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緑の間(りょくのま)

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自然や緑、環境と私の間のストーリー。
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蛍

大学時代からの友達と5月に蛍を見ながら、
川岸に座ってビールを飲んだ。

今週仕事が忙しかった、
今週こんなことを学んだ、
そんな普通の会話をしながら。

川のせせらぎを聞きながら、蛍の光を見ていた。
来年もまたこうして、仕事終わりに、居酒屋ではなく
川岸で乾杯できるだろうか。

あの時は、感じることができなかった
特別な時間、特別な一杯。
今は、ふとした時に思い出す、とくべつな風景。

大切な時間

大切な時間

誰だって、心があたたかくなる時間はあると思う。

夕暮れ時のペットの散歩や
仕事帰りのデザートや
友達とビデオ電話。

私は最近、心があったかくなる出来事がたくさんあった。

近所に住む子供たちが、「こんなこと保育園でしたんだよ」って楽しそうに話しかけてくれたり、
大学の友達とビデオ通話をしながらお酒を飲んだり。

これ以外にも1日の中で「幸せが積み重なる」
感覚があった。ただ幸せなのではなくて、

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はや咲きも、あと咲きも

はや咲きも、あと咲きも

季節がハルに変わっていることを、
桜というハルの代名詞が伝えてくれる。

お世話になった方とのお別れは
何度経験しても、悲しく、切ない。
早咲きの桜のように、すぐに散ってしまう。

しかし、必ず心が躍る出逢いも待っている。
その出逢いのために、もしかするとお別れが
あるのかもしれない。
じっくり出番を待つ、あと咲きの桜のように。

一年中待ちわびた、桜の開花予報を
テレビで聞きながら。
こうして自

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ひだまりの丘ガルテン

ひだまりの丘ガルテン

コミュニティガーデンを静岡で。
こんな夢を抱きながらオーストラリアから帰国。それから約10ヶ月。

1月20日 畑の状況を確認しながら、石を掘り出す。

トマトのような石も、じゃがいもみたいな石も、出てきた。看板も設置、“私たち”の場所を象徴してる。
この日から3日間、仲間と一緒にこの「お宝さがし」は続いた。
「大マグロです!!!」「でっかい」

そんな会話が続いた。そして、1月31日、畑の中に

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多様性ってなんだろう。

多様性ってなんだろう。

肥料もおなじ。
あげている水の量もきっと同じ。
種をまいた日もおなじ。
収穫した日もおなじ。

でも、こんなにもちがう。
20日大根なので、赤と白があるのはわかっているけれど。

大きさも、形も、いろも、全部違う。
みんなで分け合ったので、全ての大根を食べたわけではないので、味が違うかわからない。
けれどきっと違うと思う。

成長が遅い、ことももちろんあるけど
時間が経てば大きくなる。
大きさは小

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キンセンカ、花言葉は絶望。

キンセンカ、花言葉は絶望。

コミュニティガーデンで、来る人の体温を
少し上げてくれる花、キンセンカ。

しかし、キンセンカの花言葉は見た目の華やかさとは違い、少しだけ悲しい。
絶望、寂しさ、別れの悲しみ、など。

なんだか、今の世の中を語るような花言葉だなぁ。

キンセンカは花柄を切ると、たくさん生えてくる。
そうやって、コミュニティガーデンに来た人が、みんな家に持って帰っている。

先日、コミュニティガーデンの近くを歩いて

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交差点の先にあるもの。

交差点の先にあるもの。

たくさんの人が溢れ、誰かにとっての「自分」は

もしかしたら「どうでもいい」存在なのかもしれない。

けれど、もし、その人がどんな人なのか、どんな能力や個性を

持っているのかを知ることができたら、お互いにとっての

《特別》になるのかもしれない。

小さく小さく、人と人が出会う「交差点」を作りながら思うことは、

活動するフィールドや年齢、場所が違うからこそ出会わない人が

出会い、関係を紡ぎな

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