殴る友達 と チック症(トゥレット症)
0.プロローグ
幼少期の思い出(なんでもない日常の記憶)について話を聞く。
そんな趣味がありまして、昨年末~1月にかけて、
20人程度の方に70以上のエピソードを頂きました。
そのうち半数は文字起こしして、短編ストーリーになるように勝手にいろいろ脚色したりしてnoteマガジン「記憶の欠片(幼少期のエピソード)」に投稿している。
残りの半数は、なんか面倒くさくなって放置している。
いずれまた文字に起こす予定だが。
さて、今回の話題はそんな頂いたエピソードの1つ
シャインマスカットのaki氏と言えば、ご存じの方も多いのではないだろうか。人畜無害な風の又三郎みたいな彼であるが、
どんな幼少期が彼を作ったのか、興味があるのかい、ないのかい、どっちなんだい!!!!
ややあります。
というわけで、今回のお話は
1.殴る友達
このエピソードの詳細は、noteの投稿を読んで頂くとして、
エピソードの主役「殴る友達」の存在について、
私はずっとしっくりこない部分があった。
彼は幼馴染で親友のあき氏に対して、友情を感じつつも、
いつも暴力をふるってしまう。
にもかかわらず、暴力をふるっている側の彼の顔がいつも悲しそうだったというのだ。
あき氏はユニークな人柄をしているので気に障る人もいるだろう、
それが子供時代であれば暴力に直結する事も不思議ではない。
いらん事言って怒らせたとか、そんな感じじゃないかと思っていた。
いや、無理やり思い込もうとしていたんですね。
だって、理解不能だし、よくわかんないんだもん。
ストーリーの構成要素が明らかに足りていない。
この、足りないパーツを見つけたいけど、検討が付かない。
でもそのまま放置できないので、間違っていても結論づける。
そうしないと前に進めないし、もう一人で歩けない、時の風が強すぎてってやつです。
だから、そう思い込もうとしたけど、ずっと心に引っかかっていた。
そんな時に「チック症」という病気を知った。
2.トゥレット症(チック症)
チック症の事はなんとなく知っていた。
意思に反して体が動いちゃう病気?ふーん、ってくらいの感じだった。
だが、この時は違った。
「トゥレット症(チック)で隣の人を殴ってしまう」
こんな感じの見出しに釘付けになった。
aki氏の友達みたいやん、これ・・・
チック症とかトゥレット症と言われるこの病気は、
・突然体が動き出す「運動性チック」
・突然大声をあげてしまう「音声チック」
が代表的で、軽度なもので言えばビートたけし氏の首をかしげる仕草なども運動性チックではないかと書かれていた。
数ある病気の中でも、チック症のきつい点は、症状によっては、人間関係を壊滅的に破壊してしまう点。
理解できない動きや言動は、人々を恐怖させる。ふざけていると思われる。頭がおかしい、気が狂っているという扱いを受ける。しかも、友人や家族からさえもだ。
現代日本人が命よりも大事にする、人間関係のネットワークから
たった一人疎外されてしまう。
3.出会った事があるはずだ
人の多い地域で暮らしていれば、何度も出会っていると思う。
電車の中や人込みで、
・急に大声を出す人
・奇声を発する人
・腕や足を、急にぶんぶん振り回す人
・大声で卑猥な言葉を叫びだす人
・自分を殴り続ける人
そして、その症状中には、
意思に反して暴力的になる(隣にいる人を無意識に殴り続けてしまう)
というものもあるそうだ。
自分でも何が起きているのかわからないらしい。
こんな悲劇があるだろうか。
4.ありがとう、がんばります
エピソードNO.34「殴る友達(あきし)」
の彼は、チック症だったのか。
確かめる術はない、全く別の理由かもしれない。
だとしても、
”殴る彼”と”殴られるaki氏”の話は、
間接的にだが私にチック症の知識を授けてくれた。
あとは私がこの知識を得た事で誰かを救う事が出来れば、
「殴る友達」エピソードは昇華される。
大丈夫、あと一歩だ。ありがとう。
これからは人込みで隣の人が暴れだしたり、
叫びだしても、優しく無視できるだろう。
トラブルに発展しそうなら助け舟をだそう。
あと、知り合いにたまにこの話をして、認知してもらおう。
って思った。
【終わり】
5.参考)インタビュー記事抜粋
6.関連リンク
6-1.「殴る友達(あきし)」
6-2.菊地さんの体験がよくわかる、インタビュー動画はこちら
6-3.トゥレット当事者会ホームページより
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