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青春18きっぷを殺したのは誰か

こんばんナマステ💚💚🧡💙🩵❤️Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ✨

今冬から行なわれる青春18きっぷのリニューアル、誰の目から見ても改悪だし、死んだと言ってもいい。
https://www.jreast.co.jp/press/2024/20241024_ho01.pdf

これまでの内容がこちら。

・1回につき1人1日(電車特定区間を除いて0時を過ぎて到着した最初の駅まで、電車特定区間は終電まで)JRの普通列車(快速系含む)に乗り放題、一部特急や第3セクター区間、船、BRTに例外あり
・1枚のきっぷで期間内5回使用可、自動改札機は使えず駅員さんからのスタンプで対応
・1枚12,050円

リニューアル後の内容がこちら。

・1枚のきっぷで連続する3日間または5日間(その日の終電まで)JRの普通列車(快速系含む)に乗り放題、一部特急や第3セクター区間、船、BRTに例外あり
・自動改札機で対応可
・3日券10,000円、5日券12,050円

多くの人が怒っているのが連続ルールと個人使用ルール。

今までは冬期であれば、年末年始を中心に12月10日から1月10日の間で自由に使うことができた。

今年であれば土日をうまく使って12月14~15日と12月21~22日に1泊2日の旅行をして、正月に日帰りで遠くの神社に初詣行くとかさ。

帰省のついでに旅行する人も多かったはずで、例えば東京から岡山の実家に帰省するのに、12月28~29日と1月3~5日に伊勢神宮など色んなところに寄りながら移動、12月30日から1月2日は実感で過ごすというような人も多かったはず。

あるいは友達同士で1枚の青春18きっぷをシェアして、北関東から東京やディズニーリゾート、四国から京都・大阪・USJへ日帰りというようなこともできない。

自分自身、この夏は1回を関西から東京への移動(東京から関西へはバスで行った)、2回を関西への1泊2日旅行、この時点で充分元は取ってたので、もう2回は仕事帰りに埼玉北部に遊びに行くのにそれぞれ使った。

それだけで考えたら損だけど、かといって普段ならなかなか行かないところだからね。

冬もどーやって使おうか色々練ってたんだよね。

ちなみに10月に秋の乗り放題パスというのがあって、こちらは連続3日ルールかつ自動改札機使用可なので今冬からの3日券と効力はまったく同じ。

ただし価格が前者は7,850円、後者が10,000円と大きな差がある。

今年の秋の乗り放題パスを使って今年で終わってしまう黒部湖遊覧船に乗るために立山黒部アルペンルートへ行ってきたんだけど、7,850円ならだいぶ割安だけど10,000円だと元は取れるにしても鉄道で移動する意味を考えてしまう。

10,000円だったとしたなら行きも帰りも高速バスにしたかなぁって。

恐らく来年の秋の乗り放題パスは10,000円になるだろうね。

要するに秋の乗り放題パスをベースに青春18きっぷを改変したということになる。

JRグループの内部では秋の乗り放題パスの評判が青春18きっぷより良いのだろうということ。

例年は春期・夏期・冬期における青春18きっぷの概要を一度に発表するのに対して、今年は春期のみ発表された。

夏期・冬期の概要が発表されなかったことから、廃止もしくは大幅リニューアルの憶測が流れた。

夏期の概要発表が直前までなかったことで廃止説が日に日に高まってきたなかで、だいぶギリギリのタイミングで発表されたんだけど、これは今回のリニューアルの伏線だったのだと思う。

青春18きっぷの方針を決めるのはJRグループの旅客6社のはずで、もしかしたらオブザーバーで一部第3セクターも参加しているかもしれない。

秋の乗り放題パスベースに変えたいとする会社と、それに慎重な会社があり、夏の時点では話がまとまらなかった。

そこで秋の乗り放題パスの実績を見たうえで決めよう、ということになったんじゃないかな。

秋の乗り放題パスは10月18~20日分が最後、今年はそれが金土日曜だからだいぶ利用があったはず。

そのタイミングで10月24日に発表できるのはかなり早いけれど、自動改札機なので集計は瞬時だろうと。

もちろん秋の乗り放題パスも歴史が長いので積年のデータもある。

では何故JRグループのなかでは秋の乗り放題パスの方が青春18きっぷより愛されているのか。

最大の理由はもちろん自動改札機だよね。

青春18きっぷの時期になると大きな駅では改札口に長蛇の列ができている。JRグループでも人手不足が深刻であり、できるだけ負担を減らしたい。

ユーザーからしてもスタンプを集めたい、みたいなこと言う人いるけど、大半は自動改札機で使えるようにしてほしいと願っていたはず。

JRグループにとってもユーザーにとっても自動改札機が使えないことは幸せじゃなかった。

あと近年、都市部の小駅を中心に無人ながら自動改札機がある駅が存在する。終日無人のところも曜日や時間帯によるものもある。

こういう駅で乗り降りする場合戸惑ってしまうよね。

自分も早朝に乗るときに出くわしたことあって、そのときは証拠として駅の写真をスマホに撮って、監視カメラの前で青春18きっぷを掲げたうえで自動改札機を強行突破、大きな駅で事情を説明してスタンプを押してもらった。

