『元彼の遺言状』新川帆立
「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という遺言を残して、かつて3ヶ月だけ付き合った元彼(御曹司)が死亡。主人公は丸の内にある有名事務所で働く若手敏腕弁護士 剣持麗子。お金が好きで、「お金がないなら、内臓でも何でも売って、お金を作ってちょうだい」とのたまうような女。彼女はクライアントを犯人に仕立て、成功報酬を得るべく奔走する。どうやって犯人として立証するのか。利害関係者の思惑は。そもそも元彼はなぜこのような遺言を残したのか。『このミステリーがすごい!』大賞作品。
この作品を知ったのは横浜 伊勢佐木町に本店を置く書店「有隣堂」のYouTube。自社で扱う商品ですら「高い!買わない!」と思いのままを語るミミズク「ブッコロー」がMCを務める番組で、最近よく見ている。この番組に「新人作家」として登場していたのが著者の新川さんだ。
新川さんがどのような意図でこの作品を書いたのか(大抵の推理小説は犯人には「なりたくない」状況だが本作は異なる等)、彼女のユニークな経歴と、チャーミングな人柄、ブッコローのはっちゃけた発言(主人公の麗子を「腹が立つけど、男として一度抱きたい」というような表現をしていた。)が面白くて読んでみた。
グイグイ読んじゃう。麗子のキャラクター、企業や弁護士たちの裏話、頭脳戦やところどころに仕込まれた伏線。読んでいて気持ちがいい。作り込みすぎているくらい、みっちりしている。「なんか面白い本読みたい」という気分ならこれをどうぞ。
『元彼の遺言状』新川帆立
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