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増便というかゾンビ

こんばんなまらステ❤️Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨

一見、金沢市による積極的な姿勢に思えるんだけどもねー。

金沢に北陸鉄道石川線という輸送密度1,000人台の冴えない路線がある。

北陸鉄道は名鉄傘下にあり、石川県内の路線バスをほぼ独占しているほか、金沢の郊外電車を2路線持っている。

このうちJR金沢駅に隣接した北鉄金沢と内灘を結ぶ浅野川線は輸送密度3,000人を超え、まあ堅調。

これに対して野町という孤立したターミナルから出発する石川線の輸送密度はその半分にも満たず、当然ながら存廃論議に発展しており、2009年には末端の鶴来ー加賀一の宮間を廃止したけれど、今度は全体の存続が危ぶまれている。

これまでは高速バスの収益で石川線の赤字を補填していたけれど、そのビジネスモデルが限界を迎えているということで石川線の存廃論議が始まった。

高速バスが石川線を支えられない理由は「パンデミックと燃料高騰」としているけど、それは違う。

パンデミックは勿論大きな被害を生んだけど、もう終わった話どころか、特に金沢はインバウンド需要が旺盛で逆に高速バスの利用率は増えているはず。

燃料高騰については運賃に転嫁すればいいだけの話だし、燃料高騰はマイカーの利用を控えさせむしろ高速バスに有利に傾く可能性すらある。

石川線の高速バスに頼れなくなった理由は、自分も毎日のように書いているバスのドライヴァーがいない、ってことに尽きる。

全国的に路線バスの減便・運休・廃止も進んでいるけれど、高速バスほどじゃない。

生活路線を切るのはなかなか難しく、それなら無くてもなんとかなる高速バスから先に切るのは必定。

だけども北陸鉄道は典型的にそーだったし、全国のバス会社がそーなんだけど、高速バスの収益で路線バスの赤字を穴埋めしてきた。北陸鉄道の場合はそこに石川線も加わっていた。

ドル箱を手放したら、どーやって赤字路線の面倒を見るのか。

この先にどんな地獄が待っているかは想像に難くない。

ということで、石川線を廃止しようにも、ドライヴァーがいないからバスを走らせることができず存続という結論になってしまった。

なんだかな。

ってなことで、とりあえずなんとか活性化をしたいらしい。

増発というのもいろんな意味があるのだけど、運転間隔を狭めることは実は全然難しくない。

というのは現在、データイムはほぼ中間にある額住宅前(ぬかじゅうたくまえ)で行き違いを行うけれど、野町ー額住宅前間14分、額住宅前ー鶴来間16分となっていて、1時間間隔ということは額住宅前から遠い鶴来でも30分近く滞留していることになる。

額住宅前ー鶴来間の往復時間プラス折り返しの時間で運転間隔が決まるわけで、35分程度の運転間隔にするのはわけないし、必要な車両は2編成で変わらないから運行経費はまったく増えない。

実はパンデミックまでそーゆーダイヤだったけど、やめてしまった。

動かす電車の数は変わらなくて表面上の意味はないように見えても、ドライヴァーのシフトパターンが変わるんじゃないのかな、と思っている。

これだったら、途中で行き違いをしないピストン運行にしても65分程度の運転間隔にできるんだから、今とあまり変わらないサーヴィスで運行経費を大幅に削減できるんだけど、どーしてそーしないんだろう。

2006年までは全然違うダイヤだった。

データイムは押野・野々市(ののいち)・曽谷(そだに)・小柳(おやなぎ)を通過する準急しか走らず、新西金沢と道法寺で行き違いをして野町ー鶴来間を30分間隔で走っていた(半数は加賀一の宮まで直通)。この4駅はデータイムは営業を休止していたということね。ラッシュアワーは逆に普通電車の出番になり、額住宅前でも行き違いをして20分間隔だった。

準急は新西金沢と道法寺の間を14分で走破していたため、30分間隔での運転が可能だった。2006年にすべての駅の均等な乗車機会を謳って準急が廃止されたけれど、もう30分間隔での運転は不可能になり、所要時間も延びてしまう。

