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【ビジネスに活かせる!】専門家が教える誓約書のノウハウ


誓約書と聞くと、ビジネスというより、個人間で使われるようなイメージを持たれる方は多いと思います。

今回は、ビジネス取引をおこなうすべての企業が確認しておくべき誓約書について解説します。


1.誓約書とは

誓約書とは、当事者双方が合意する契約書や覚書とは違い、当事者の一方のみが他方当事者に差し入れるものです。

そのため、誓約書の書面には、契約書や覚書と違い、誓約書を差し出したどちらか一方の署名・捺印しかないのが一般的です。

つまり、誓約書とは、誓約書を差し出す方が一方的に義務を負ったり、一定の事実を確認したり、認めたりする内容になり、後日の証拠として残すことができます。


2.ビジネス取引における誓約書

ビジネス取引において、相手方との間で権利や義務について取り決める契約書や覚書は多く取り扱われ一般的ですが、一方が他方に差し出す誓約書も多く使われます。

よく目にするのが、仕事を受託する(仕事をもらう)側がクライアント(仕事を依頼する)側に差し出す下のような誓約書です。

●秘密保持に関する誓約書
●贈収賄に関する誓約書
●反社会的勢力に該当しない、反社会的活動をしないという旨の誓約書


3.それぞれの側からの注意点

ここでは、クライアント(仕事を依頼する)側と、仕事を受託する(仕事をもらう)側、双方の注意点について説明します。

▶クライアント(仕事を依頼する)側

クライアント側からすると、仕事を依頼するにあたり、相手がちゃんと誠実に仕事をこなしてくれることはもちろん、自社のノウハウ、個人情報など、秘密としておいてほしい情報の保持を誓約してもらうことは、ものすごく重要なことです。

自社の保有する技術やノウハウを漏洩したり、真似されて同じような事業をやられたりすることは絶対にされたくないところです。

また、自社の思いと反するようなことをされたり発信されたり、自社の損害につながるようなことは一切されないよう、できる限りの防衛策は講じておきたいものです。

そんなとき、仕事を依頼する相手に対し、「弊社では、取引先との取引にあたりこちらの誓約書にて誓約してもらっています。」と、自社に優位にはたらき、かつ、第三者が見ても「もっともだ」と感じるような正当な文言を盛り込んだ誓約書を相手方に提示します。

この第三者が見ても「もっともだ」と感じるような正当な文言を盛り込んだという部分は大変重要です。

契約は当事者の合意で成立しますが、その内容があまりにも片方に偏り過ぎた内容ですと、その契約書そのものが、その妥当性について争いの原因にならないとは限りません。

「この契約の内容は一方的すぎる!ひどい!無効だ!」と相手方に言わせないような内容にすることがもちろん重要ですが、万が一そのようなことを言われたとしても、「いやいや、これ妥当ですよ」と第三者が見てもそう感じるような書き方、表現方法の文言だと、何も恐れることはありません。

取引先との取引内容、力関係にもよりますが、自社のリスクを最大限回避できるような効果的な文言を入れた誓約書が有効にはたらきます。


▶仕事を受託する(仕事をもらう)側

誓約書は、一方が一方に対し差し出すもので、その内容は基本的に差し出す側が義務を負うことになっています。

よって、仕事を受託する(仕事をもらう)側は、クライアントが「これで問題なければこれを提出してください」と言われ提示された秘密保持に関する誓約書の提出を求められることが多くあります。

この内容は、基本的に先方に優位な内容になっていますが、あまりにも自社の不利益になりそうな文言がある場合は、文言の変更要望をしなければいけませんので、注意してチェックすることが重要です。

なかには、「契約期間中、同じような仕事を請け負ってはいけない」などとする条項で自社の活動を縛られているものもあったります。

先方の仕事を一つ獲得するのに、他の仕事を請け負えなくなる、ということが、あまりにも費用対効果が悪いと考える場合、ある程度の交渉は必要です。

なお、先方から「(秘密保持に関する)契約書を交わしておきたい。案を出してほしい」と言われたときはチャンスです。

一方のみが(秘密保持)義務を負う内容ではなく、両者ともに義務を負う内容の契約書や合意書を案として提出できます。

案の段階で、「両社がちゃんと義務を負いましょう」となっているものを、「いや、弊社は義務を負わず、貴社だけ義務を負うようにお願いしたい」などとは、なかなかならないものです。

こういったことから、契約書でも誓約書でも、先に案を作成した側の優位な内容にその契約内容は決まりやすいということが言えます。


4.まとめ

仕事をいただけることは有難いことです。ですが、ビジネス取引の場において差し出す誓約書の内容には注意が必要となります。

決して先方の言いなりになるのではなく、自社のリスクもしっかり考えたうえで、誓約書、契約書、合意書は締結するようにしましょう。


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