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インドとしての共和国記念日はこれが最後なのか

こんばんなまらステ🧡Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨

㊗️共和国記念日㊗️

1950年1月26日にインド憲法が施行され、そしてそれはイギリス国王の統治を受けない真の独立国家への道を歩み出した日。したがってこの日に初代大統領が誕生した。

インドに大統領がいることがあんまり知られてなくて、即位礼正典でその存在を初めて知った人も多い。

天皇や国王のカウンターパートは大統領、首相のカウンターパートは首相というのは常識だと思うんだけど、

モディ首相がエリザベス2世女王の葬儀に行かず、ほぼ同時期だった安倍日印協会前会長の国葬に出席したことでイギリスより日本を重視しているという阿呆な報道があった。

ムルム大統領が渡英しているし、日本からも岸田首相は参列せず天皇・上皇夫妻が参列した。

じゃあモディ首相は即位礼正典に来なかったから日本をウルトラ軽視してることになるじゃないか。

一般的にインドの独立は1947年8月15日で、8月15日は独立記念日だけれど、この日から1950年1月25日までは今のキャナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどと同様、イギリス国王が元首だった。

当時の国王はジョージ6世で現国王チャールズ3世の祖父にあたる。したがって70年にわたり君臨したエリザベス2世の統治を受けたことは一度もない。

ちなみにパキスタンは1972年までイギリス国王の統治を受けていたため、エリザベス2世の統治を受けている。1971年にパキスタンから独立したバングラデシュもね。

ただ、インドとして共和国記念日を祝うのは今年が最後なのかもしれない。

ムルム大統領はG20の招待状に「バーラト大統領」の名を書いて送り、会場ではモディ首相の議長席にはっきりと「Bharat」の名が書かれていた。

5月の総選挙に勝利すれば、モディ首相は国号を正式にバーラトにするんじゃないのか。

インド憲法は英語で書かれていて、ヒンディー語は公式訳ということになっている。

公式訳では国名は全てバーラトと書かれており、英語の条文では第1条第1項が“India, that is Bharat, shall be a Union of States,"で始まって以後はすべてIndiaとなっている。

モディ首相とBJP(Bharatiya Janata Party, インド人民党)が5月の総選挙で勝てば、恐らく憲法からIndiaという文字はすべて消されてBharatになる。

もっといえばヒンディー語版が公式になり、英語版は公式訳文になるんじゃないかな。

細かい条文の変更がなければ、バーラト憲法は独立記念日に公布され、来年の共和国記念日から施行されるだろうね。

今月22日をもってインドは死に、バーラトが生まれたのだろうと思う。

バーラトってどんな国なのかというと、

ヒンドゥー教が事実上の国教で、ヒンディー語が正式な公用語の国ということになる。

ちなみにインド人の認識としてはヒンドゥー教、というよりヴェーダ宗教から生まれた仏教、ジャイナ教、スィク教はヴェーダ宗教、ヒンドゥー教の一宗派にすぎず、インド人的には日本人もヴェーダの民ということになる。

インドのヒンドゥー教寺院で日本人は入れるのに欧米人を追い返しているシーンを見たことある人もいるかもだけど、それはそーゆーこと。

ただし、正式な教義がなく多様化していたヒンドゥー教の統一化は図られていくはず。これは明治以後の日本の神道を思えばわかりやすい。

これはとくに南インドのヒンドゥー教徒にとっては受け入れられるものではないだろうと。

ヒンディー語は現在でも連邦公用語で、日本人にやたら多い南インドを持ち上げて北インドをディスる人達が喧伝するよりはブロークンなヒンディー語を喋れる南インドや北東インドの人は多いけれど、

バーラトは全州でヒンディー語教育の必修化や現在英語や現地語で書かれているもののヒンディー語化を強要するはず。

また、ヒンディー語自体も革新されるだろう。

デリー周辺で話されていた言語にデリースルターン朝やムガール帝国がペルシャ語、アラビア語の語彙を付け足したのがパキスタンの公用語でインドのムスリムも使うウルドゥー語で、

それを元にペルシャ語、アラビア語由来の語彙をサンスクリット語の語彙に置き換えたのがヒンディー語。

とはいえまだまだペルシャ語、アラビア語由来の語彙も残っているし、イギリス統治の結果として英語からの借用も多い。

恐らくこれらをサンスクリット語やそれっぽい新造語に置き換えていくことになる。

そもそもモディ首相やBJP党員、支持者の喋るヒンディー語はそーゆー傾向があるし、彼らは英語もそんな感じで喋る。

もっというとヒンディー語は学術的な話題やグローバルな話題をするのに語彙が足りない。

最低限の教育を受けた人は基本的に英語話せるし、大学は英語で授業するから、そういう近代的な発展をしてないのよ。

インド人同士の会話を見ていてもヒンディー語で喋ってるときと英語で喋ってるとき、もっといえば日本語で喋ってるときすらある。

家族や故郷の話をするときはヒンディー語、人間社会の普遍的な話をするときは英語、日本での生活や日本社会の話をするときは日本語を使うという感じ。

インド人はこーやってシチュエーション毎に言語を使い分けるから、日本語を覚えるのもとても早い。

でも、漢字がまったく覚えられないので、半世紀日本に住んでいても日本語が浅い。

バーラト政府は明治時代の日本でやられたように、外来語をヒンディー語、サンスクリット語っぽい言い回しに造り替えて、ヒンディー語だけでどんな話もできるようにするはず。

要するにヒンドゥー教、ヒンディー語というよりバーラト教、バラティヤ語なんじゃねーの、それ。

ちなみにヒンドゥー、インド、印度、インディア、天竺、震旦、身毒などはいずれもインダス河が由来。

ってゆーかインダス河という言い回しがおかしくて、インダスはそのものずばり河。

インダス河の大半は現パキスタン領に注がれ、河口付近にあり、港湾都市カラチを擁する地域をシンドっていう。シンドもインダスに由来する。

これに対してバーラトは『マハーバーラタ』でお馴染みのバーラタ王、バーラタ族に由来する。

共和国になるにあたり、ブリティッシュインディアからの脱却を図りたかったのだろうけど、この名が採用され、ヒンディー語をはじめ北インドの言語や北インドの影響が強いテルグ語では国号として認識されている。

G20サミットのとき、とあるネット番組でバーラトについて議論されたとき、

とある南インド研究者が「南インドの人はバーラトと聞いたら北インドのことだと思うんじゃないか」と話していたけど、

要するに現時点でインドをバーラトにすれば、それはインドの北インド化を意味することになる。

モディ首相は支持者の手前、強引な策を繰り出しては、全体輿論や国際輿論を伺って一歩引く、ということを繰り返しているし、このあたりのバランス感覚はあるから10年首相をやってこれた。

一番怖いのはその次なんだよね。

強引な人がなってもダメだし、逆に反対派に融和的すぎる人だとヒンドゥーナショナリスト達の反乱が始まり、ガーンディーの二の舞になりかねない。

とりあえず5月の総選挙、そして8月の独立記念日に向けてどーなっていくか、ホント見逃せないよ。

トランプ復権も見逃せないけど、インドからも目を背けないでほしいな。

それじゃあバイバイなまらステ🧡Kyoskéこと厚沢部煮切でしたっ✨


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