準急が走っていた頃は3編成の電車が行き交っていたけれど、廃止されてからは額住宅前での行き違いに変更されて行き交う電車は2編成になった。

結局、乗車機会というのは単なる口実であり純粋な減便だったわけで、ジリ貧状態のままその3年後に鶴来ー加賀一の宮間を廃止することになる。

このような前史に学べば、今のまま額住宅前での行き違いのみで2編成であっても、半数を押野・野々市・陽羽里(ひばり)・曽谷・小柳・日御子(ひのみこ)を通過する急行にすれば、急行と普通を1時間に1本ずつ走らせることはできる。

だけどね、元々似たようなことはしていたけどダメだったんだから、今更こんなことしても本質的な改善にはならない。これじゃあ増便じゃなくてゾンビだよ。

どーして石川線は浅野川線と比較して乗る人が少ないのかを考えないといけない。ちなみにIRいしかわ鉄道(旧JR北陸線)は1万人超えだし、JR七尾線も3,000人台で金沢の電車で石川線だけ圧倒的なドベなんだよ。

沿線人口という意味では金沢市内最後の駅、四十万(しじま)までは市街化されていて悪い条件ではない。

でも野町という金沢の中心香林坊(こうりんぼう)まで歩いて行けない中途半端なターミナルがまずガン。

ただし、新西金沢でIRいしかわ鉄道西金沢とコネクトして金沢駅へ行けるけれど、野町の方が利用が多い。かつ野町でバスに乗り換えた乗客はほぼ香林坊で降りる。したがって金沢駅より香林坊志向であることは確実。

さて、新西金沢の次の駅である押野、そしてその次の野々市はかつて準急が通過しており、今も周りの駅より利用が少ない。

白山市(旧鶴来町)側の旧準急通過駅である曽谷や小柳のように市街化されていない駅とは環境が違うのにどーしてか。

それは香林坊から直通する路線バスの方が圧倒的に便利であり、かつ北陸鉄道自身が石川線と路線バスの棲み分けを望んだから。

その先にしても、石川線の駅からフィーダーバスが出るような交通体系になっておらず、石川線の駅から少し離れたところから香林坊・金沢駅への直通バスが出ている。

これは金沢都市圏が全体的にそんな感じで、よくいえばきめ細かく香林坊・金沢駅への直通ネットワークが広がっているけれど、無駄も多い。

金沢駅ー香林坊間ではバスが連なって走ってきて、ガラガラのバスも多いという光景をよく見かける。

枝葉ばかり拡がって幹のない交通体系に対しては今までも弊害は指摘されていたものの、とりあえずはよかったんだよね。ドライヴァーがたくさんいたからさ。

だけど、繰り返して言うように今はそーじゃない。枝葉に栄養が行き渡らなくなってきている。

石川線を幹として、そこから枝葉が分かれていくような交通体系に変えていく必要がある。というかそーしないとまじでドライヴァーが足りずすべてが壊死する。

ドライヴァー不足よりも前から、石川線のあるべき姿として、

香林坊、金沢駅へ乗り入れるLRTにするとか、

それだった石川線を自体をBRTにしたらいいんじゃないかとか、

新西金沢からIRいしかわ鉄道に乗り入れて金沢駅まで直通する、

といった話がずーっと議論はされていた。

このなかで金沢駅直通は、先述のように香林坊志向が強いことと、IRいしかわ鉄道と電化方式が異なることもあってプライオリティは低いのかな、という気がしている。

また、BRTはバスドライヴァーがいない今となっては論外ということがこの度の存廃論議で確認されたばかり。

したがって残された案はLRTしかないけれど、これは現実的なのか。

香林坊と金沢駅、さらに金沢港方面へのなんらかの交通機関が必要である旨は長らく議論されてきていることだけど、繰り返すように石川線からの乗客は香林坊でほぼ降りてしまうことを鑑みても、この区間の建設は石川線の救済とはあんまり関係がない。

