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DMVは「四国の右下」に観光客を呼べるのか

紆余曲折を重ねて、12月25日よりいよいよ徳島・高知県境の海岸線を走る #阿佐海岸鉄道 に鉄道と道路を直通できるデュアル=モード=ヴィークル、略して #DMV が走り出した。

世界初の快挙ではあるし、交通史における革命のはずなんだけど、そこまで盛り上がっていない気がするのはやはりコロナ禍だからだろう。

在京メディアや海外メディアの四国まで取材に行く数が平時と全然違うんだろうと思うし、オミクロン株の増加でそれどころじゃないともいえる。日取りもクリスマスだしね🎄🎄

それでも世界で唯一の運行であるうちは注目を浴びていくだろうと思う。

沿線の #観光 関係者の本音は永遠に唯一であってもらいたいのだろうけど、国交省や当初開発したJR北海道、今開発を主導しているトヨタなどはそうは思っていない。あくまで実証データを取るために阿佐海岸鉄道に先行して導入しただけであって、いずれは日本中、世界中に普及させたいはず。

そんな横展開の話は明日書こうと思うけど、今日のところはDMVが「四国の右下」である徳島・高知の海岸線に観光客を呼び込めるか、という点を書こうと思う。

こちらの記事には、DMVが研究開発され阿佐海岸鉄道に導入されるまでの経緯がしっかりまとめられており、さらに観光客を呼び込むにはどうすればいいのか、という視点まである。

だから別に自分が出る幕はないのかもしれないけど、この記事の著者杉山氏は鉄道の専門家であり、自分のような旅行屋とは視点が異なるとも感じる。

だから旅行屋として思うことを書いていきたい。

杉山氏はいわゆる鉄道ファンでありながら「鉄道ファンより観光客への訴求が大切」と語る。それについては同意するものの、そもそもこんなところに来る観光客ってどんな人達なのか。

東京から見ると地の果てのように見えるけど、関西からだと大阪都心から徳島・高知県境付近まで240kmほど、3時間半で着くのでそんなに遠いわけでもない。神戸なら尚更だ。距離、時間ともにデリーとタージ=マハールのあるアーグラーのそれとほぼ同じ。インドの都市部のインフラ整備はもう日本に負けてないのだ。それはさておき、訴求すべき観光客は関西の人なんだろう。

平日のDMVは1台の運用で賄えるようだから、DMVは京阪神のオフィス街に出かけていき地域をPRすればいい。

この地域に観光客が来る理由は2つあると思う。

ひとつは杉山氏も取り上げている #サーフィン で、高知県側の東洋町にある生見(いくみ)海岸はかなりの聖地らしい。だけどサーファーって基本車で移動するイメージだから、DMVなんか見向きもしないのでは。だいたい狭いDMVにボードをどれだけ積めるのだろう。

もうひとつは杉山氏が指摘していない #お遍路 。この地域は24番札所の薬王寺(徳島県美波町)と25番札所の最御崎(ほつみさき)寺(高知県室戸市)の間の動線にあたる。こちらは完全に歩きたい人でもモードチェンジの場に遭遇できるなら見学したいと思うだろうし、薬王寺と最御崎寺を結ぶDMV系統があってもいいんじゃないかな。

薬王寺と最御崎寺の間は75kmもあり、東洋町にある空海開創とされる明徳寺に宿泊するのがかつては定番だったともいう。しかも明徳寺のある野根地区にはミニ八十八ヶ所といってこの地区の88のお地蔵さんが並ぶものもある。

国道55号線が整備されて野根に滞在する人は減ったというけど、DMVは野根にお遍路さんを再度呼び込むコンテンツになりそうではある。

DMVが道路上で立ち寄るところを見てると近年できた観光施設ばかりという気がする。だけど、この地域の #ツーリズム の原点はやはりお遍路だと思うんだよね。

個人のお遍路さんに向けても訴求できるだろうし、お遍路のツアーバスもDMV乗車体験を積極的に組み込めばいい。

というわけでこの地域には二刀流の訴求が考えられる。

ひとつは主に関西からの観光客相手に主に海の美しさを売っていくこと。和歌山、伊勢志摩、瀬戸内、日本海のこの分野にはライバルが多くて、海の色とは正反対のレッドオーシャンではあるのだけど、分母は大きいし、これらの地域に負けないような滞在型のリゾートホテルの誘致も必要だと思う。

もうひとつがお遍路。単に札所間をDMVで結ぶだけでなく、かつては宿坊として栄えた野根にもう一度お遍路さんを呼び込むことを考えてほしい。

関西といえば重要なコンテンツがある。近隣の安芸市は #阪神タイガース の二軍キャンプ地であり、関西を中心に多くの人がコロナ前は詰めかけていた所だった。コロナが終息したら、キャンプ期間はDMVを安芸のスタジアムまで乗り入れるべきだし、選手の休日には彼らをDMVに乗せて東洋町・海陽町を廻らせることをすれば関西での知名度は一気に上がるはず🐯

徳島県主導で動いているプロジェクトではあるけども、実際には高知県側で室戸岬まで走ったりしてるんだから、高知県のコンテンツだってどんどん利用すればいいよね❗️

できれば高知側の奈半利駅までのDMV系統も常時欲しいのだけど、そうなるとDMVも増やさなきゃいけないし、それ以上に人材の確保が厳しい。車も人も高知県側の協力が不可欠ということになる。

まずは限られたリソースでやれることからやるしかない。上記に挙げた、平日の京阪神どさ回り、お遍路系統、阪神タイガース対応は今あるリソースでやってやれないことはないので、是非柔軟な思考を持ってやってほしいと思う💜

お知らせ

続編はこちら❣️

1月11日火曜日の夜20:00〜、Clubhouse『 #インドの衝撃 ( #インド大学 )』にてこちらの話をします。お暇でしたら耳を傾けてください❣️









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