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江ノ電の積極的減便をどう評価するか

こんばんナマステ💚Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️

地元だけになんというかフクザツな気持ち。

これが一体どういう仕組みなのかというと、

まず江ノ電は単線で、藤沢側から見て鵠沼、江ノ島、峰ヶ原信号場(鎌倉高校前ー七里ヶ浜間)、稲村ヶ崎、長谷で行き違いを行うことができ、隣接する行き違い駅の間と藤沢ー鵠沼間、長谷ー鎌倉間を約5分で走る。

そこで5分✖2に少し余裕を持って12分間隔というダイヤを71年間続けており、ゆえに藤沢と鎌倉ではわずか2分で折り返す必要がある。

12分間隔だと、藤沢と鎌倉では常に0、12、24、36、48分に出発するし、他の駅でも法則性のある出発時間になるから沿線住民は時刻表を持つ必要がない。

これは沿線が比較的市街化されているローカル私鉄でよくやられている方法で、神奈川県内でも伊豆箱根鉄道大雄山線が同じことをしていてやはり地元住民の足として定着している。

ところが江ノ電が12分間隔を続けるには無理が生じていたのも事実。

まず、観光客が絶えず混雑が激しい点がひとつ。

それから江ノ島から腰越の間が道路との併用区間になっていて、特にこの地域の道に慣れていないドライヴァーが電車の行く手を塞ぐなどで、ダイヤが乱れる。

一度ダイヤが乱れると、単線なので反対方向にも遅れが跳ね返る。

他の路線ならもう少し余裕を持った折り返し時間を取ってここで遅れを吸収できるけれど、江ノ電は折り返し時間が2分しかないから吸収どころか、折り返しに手間取ってかえってダイヤを崩壊させるのが常。

本来なら12分待てば次の電車がやってくるのに、それが例えば15分来ないとなると乗客は25%増える計算になる。

ますます混雑してますます遅れるという悪循環が続き、ついには1本運休にして何事もなかったかのように1本後の電車が定刻にやってきて解決、ということになる。いわば周回遅れ。

それならば、と江ノ電が取った奇策が運転間隔を2分伸ばした14分にすることだった。

運転間隔が拡がれば、ますます混雑するという見方もあるけれど、ダイヤ崩壊の元凶である藤沢と鎌倉の折り返し時間を2分から4分にしたことで遅れを吸収しやすい。

また、行き違い駅間で1分の余裕ができるのでここでも遅れを取り戻しやすい。特に遅れやすい江ノ島ー腰越間の道路併用区間での効果は覿面。

行き違い駅間が6分から7分に伸びるので、所要時間は今までの34分から38分になると思われる。

停車時間を含めた平均速度は15.8km/h。今までの17.6km/hより目に見えて遅くなる。

ダイヤは覚えにくくなるけれど、イマドキみんなスマホの乗り換え検索だからそんなに気にならないという算段もあるだろうと思う。

ちなみに経費削減にはまったくならない。

今までが片道34分×2+折り返し時間2分×2=1周72分。

そこに12分間隔に電車が走るということで6本の電車が走っていたことになる。

今後は片道38分×2+折り返し時間4分×2=1周84分に14分間隔だから同じ6本。

行き違いパターンが変わらない限り、これはどこまで運転間隔を拡大しても一緒。

逆にいうと運転間隔を狭めても一緒。

運転間隔を狭めるということは、行き違い駅間の所要時間を短縮するということ。

これは電車のスピードアップだけでなく、信号機のイノヴェーションも必要になる。

スピードアップして10分間隔にできれば輸送力は1.2倍になり正攻法での混雑緩和策になったし、そうしなかったとしてもスピードアップによってダイヤに回復力が生まれて混乱を和らげることができた。

本来やるべきだったのはそーゆー方向性なんだけどね。

71年間ダイヤが変わっていないってことは、オペレーションにも進化がないってことになる。

今からそれをやれといっても無理だから、苦渋の決断で後退を選んだ。

今必要なのは行政の支援。

ただ単に税金から出せと言っても無理があるので、例えば寺の拝観料に税金を乗っけるとか、車の流入に金を取るとかで江ノ電に限らず公共交通の整備費用を稼ぐべきだと思う。

鎌倉は押し寄せる観光客がほとんど金を落としていかないので、観光インフラが全然整備されず今や観光公害とすら言われている。

それを打破してこそ江ノ電も蘇るし、江ノ電の今回の後退は鎌倉の観光政策の失敗の象徴だといえる。

もっと狡猾になろうぜ、頼朝みたいにさ。

それじゃあバイバイナマステ💚暑寒煮切でしたっ✨









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