見出し画像

ブッキング帝國とサプライヤーの闘争

こんばんなまらステ💙🤍Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ⭐️

恐ろしいくらいにニュースにならなかったBooking.comの未払い問題が、宿側の集団訴訟に向けた動きによってようやく報じられるようになってきた。

何でこれまで全然報じられなかったのかというと、

被害者である宿泊業者が基本的に中小企業であることとともに、

サプライヤーが団結してバイヤーと闘うという構図がこれまでにそこまではなかったから。

企業と闘う存在というとまず真っ先に思い浮かぶのは労働者。

この闘争は資本主義🆚社会主義・共産主義というかたちに発展して、世界史を大きく動かしたのはよく知られている通り。

次に資本主義の発展のなかで消費者が台頭、生産・販売活動の健全化に大きな役割を果たした。

19世紀は労働者の時代、20世紀は消費者の時代と言われているけれど21世紀は何がくるのか。

世紀の始まりから四半世紀近く経ってやっとそれがわかった気がする。

サプライヤー(仕入れ先)と企業の闘争だよ。

企業とサプライヤーの間に細かい衝突はいくらでもあっただろうけど、労働者や消費者のような大規模な闘争を仕掛けることはなかった。

だって、サプライヤーなしでは企業がそもそもやっていけないから。

企業活動とは何かを仕入れて、加工して付加価値をつけて販売して利益を得ること。

仕入れができなきゃそもそも企業は回らない。

トヨタでもコマツでもGAFAMでもサプライヤーには平身低頭なはずなんだけど、

Booking.comはそーぢゃなかった。

シェアで見ればExpediaはライバルというより、Booking.comへのチャレンジャーでしかない。ちなみにAgodaはBookingグループのアジア向けサーヴィスだよ。

だからExpediaはクーポンやら何やら仕掛けるわけだけど、契約してる宿の数がBooking.comとは違い過ぎる。

トヨタやセブンイレブンに対するホンダや日産、ローソンやファミマの立ち位置を考えればわかりやすい。

明確なポートフォリオ戦略を持たない宿泊施設は基本的にBooking.comに対してタバコ同然に依存しまくっている。

Booking.comは歴史をよく学んでいて、労働環境はいいようだし、

消費者に対してなにかイレギュラーがあれば、お節介なくらい心配してくれてすぐにお金返ってくる。

このあたりアメリカではなくヨーロッパの企業だなぁって思わせてくれる。

ところがサプライヤーたる宿泊業者に対しては「俺達が売ってやってる」というスタンスなわけ。

でもBooking.com(Agoda含む)なしではみんなやっていけないので、基本的に逆らえない。

システムがどーのこーので支払いシステムが止まったとこまでは理解できるけど、一般的な企業なら、銀行振込でも現金書留でも駆けつけて現金手渡しでも、どんな手を使ってでも絶対にサプライヤーを裏切ったりしない。

だってそこが生命線じゃん。

ところが彼らは、サプライヤーのことは二の次三の次なわけよ。

これはもう闘うしかないよ。

サプライヤーナメんな、ってメッセージが伝わればいい。

今回宿泊業者側は一般消費者に「Booking.comってブラックなのかも」と思わせることに成功した。

いま、消費者の行動指針としてブラック企業は使わない、という精神が出てきてるからね、

インターネットの波及により圧倒的な販売力を持つ企業に対してはサプライヤーは平伏すしかない、という状況があるわけだけど、

だからといって超えてはいけない一線がある。

今回のことでサプライヤー達はBooking.comへの供給シェアは減らすだろうけど、供給そのものをやめはしないだろう。

圧倒的な強者であっても、やることやらなきゃ手を噛まれるよ、ってことだけ植え付けられればサプライヤー側の勝ちだよ。

労働者と違って革命とか求めてないし。良い関係を築きたいだけなんだから。

サプライヤーナメんな、だけ伝わればそれでいい。

21世紀の闘争ってそんなもの。

それじゃあバイバイなまらステ💙🤍厚沢部煮切でしたっ✨


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?