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発達障害や知的障害がある子供さんがいるときに、配偶者が「支援学級」を理解してくれないときに読むとよい話をご紹介。


たぶん、発達障害などでお子さんの学習遅れなどがある場合、お母さんのほうが早く気が付くし、多くは病院につれていったり、支援センターにいくのはお母さんが多いと思います。だから、先に気づいているお母さんは、細かいところに気が付かない夫に、うまく説明できなくていらいらしたり、「普通学級でいいやん。何が問題あるねん」などといわれると冷たく感じると思います。
たぶん、これはきっと障害のあるお子さんがいる家庭では、必ず訪れる1つのハードルかもしれません。

「ムーちゃん」の漫画でも、お父さんのほうが理解が遅れたり、拒否したりするシーンが描かれています。
(まあ、男性はおサルのマウント本能があるので、自分や自分の子供が、人のマウンティングの下にいくのを、もう本能的に拒否するものがあります。人類もしょせんは、原始人やおサルさんの一種なのです。)

そういうときに、もういっそ、この方の文章を読ませてしまうっていうのが1つの手だと思います。
この方のケースでも、最初はお父さんのほうが理解が遅れていて、「え?なんで支援学級なの?」というところからスタートだったようです。

情報量のギャップや、観察力のギャップは、なかなか毎日顔をあわせている家族でも、なかなか克服はできないです。

読むと泣けてしまいますが、丁寧に構成された文章なので、伝えたいことがちゃんとしていると思います。


ちょっと残酷ですが、発達障害は今まで「原因不明」でしたが、実際は「遺伝」であることがだんだんわかってきました。
つまり、当の両親のどっちかのDNAのせいだということです。そして、行動遺伝学という学問がありますが、かなりの目立つ才能や行動特徴は、遺伝が3-8割だとわかってきました。たとえば、音楽の才能は8割が遺伝です。そして、他人に迷惑をかけたり、犯罪をする問題行動も遺伝です。

なので、この今一つ「わかってくれない夫」は、夫の方にアスペルガーなどの問題があって、「よく観察できない」のかもしれないです。
(アスペルガーは「空気が読めない」といわれるのですが、アメリカの論文などでは、本当に顔の表情認識がしにくいことなどがわかっています。目から脳に入って、脳でキャッチすべき情報をうまく捕まえられないらしいのです。だから、全体に観察力も低い人はけっこういるようです。女性のアスペルガーもいるのですが、男性のほうが圧倒的に多いです。)

もちろん、お母さんの遺伝のほうで、たまたま夫は「仕事で多忙で子供の細かい行動を見てない」とか「同じ年の子供との成育の差がよくわかってない」という場合もあります。

とはいえ、先祖からもらった遺伝子なので、どうしようもありません。
環境を変えたり、教育方法を変えたりすることで、できるだけ将来大人になったときに、親が世話しないでもよく自立する大人になってもらうべきなのです。親が120歳まで生きて、80歳の子供の面倒を看ることはできません。

それと、口頭でいうと、説明している途中でいちいち一方的な質問をいれてきたり、あるいは「自分の子供がまさか」と思っていたりするので、腹を立てたり、考えようとしない相手もいます。
これは、しばしば、ご両親のどちらかの間で起きる問題です。

だからこそ、紙に印刷して読んでもらうとか、スマホやタブレットで静かに読んでもらうのが大切だと思います。
また、第三者で経験者がいうと、やはり重みが違います。客観視ができますし、似た兆候があったりすると共感もします。それがわかりやすさや、納得感を得る大切な点です。

「え? ちょっと歩きだすのが遅かったけど、普通に育ってるじゃん」と思っている片親からみたら、
「ううん、こことここが育ちが遅くて、他の子が6歳なら、うちは2年くらい遅れてる」って丁寧に説明するのは、よほどしっかりと話ができる親でないとできないものです。
まあ、その前にいつもいつもお医者さんや発達支援センターなどの福祉担当の面接や説明会にいくときは、「絶対に夫婦2人でいく」となっていれば別ですが・・・現実にはそうもいきません。