駅員さんにそれを説明したらにこやかに「大丈夫ですよ」と対応してくれたけどさ。

これ気が弱い人はわざわざ大きな駅までの切符買ったり、駅員さんが来るまで待ったりするらしい。

当然ながら大きな駅で駅員さんが事情を聴くのも大きな手間。

こーゆー駅は今後も増えていくはずだから、これもJRグループにとってもユーザーにとっても自動改札機で青春18きっぷを使えることは待望していたはず。

人手不足が大きなファクトだけども、自動改札機を使うことは経営側からも大きなメリットが存在する。

それはJRグループ内での売り上げの按分。

これまでの青春18きっぷでは誰がどの区間を乗ったのか正確に捕捉することは不可能。

按分方法についてはいくつか説があって、純粋に6等分するとか、路線の延長比で割るとか、利用者アンケートで決めるとか。

方法自体はヴェイルに包まれているけれど、恐らく最もユーザーが多いと思われるJR東日本が割を食っているのは間違いなかった。

なぜならJR各社とも色々なフリーパスを出しているけれど、北海道&東日本パスというのが一番露骨に青春18きっぷのルールに近しく、青春18きっぷのユーザーを奪おうとしているのは明白。

こちらは連続7日間で従前の青春18きっぷより安いのでそれなりに使い勝手もいい。

自動改札機も使えるし、秋の乗り放題パスとともにシン青春18きっぷの元ネタになっていると推察される。

JR東日本はリニューアルを長らく主張していたんじゃないだろうか。

それに対してJR四国はだいぶ抵抗しただろうと思う。

なぜなら自動改札機自体が高松駅、高知駅、松山駅にしかない。高松都市圏ではICリーダーの設置は進んでいるけれど。

このうち松山駅は先月末の高架化で初めて置かれた。

JR他社の自動改札機を通ったシン青春18きっぷが四国に来ても、これら3駅以外で降りればまったく捕捉ができない。

JR四国への按分方法はJR四国の販売数と3駅の改札を通った数からの推測にならざるをえない。

それが少しでも正確になるように、利用の多い松山駅に設置されたタイミングでリニューアルされたと考えてもいい。

今回のリニューアルで数少ない改善と言われるのが、その日の終電までを1日分とカウントしてくれるということ。

今までは電車特定区間においては終電まで1回分として見做されていたのが、それ以外の区間では0時を過ぎた最初の到着駅まで有効となっており、その駅から先の運賃が別途請求されていた。

これはサーヴィス精神からの改善ではなく自動改札機の特性からなるものだよね。

そして自動改札機の特性があるからこそ連続及び個人での使用しかできなくなった。

今までは金券ショップやメルカリ、SNSなどで転売が横行しており、その対策として連続・個人使用ルールに切り替わったという説も多くみられる。

これは正しいともいえるし間違っているともいえる。

コンサートのチケット転売を厳しく取り締まるのには理由がある。

コンサートの場合、チケット販売数が非常に限られており、とくにアリーナクラス以上の興行になると舞台装置が非常に高価なためチケット販売収入だけでは損益分岐点に満たない。

そこでグッズ販売で収益を得るビジネスモデルになっている。

例えば定価10,000円のチケットを転売された20,000円で買った人が会場で10,000円分のグッズを買ったとする。

この人は仮に定価でチケットを手に入れていたとすれば20,000円分のグッズを買ってくれた可能性があり、本来興行側が得られるはずだった10,000円が転売ヤーに流れてしまう。

転売ばかりが横行してしまうと、コンサートが成り立たなくなってしまうんだよ。

もちろんコンプライアンスの観点もあるけど、ビジネスモデルを守るためにチケット転売を取り締まる必要がある。

だけど青春18きっぷの場合、無限に販売できる。

それを5回分使い切れなかったから、金券ショップなどで売るというだけの話であり、価格的にもそれほど跳ね上がってはいない。

メルカリなど個人の販売は儲けがほとんど考えられておらず、金券ショップはそこと戦わなければいけないからあまり高値もつけれない。

歴史を辿れば1995年まで青春18きっぷを5枚綴りで販売していたのを1996年から1枚に改めたのは、金券ショップや旅行会社が手数料を載せてバラ売りしていたからだとされる。

