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インド人、数学できる

こんばんナマステ🧡🤍💚Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

インド系として知られるUKのスナク首相が、自国民の数学力の低さを嘆き、数学嫌いを克服しなければいけないことを訴えた。

こういう報道出ると、嗚呼やっぱりインド人なんだなって思われるんじゃないかな。

インド人は数学が得意ってイメージが独り歩きしてるじゃん。

スナク首相は日本的な切り分け方をすれば、文系なのかもしれないけど、大学で経済学を学び、MBAを取り、ファンドにいた人だからそりゃ数学できるよ。

数学ができないのに経済学をさわりでも学べるのは日本の難関とはいえない大学の経済学部くらいのものでしょ。

スナク首相はインド系だから数学が得意ってことはなくて、あくまで個人の資質と努力の結果に過ぎない。家系的なものはあるかもだけど、民族的なものではまったくない。

インド人が数学得意だとされる話で頻繁に出されるのは、

①インド人はゼロを発見した

②インドの学校は19❌19まで暗記させられる

③アメリカの大学で数学の成績上位はインド人留学生や印僑で占められている

④インドはIT大国

あたり❓

ひとつずつツッコんでみるね😜

まずはゼロ。

西洋ではアリストテレスの有るものしか信じないという思想が邪魔をしてゼロの発見が遅れたと言われているのに対し、無を追究したインド哲学がゼロを発見した。ヒンディー語でゼロのことをシューニャというけれど、これは無のこと。

数学史上最大の発見かもしれないけれど、別に数学センスをもって発見できたわけじゃないし、その後の数学史をインドがリードしただろうか。

あと、ゼロを発見した同族のはずのパキスタン🇵🇰やバングラデシュ🇧🇩に数学のイメージそんなないよね。

19❌19は事実だろうけど、自分は仕事で文系のインド人と接していて、彼らが数学というか算数もあんまり得意じゃないことを体感している。

もちろんできる人はものすごくできるはずだし、その土台になっているだろうけど、全員がそこまで得意なわけでもなさそう。

その点英語は学校に行ってさえすれば、わかりづらい訛りはあったとしても習得できてるわけだから。(田舎に行くと英語教師がいなかったせいで教育を受けていても英語ができない人がいるけど)

そして③、④なんだけど、できる人はものすごくできる。人口が多いのでその中でも競争は熾烈。

でもそれって民族的なことじゃなくて、政策的なことなんだよね。

初代首相ネールーは独立するにあたってどこの大国にも従属することのない国をつくろうとした。

なぜ我々はUKの植民地になったのか、なぜそのUKの地位がアメリカに取って代わられているのか、なぜそんな英米に日本が楯突くことができたのか。

答えは工業化。したがってインドもそんな国を目指さなければいけない。

当時世界一の工業大国はもちろんアメリカ。

その頭脳たるエンジニア達を生み出しているのがMIT(マサチューセッツ工科大学)。

んじゃうちらもIIT(インド工科大学)を作ろうぜ❗️

ってことになる。

そしてそこを頂点にした教育システムをつくり上げていく中で、数学教育を中心に据えたわけ。

とはいえ掛け声は所詮掛け声。

確かに優秀なエンジニアは育ったのかもしれないけど、工場は設備投資がまともにできず、ポンコツをつくってはソ連がそれを買い取って代わりに兵器をくれた。

それは中国を北と南から挟み撃ちにするため。

ということで社会主義政策ということもあり、インドはまるで工業国になっていかなかったけど、1991年に社会主義政策を放棄すると、アメリカから生まれたIT産業にIIT卒のエンジニア達が吸い寄せられていき結果を出し始める。

工場は多額の設備投資も必要だし、優秀な作業員も必要。インドの場合はカーストも作業員の熟練を遅らせた。だけどITはエンジニア個人が優秀ならどんどん上へいける。カーストの定めがないから、数学ができれば引く手数多。

現実には金持ちが我が子を塾に通わせまくってるから、貧しい家の子が数学力を武器にシンデレラになるというには相当狭き門だけどね。

国として数学教育に力を入れているのは間違いないし、熾烈な競争を勝ち抜いてきた人の数学スキルは世界へ出ても負けないのも事実だけど、インド人自体が数学できるというのは眉唾だと思う。

あと、南インドの人の方が数学できるというのも個人的にはあんまり信じてない。

特にケーララ州は共産党政権が続いていて、彼らはきちんと学校に行かせるので95%以上が就学している。インド全体はまだ74%あたり。

するとケーララ州では他の州よりも学力競争が熾烈になり、共産党政権なのにヴェンチャーがたくさん立ち上がるという皮肉が起きている。

ちなみにインドに初めて新型コロナウイルスを持ち込んだのは武漢に留学していたケーララの学生だった。

ケーララが一番ある意味で近代化しているからこそ、近代化の負の側面といえるコロナにも最初に触れてしまったということ。

とりあえずインドの数学教育はある程度結果を出している、ということだけは間違いない。

欧米に追いつけ追い越せと言いながら勤勉な作業員に依存して高度な技術教育を怠ってきた某国が今になって大きく陰っていることを思えば、ネールー首相ってホントにすごかったなぁ。

スナク首相の演説は日本人にとってヨソゴトとは思えない話なので是非読んでみてほしい。

それじゃあバイバイナマステ🧡🤍💚暑寒煮切でしたっ✨



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