、神戸、出雲、高知、福岡、熊本、下地島で地上業務をやっている。
このうち他社との競合があり現実的でない新千歳、小牧、セントレア、福岡、
近過ぎて鉄道やバスの領分といえる松本、
距離や需要的に現実的とはいえない下地島を除いて、
トキエアが新潟空港から飛ばしたらどうだろうか。
FDAは静岡、小牧、松本を媒介に東日本の都市と西日本の都市の間の交通手段を提供しているけれども、FDAとトキエアが組むことで新潟もそのハブに加わればいい。
需要が多ければFDAのジェット機、少なければトキエアのプロペラ機を使うことで最適な輸送形態を提供できる。
なお、鈴与はANAに次ぐスカイマークの株主になり、今後はFDAとスカイマークの協調も予想される。
これはJAL寄りだったFDA・鈴与がANAとの接点を持ったことも意味する。
トキエアもJAL寄りということになるけれど、この枠に入り、ANAとの接点を持てば、JALとANAの双方と距離を保つスカイマーク・FDA・トキエアの一大ネットワークが形成できる。
神戸はスカイマークの牙城なんだから、トキエアとスカイマークが組むことで新潟ー神戸ー西日本各地、という輸送も魅力的。
西日本から新潟空港経由で上越にスキー来る需要が結構あるんだよね。
いまは福岡以外なかなかそのようなパッケージもつくりにくいけど、大きく変わる可能性がある。
また、新潟空港は国内線では羽田線がないため利用者数は下位に甘んじているけれど、国際線は上位にいる。
とくにハルビン🇨🇳線はあまり他都市にないものだし、新潟空港のネットワーク拡充は国際線乗り継ぎ需要も喚起できる。
新潟空港は位置や地方空港としては珍しく滑走路を2本持つファシリティから、ハブになれるポテンシャルはあるわけで、是非ともトキエアにもその認識を持ち、FDA・鈴与と組むことで現代の北前船を目指してもらいたい。
それじゃあバイバイなまらステ💙厚沢部煮切でしたっ✨
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