当然ながらJRからマルス(JRの切符手配システム)を使わせてもらえているJTBさんをはじめとした大手はそんなことしないよ。速攻でマルス取り上げられるし。

中小の旅行会社がなりふり構わずやったということだろうね。

JRとしては転売について不愉快ではあるだろうけども、それで売り上げが落ちるということはほぼないだろうと。

確かに当初の販売目的は若い人に長距離の旅行をしてほしいというものだったので、その趣旨からするとバラ売りや実質的なバラ売り化している転売を取り締まる意味はあるかもしれないけれど、日帰りさせないような仕組みを初めから構築していたわけでもない。

そもそも青春18きっぷを謳いながら年齢を問わず販売していたわけで。

18歳前後の若い人が長距離の旅行をする、というのは商品をつくるためのペルソナであったのは間違いないけど、ペルソナと合わないから売らないなんてこともありえない。

5枚綴りを1枚に改めるくらいの簡素なリニューアルはやったとしても、根本ルールを変える理由としては弱い。

JRグループが問題視しているのはむしろ未使用の5回券が金券ショップに定価より安く売られていたこと。

何故金券ショップは定価より安く仕入れることができるのか。

これにはふたつの方法がある。

ひとつはクレジットカードのショッピング枠を現金化するために、クレジットカードで青春18きっぷを買い、金券ショップで売る人がいたから。

少なくとも5回券は99.9%、クレジットカードでの購入を示す「C制」の文字があったはず。

近年JRグループが回数券を廃止しているのもこれが原因。

クレジットカード会社だってこれが横行していることを知らないわけがないから、JRグループに対してクレームを入れてくるよね。

ではもし「C制」じゃない5回券が定価より安く売られていたとしたら❓

偽造しかないでしょ、そんなの。

ぶっちゃけ偽造する人はバレないように「C制」を入れるだろうし、金券ショップだって「C制」じゃない未使用の青春18きっぷを売りに来られたら疑うだろうから、「C制」じゃない5回券に出会うことはほとんどなかったはず。

金券ショップでの偽造チケットはあまり聞いたことがないけれど、ネット上では2020年代に入ってから偽造チケットが横行していたとされる。

転売自体は重い腰を上げるものではなかったけれど、クレジットカードの現金化と偽造チケットはリニューアルを決める大きなトリガーになったはず。

ということで誰が青春18きっぷを殺したのか、といえばこんなところ。

①JRグループ全体の人手不足
②販売収入の按分で損をしていたJR東日本
③クレジットカード現金化や偽造チケットという不正行為

とはいえ今回のリニューアルはあまりに急進的かつ独善的であり、利用者からの離反を招く可能性は高そう。

3日券は割高感はあるにしてもまあまあ売れるだろうけど、5日券は未知数。

自動改札機はマストであるとして、もう少し自由の効くものはできないのか。

単純なのは1日券、2日券を販売すること。

転売チケットが実勢価格を示していたとすれば、1日券は4,500円、2日券は8,000円くらいかな。

これで土日にふらっと旅行したい、という層に応えることはできる。

しかしながらとりあえず買っておいて、好きな日に旅行をしたい、という層には割高。

これを解決するのならメンバーシップ制かな。

例えば青春18倶楽部(昭和過ぎる💦)というサイトに1シーズン12,500円を払うと、シーズン中に5日までJRグループの普通列車乗り放題になるというのはどうか。

オンラインチケットを効率的に処理する方法はJRグループ全体で定まっていないので、どうしても磁気券が必要にはなる。

発券がいつでもできてしまうと転売されてしまうから、前日以降としておけばいい。

始発に乗ってガッツリ動きたい人は遅くとも前夜のうちに思い立つだろうから、そんなに不便はないと思う。

発券はバラでも連続でもできるようにしておけば、旅先でいちいち発券する必要もない。

また3,000円程度追加課金することで1日分ずつ増やせるようにしてもいいと思う。

こんな感じで解決策を書いているつもりでも、これまでよりは面倒には感じる。

牧歌的な時代はもう戻らないってことに一抹の寂しさを覚える。

けど、そんななかで少しでも我々は前へ進まないといけないってこと。

年末に3日券を使う旅をしようかどうか既に考え出している自分がいるよ🎶

それじゃあバイバイナマステ💚💚🧡💙🩵❤️暑寒煮切でしたっ✨

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