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書いてみて初めて気づく

みなさん、こんにちは。作文講師のかんのきょうこです。

あっと言う間に8月もあと10日。

作文クラスの生徒さんたちが、夏休みの出来事を楽しそうに話してくれます。文字通り、目をキラキラさせて。

残り1週間、まだまだ楽しめますね。


私が指導している地域の中学では、秋に行われる弁論大会の原稿を仕上げる宿題が出ています。

今年のテーマは人権。

人権と言われても、さっぱりわからない。いったい何を書いたらよいのだろう……。

そう悩む子がほとんどでしょう。

そこで、教室で、人権作文の書き方講座を開催しました。

中学生のみんなの様子を見て、改めて実感したことがあります。

頭の中にあるぼんやりとした思いは、書くことで輪郭ができてくるということ。

人権というとっつきにくいテーマでも、私の投げかけた質問にひとつひとつ答えていくうちに、

「あ、そういうことだったのか!」

「私はこんなふうに感じていたのか!」

という気づきが起こります。


さらさらと流れていってしまう掴みどころのない水が、氷になると容易に触れるように、自分の考えも、書くことでやっと「これが私の考えです」と、人に差し出すことができるような気がします。

テレパシーで伝わる時代がそのうち来るのかもしれませんが、今の世の中では、自分で伝える努力をしないと、理解してもらえません。自分の考えがよくわからないから、結果、人に伝えることができず、さらには、コミュニケーションをとることも面倒になってくる。そんな状態になっている子も多いのではと感じます。

自分の考えをアウトプットする機会があまりない子にとっては、作文を書くことが自分の考えを探る機会になるんです。

「これが私の考えです」と、人に伝えることができれば、理解してもらうことのハードルはぐっと下がります。つまり、コミュニケーション上手になるために必要なのは、自分を知ることなのです。

作文を学ぶというと、勉強のできる子が余力で取り組むとか、作家志望の子が趣味で学ぶとか、そういったイメージを持たれる方も多いのです。でも、私は、自分を知るための学びの場だと感じています。



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