読書メモ「英語に強くなる多義語200」
最近、ポッドキャストで流行っている「ゆる言語学ラジオ」に影響されて、英語の多義語に興味を持ちました。一見全然関係なさそうな複数の意味を持つ言葉がどういう過程で意味が派生していったのか。それが分かる面白さがラジオを聴いてひしひしと伝わってきました。
英語の多義語についてより理解を深めてみようと思い、一冊本を読みました。
英語に強くなる多義語200
この本は、複数の意味を持つ英単語を順番に紹介していく構成となっています。
今日は自分の記憶の整理を兼ねて、この本を読んで特に面白いと思った多義語をピックアップしたいと思います。自分が分かりやすいように色々着色してますが、ご了承ください。
bear「携えて歩く/子を産む/耐える、我慢する/〜に向かう(bear to)」
bearの原義は「携えて歩く」だそうです。これが次のように派生したとのこと。
「携えて歩く」→(卵を抱えて歩く)→「子を産む」
「携えて歩く」→(重いものを支える)→「〜を負担する」→「耐える、我慢する」
「携えて歩く」→(重いものを支える)→(体が前方に傾く)→「〜に向かう」
意味がありすぎて混乱しやすい単語ですが、ちゃんと関係性があるのには驚きます。「携えて歩く」という状況から発展する過程がよく分かります。過去分詞のbornは「生まれる」、動名詞のbearingは「方角」の意味で、使ったりすることが多いと思います。
interest「興味/利益/利子」
興味という意味がメジャーですが、利益、利子という意味もあるので不思議に感じていました。「大勢の人に囲まれて、その中心にいる」のが原義だそうです。
「大勢の人に囲まれて、その中心にいる」→(注目を集めている)→「興味」
「大勢の人に囲まれて、その中心にいる」→(利害関係がある)→「利益/利子」
原義が聞きなれないですがinterestのinterがamongと同義と考えると、囲まれるイメージに納得できます。
fine「立派な/罰金」
ポジティブな意味とネガティブな意味で差が激しいfineですが、古フランス語のfin「完成した」から借用しているそうです。
「完成した」→「仕上がった」→「洗練された」→「立派な」
「完成した」→(訴訟が決着した)→「罰金」
確かに映画の最後にfineやfinという表示されることがありますが「完成」という意味で使われているのでしょう。完成したものが訴訟なら罰金に行き着くということです。
まとめ
この本を読むと、こんな感じで、単語ごとにどういう移り変わりがされていったのかが分かる様になっています。
この本を読んで思うのが、「なんでこんなややこしい多義語になっているのだろう?」という気持ちが元々ある単語ほど、カタルシスが大きく楽しめたということです。
したがって、ある程度、単語の前提知識がある人の方が楽しめると思います。人を選ぶ本ではあるとは思いますが、英語を学んだことがある人なら、多義語への苦悩は割とみんな共通しているのではないでしょうか。
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