たしかに、あまり理解のない地域では、「支援学級なんてかわいそう」あるいは「格好悪い」と思うことはあるかもしれないのですが、普通学級で勉強が一番ビリで、みんなからバカにされたりするより、「支援学級の扱いが慣れている先生のところで、それぞれ障害のレベルが違いながらも、遅くてもいいから、着実に義務教育で習わないといけないことは、学んでいく。そして、いつかそれが大人になって、社会にでるようになったら使えるようにする」ことのほうが大切です。
普通学級で、どの科目もビリで、「わー、うちの子、どれもできない」と嘆くよりも、支援学級で「この科目は大丈夫、こっちは苦手。だから得意なことを将来仕事にできるようにしてあげよう」ということのほうがずっと大切だと思います。

普通の子供は20歳前後で親離れします。ですが、発達障害の子供はもしかしたら、30歳くらいでやっと親離れするだけかもしれないです。でも、いつかは1人にならないといけないので、それまでその独り立ちの手伝いを親御さんができるだけ、やってあげるのがよろしいと思います。
(最悪重度の場合は、一生グループホームのようなところかもしれないですが・・・。それでも、一日中親がついている必要はないのが、よいと思います。でないと親は死んでも死にきれないです。)

都合の悪いときだけ、「多様性がー」とわめく人々がいますが、発達障害の場合は、得意不得意が非常に凸凹なのですから、これこそ、本当の多様性と認めて、得意―不得意を理解して、伸ばせる才能をより伸ばしてあげるのがよろしいと思います。

誰も、世の中マルチタレントやスーパーマンみたいな人をほしがっているのではないのです。
得意な人が得意な仕事について、社会がまわっていって、生きていけるお金を自力で稼げればそれで、基本はいいのです。

追記
発達障害の理由を主に「遺伝」と書きましたが、日本だと少ないながら、妊娠中の不適正な薬物の摂取の可能性もあります。
たとえば、お母さんが、酒、たばこ、薬物、なにかジャンキー(インスタント食品など)なのか農薬の多い食品などを多く食べたなどです。日本の野菜には、比較的残存農薬は少ないですが(多いと出荷できないはずです)、アメリカ産や中国産は農業に効率を多く求められますし、日本では想定しない農薬などを使っている可能性があります。他には家畜などの飼料の問題です。
アメリカの子供が、全体に体が大きく、太り過ぎになりやすいのは、食育不足もあるのですが、どうも家畜に使われる成長剤が残って、それを食べた人間の子供も成長しすぎになることもあるようです。なかなか、複合理由が混じりますので、難しい問題です。
(ちなみに、アメリカと日本では、どうもADHDについてはアメリカのほうが発生率が高いです。アメリカでの発生率は14%以上です。日本はおそらく、多少増えていますが、5%前後かなと思います。ですので、妊娠中の食品や摂取物には、用心すべきかなと思います。専門家に相談されるのがよいですが、「はっきりしていない」と思い込んだままの医者もいますので、ちょっとかかるお医者さんによってはなかなかちゃんとした回答が得られないかもです。)

それと「生活環境」が疑われたのは、たとえばADHDの子供は、ADHDの親から発生しますが、純粋遺伝なのか、ADHD特有の生活態度(ばたばたしたり、時間にルーズなど)が、影響する(親と同じことをしていいと真似してしまうとか、ばたばたすることで脳に損傷がでるなどか)のかがはっきりしませんでした。何割かは影響があるかもしれないのですが、こちらにある育児されている方の子供さんは、1歳未満ではっきりと発達障害症状が出ています。たとえば、母親なのに触れない、ギャン泣きするなど・・・。
ですので、1歳未満で発症していたら、遺伝と、あとは上記の薬物障害としか考えられません。
ご参考になさってください。


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