見出し画像

やりたいことや仕事を好き嫌いで考えると? ~若者の進路について~

たいがいの若い人は、
やりたいこと → 仕事にしたい
やりたくないこと → 仕事にする気はない
と2種類しか考えません。
でも、そのわりに、「やりたくないのに、その仕事しかつけなかった」といっては、年中不平不満をネットにもリアル世界でもいいます。

しかし、二元論で考えると、下図のように 2X2 の4パターンで考えないといけません。
上の2つしか考えてないと、考えてないパターン2種類が、漏れ落ちてしまうのです。
たぶん中学か高校の数学で、数列や行列という授業で習ったはずなのですが、こんな簡単な2X2パターンでさえ、すっぱりと2種類を落とすのは、思考停止です。

では、この4種類について考えてみましょう。

(A)は、自分が得意であり、好きなことです。ですが、上には上がいるので、やっていて満足かもしれませんが、仕事としてもらえるかどうかは別です。残酷ですが、そういうものです。要は「自動車好きだし、機械修理なんかもできるから、TOYOTAに応募した」→採用されなかった・・・ということもあるわけですね。まあ、会社のランクを落とせば、採用されるかもしれません。業界ではトヨタさんは一番ですが、2番3番のマツダさんや、トラック会社で採用されたとか、町の修理工として仕事を得たので、ハッピーとなるかもしれません。

(B)は、好きだけども、実際にやるとへたくそというケースです。「下手の横好き」といいます。たぶん、趣味やボランティアでやると、気晴らしになるといいと思います。非常にまれですが、「うちの会社でやれるやつ、誰もおらんから、君やりたまえ」となると、成果物はレベルが低いかもしれないですが、いい外注と契約できると、お願いをすればいいだけなので、「成果物もよいし、当人は好きなので楽しい」ということになるかもしれません。ここでも、仕事をまかせてもらえてお金をもらえるかどうかです。

(C) これはちょっと悲しいですが、「できて成果物もレベルが高いが、当人はやりたくない」という場合です。これは、漫画などで親に無理やりピアニストをやらされて、コンクールで優勝したけども、しょうがなくやっている・・・というドラマのようなパターンです。現実には、たとえば老舗の旅館や酒蔵などでありそうです。多くの才能は、3-8割、親のどちらか、あるいは祖父母からの隔世遺伝で伝わります。
この場合は、「嫌いなものでもやっていれば好きになる」という場合と、「やめてしまって、別の似た才能の仕事をする」という場合が幸せでしょう。「やっていれば、その奥深さに感動して好きになる」ことは多くあります。酒蔵や老舗旅館などは特にそうだと思います。
「別の才能」だと、たとえばピアニストの例だと、「作曲してみたら、楽しかったからそっちにいく」とか、「ピアノいやだったけど、ピアノの調律師になったら、楽しいからそれする」といった業種転向のケースです。1つの仕事は、いくつかのスキルがないとできません。たとえば、瞬発力、耐久力、絶対音感、感性、段取り力 などなどありますが、どれかを組み合わせると、ある仕事で有能といわれたりします。
これも仕事があれば、その道のプロになれます。

(D) もともと下手だし、嫌いである場合です。この場合は、別にそれを仕事にする必要はないでしょう。
問題は、どれもこれも才能がないし、好きな仕事もないし、地域によってはろくな仕事がないという場合です。嫌なのに、得意でもないのに、この仕事をやらないといけません。でないと食べていけないです。何年かは親がいれば、NEETでごろごろしていられますが、いつまでもそれをやるわけにもいきません。
世の中、「ああ、いやだ、いやだ」と文句ばかり言う人は、このパターンかもしれません。
どうすればいいかというと、DからAに行くのは二重に困難です。またBは趣味にしかなりません。ですので、妥当なのは、DからCに移行する努力をすることです。Cで述べたように、どんな仕事にも社会に役立っているのですから、「この仕事はあまり好きでなかったが、社会的に意義がある仕事だ。プライドを持てる」と理解することです。その仕事がある以上は、世の中に役立ちます。
もし、その仕事が社会でいらないなら、もうなくなっています。たとえば、電話交換手などがそれです。自動化でいちいち人間がつなぐなどはもうありません。
「好き」とまではいわないが、「プロなら好きも嫌いもない」「何度もやっていれば、だんだん上手になる」ことはできます。
これが、落としどころになります。

さて、上の2X2で述べましたが、どのケースでも、「それ社会的ニーズがあるの? そもそも、仕事として注文もらえるの? 採用とかしてくれるの?」のほうが大切です。
仕事としてニーズがあって、その仕事につけなければ、なんの意味もありません。好きで得意でも、趣味の世界です。

実際には「仕事につける」という基準をいれると、実は2X2X2 で8パターンだったのです。
まあ、8パターンを検討すると、ちょっとだらだらとなるので、解説をやめておきますが、3番目の基軸が「仕事につけるの?」ということです。
現実には、いつまでも無職ではいられないので、この「仕事につけるの? 仕事の報酬になるの?」のほうがずっと大切でしょう。

さて、みなさんはこの4パターンのどれにあたりますか?
それぞれ、戦略として考えてみましょう。

最低限度でも、2X2 の4パターンでも考えてみましょう。


AI,脳科学、生物学、心理学など幅広く研究しております。 貴重なサポートは、文献の購入などにあてさせていただきます。 これからも、科学的事実を皆様に役立つようにシェアしていきたいと思います。 ありがとうございます!!