したがって、香林坊ー野町間の軌道新設を含む香林坊ー鶴来間のLRTという観点から考えてみたい。

香林坊ー野町間は1.3㎞、石川線は13.8kmで合わせると15.1kmになり、14.6kmの宇都宮ライトラインと同規模といえる。

新設となる香林坊ー野町間の整備費用は宇都宮ライトラインのkmあたり約46億円から考えると約60億円になってしまうけれど、完全新設の宇都宮と違い、香林坊ー野町間の南大通りには元々路面電車が走っていて土台があることや、鶴来に既に車両基地があることなどを鑑みてもこれよりは安く済むとは思う。

kmあたり40億円×1.3kmで52億円と推測しておこうか。

なお、野町から南大通りまでの道路上は単線、南大通りは西寄りの2車線を潰して複線として有松や寺町方面のバスレーンとしても使うのがいい。

途中駅は片町と野町広小路ということになるかな。

石川線区間の整備費だけど、旧JR富山港線を富山ライトレール(現富山地方鉄道富山港線)にするための整備費がkmあたり約3.6億円だった。

これは増便のために行き違いができる駅を増やしたり、低床ホームにしたり、新駅を設置したり、といった費用になる。

んで、これもう20年近く前の話だからね。

富山の場合は直流1,500Vを600Vに降圧するために、変電所の増設費用が嵩んだけど、石川線は元々600Vだし、ひとまず他の路線との直通は考慮しなければそこは気にしなくてもいい。

とはいえkmあたり5㎞くらいはかかるのかなと。ということで約70億円。

これに車両費が、同規模の宇都宮ライトラインから考えると約75億円。

ということで、ざっと200億円弱だねー。

既設区間が大半なだけあって宇都宮ライトラインより遥かに安いけれど、

宇都宮ライトラインはそもそも渋滞が激しくて「新幹線で東京行くより遠い」と言われていた場所とを結ぶという社会的要請があったとこだから、枯れかけている路線と一緒にしてはいけないかな。

毎年10億円以上の赤字で維持できない、って言って、金沢市や石川県は当初はそれを補填したくないからバスにするって言ってたわけでしょ。

それを出す覚悟がなかったから、宇都宮みたいになってないし、両隣の富山や福井のような細やかな改良もなかったし、今も打ち出せていない。

このままじゃヤバいとは思い始めていても、LRT化に200億円というのは覚悟の範疇を超えているんじゃないかな。

ではできるだけ安く、近い効果を出す方法を考えてみた。

お隣の富山ライトレールが何故成功したのか、ということを考えると、LRT云々よりも増発とバス路線の再編が大きい。

JR時代は1時間に1本だったのが、富山ライトレールはデータイム15分に1本、ピークタイム10分に1本になって利用されるようになった。

石川線は現在データイム1時間に1本、ピークタイム2~3本。今できる最大の増発は20分に1本までで、それ以上は行き違い駅を増やさなければいけないため、この本数で一旦は我慢する。

4編成を稼働させるので、運行経費は今のデータイム2編成稼働と比較すると単純に倍増するけれど、倍の経費で3倍のサーヴィスを提供できると思えば安い。まあ、本数を3倍にしても利用者は3倍にならないけどさ。

次に石川線に合わせて20分に1本の香林坊経由金沢駅行きと香林坊・兼六園下経由小立野(こだつの)行きのリレーバスを走らせ、金沢駅行きは連節バスを導入する。

百万石通りは一般車の一方通行化を行うなどして、バスレーンをほぼ全線で確保。

また、野町では石川線ホームの対面で金沢駅行きと小立野行きのバスを並べて乗り換えを極めて楽にして、石川線とリレーバスを通し運賃にする。

そして石川線と重複するバスは原則なくし、石川線の駅からのフィーダーバスに置き換える。

要するに石川線プラスBRT。

石川線は増発のランニングコストはかかるけれど、イニシャルコストは野町の改良だけなので数億円❓

連節バスは1台1億円として、野町ー金沢駅系統は予備を入れて3台とすれば3億円。金沢駅ー兼六園下系統などにも連節バスを入れたいけれど、石川線の改良とは関係がない。

そのほかバスレーン確保なりなんなりはあるにしても全部含めて、費用はLRT案の10分の1から5分の1程度じゃないだろうか。

LRT推進運動家や鉄道マニアには不満かもしれないけど、極めて現実的だし、前橋や弘前でも有効な手段だといえる。

最終的にはLRTを目指すにしても、できるところから少しずつ改良していくモデルで、仕方なく残すゾンビではなく生命をもう一度吹き込んでいければいい。

オールオアナッシングだけが答えじゃないと思うのよ。

それじゃあバイバイなまらステ❤️厚沢部煮切でしたっ✨






















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