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女子大生、登呂遺跡で古代米をつくる

今年は、ご縁があって、登呂遺跡でどろんこガールズと古代米を作った。これは、女子大生が泥まみれ、虫まみれ、稲まみれ、籾殻まみれになる半年の物語。

7月5日 手植え

人生で初めて、手植えでお米を植える。登呂遺跡には植え方を丁寧に教えてくださるベテランさんがいて、私たちもベテランの「さくさん」に手取り、足取り教えていただいた。みんながまっすぐ植えれるように竹の道具(名前は忘れた)を使ってリズムを合わせていく。苗や土によっては全然苗が立たず、浮いてしまう。センスが大事。。。午前中で作業は終了!初めましてのメンバーも仲良くなってる。共同作業で生まれる一体感を感じた一日。


8月16日 ZASSOU-NUKI

手植えから一か月。

もう膝の上くらいの高さになっている。成長早い!今日はみんなで草取り。とにかく熱い。最高気温は35度。30分動いたらすぐに汗。たくさん休憩しながら、時々雑草を取る。休憩しながら、私たちの田んぼの周りを歩いていたら、「たまごー!」って声がする。「え?なんの?なに?」とみんなで卵を見に行く。なんの卵だろうか、、、。自然の真ん中に新しい命が生まれていてほっこりした一日。
命が生まれる場所で、命が育まれるんだなぁ。

9月22日雑草刈り、三回目。
(2回目は私は行けず、仲間が行ってくれた)

腰くらいの高さに稲が生長していて、しかも、実がついている!すぎょい!でも、、、想像以上に、雑草が手強い。雑草と稲の見分けが全然つかない。本当に私たちは雑草取れているのか、、、そんなどんよりした空気が漂った。でも、前後の写真を見ると、「雑草なくなってる」ってわかる。全部手で管理することの大変さを感じた一日。次は収穫う!



11月8日 稲刈り

これも手で刈る。ここまでずっと私たちの世話をしてくれている「さくさん」がお手本を見せてくれた。サクッツサクッツとテンポよく稲を刈って、そして藁で束にしている。すごくかっこいい。さくさんみたいに頑張るぞ、と意気込む私たち。ザザック、、、。難しい!簡単に綺麗に刈れない。刃の入れる方向をさくさんに教えてもらいながらやるけれど、やっぱり難しい。そして、藁で縛るのも簡単じゃない。

私はこれをへーへー疲れながらやってるのに、さくさんは笑いながらやってる。みんなで稲刈りをしていると、手植えから収穫までを分かちある友達に出会えて本当に幸せだなと思う。泥まみれになった手植えで「泥パック」と笑ったり、雑草抜きを「あつーーーい」と言いながら休憩メインでやったり。ここまで一緒にやれる友達ができるなんて1年前は思ってなかったナ。いつからか、この古代米を理由にして、みんなに会って、笑ってその時間が私の中でとても大切な時間になってたと今気付く。。なんだか、みんなとの作業がなくなってしまうようで、寂しさもあった日だった。

11月18日 もみすり



稲刈りをしてから10日。干してあった稲は、当たり前だけれど、とても軽くなっていた。そして、この機会の左側から稲を通していく。すると、稲と、もみ、そしてその他の小さなイネに分かれ、別々の出口から噴出されてくる。この迫力とわくわく感。例えるなら、知らない道を通っているときに小さな脇道に入ったらパン屋さんを見つけた時のような感覚。。。2時間もかからず籾摺りが終了。

今日は、2人だったので、そして自由時間があったので、藁の上で寝て、歌って、工作をした。楽しい日々だ。

刈った稲を機械に入れていく。らくらくパックをさくさんが持つと、かっこよくなる。

11月22日 脱穀

もみすりをした古代米を、脱穀する。脱穀の機械から出てきたお米たちは、テカテカ輝いていた。私が一番感動したのは、脱穀したお米の色が違うこと。それはそうでしょう、と言われそうなのだけれど、脱穀するまではほとんど違いのないように見えるお米たち。脱穀をしたら、茶色や白、緑などたくさんの色を輝かせていた。2時間弱で約30kgのお米の脱穀が終わった。

夜、収穫した古代米と白米を1対9の割合で炊いてみる。炊いてみると言っても、炊飯器のスイッチを押すだけ。炊きあがったご飯はとても美味しそうだ。つやつや。プチプチした古代米の食感がたまらない。噛むのが楽しい。

お米も、いろーんな色がある。私たち人間だって、こんな風に個性があっていいのに。そのちょっとの違いを楽しめる世界になればいいのに。お米ちゃんたちもきっと頷いてくれる。
生きてきた中で、一番、お米一粒一粒に感謝して食べたお米。

半年一緒いどろまみれになった仲間に感謝を込めて

「とろべー、最高!」

そして、登呂でお世話になったさくさんも、職員さんも、ありがとうございました。
来年は何が待ってるかな!

新しい景色を訪ねたいと思っています。そして、そこで感じた、音や風、空気、人の温かさをnoteに。