「僕は日本に帰れない男だから」 731部隊員に命を救われた祖父のシベリア抑留記
「正也さんが昔のことを手記にまとめたから送るね」
親戚から突然そんな知らせを受けたのは、大学を卒業し4年が経ち、仕事に忙殺されていた頃でした。
祖父の正也は、酔うとギター片手に「シボネ~」とルンバを歌い出す、おしゃれで陽気な人でした。寝るときは必ず窓際に眠り、その脇には竹刀を立てかけて眠る、男気溢れる人でもありました。
昔の事は語りたがらなかったのにどうしたんだろう…
そう思いながら手に取ったものの、その時の私は「シベリア抑留」について歴史で習う以上のことは知らず、「戦争