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規約・契約書

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利用規約、受講規約などの規約、契約書について、専門家の立場から、事業を行ううえで有益な情報、ためになる情報を発信します。
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2021年2月の記事一覧

個人情報保護法が改正されましたのでプライバシーポリシーを見直しましょう

個人の権利利益の保護などを目的として、「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律」が昨年6月12日に公布され、個人情報保護法が改正されました。 今回の改正のポイントのいくつかを、契約書・規約の専門家がわかりやすく解説します。 お客様の個人情報を取り扱う事業者においては、今回の改正を機に、現在自社で使用しているプライバシーポリシーを見直しましょう。この記事がその一助になれば幸いです。 1.本人の権利保護がより強化されました今回の改正では、保有個人データに関して、本

お使いの利用規約は無効ではないですか?

1.大きな民法の改正がありました 昨年4月1日、120年ぶりに改正民法が施行されました。 今まで大きな改正がなかった民法が大幅に改正されたことで注目されましたが、 皆さんがサービスを提供される前に利用者に同意してもらう「利用規約」についても大きな改正がなされることになりました。 わかりやすく言うと、 「利用者の利益を一方的に害すると認められる条項があった場合、たとえ利用者が“✅同意する”としたとしても、合意しなかったものとみなされる」 合意しなかったことになる?

専門家が教えるオンラインスクールの正しい始め方(規約編)

コロナ渦が長く続き、 ▶時間や場所に縛られず、自宅でもビジネスを展開したい ▶自分の得意なこと、好きなことを活かしてオンライン上でサービスを提供したい ▶なるべくコストを抑えて講座、レッスン、コンサル、スクール運営したい このように考える方が多く、オンラインスクールの需要がたいへん増えています。 これまでの自身のスキルをオンラインコンテンツに変え、自動化し動画などで学んでいただくよう、そのシステムを構築するのと同時進行で、整備しなければならないのが、受講規約、入会規約、

【NDA(秘密保持契約書)】渡されてすぐにOKしていませんか?

新規の取引先との間で、お互いの情報を開示し合う前にNDA(秘密保持契約書)を締結します。 “とりあえずNDA(秘密保持契約書)だけ先に締結しておきましょう” このような軽い感じでNDA(秘密保持契約書)を締結される事業者は少なくないと思います。 こちら側としても、早く取引をはじめたいし、最初の打ち合わせが開始されないと、その次のステップへすすめませんので早急に締結しておきたいという気持ちもわかります。 しかし、 相手方から提示されたNDA(秘密保持契約書)を、たいし

【著作者人格権】作った人のもの?クライアントのもの?

デザインやイラスト、ソフトウェア開発など、様々な創作物を外注先に創作してもらうケースはよくあると思いますが、その場合の業務委託契約書に、下記のような文言がよく使われます。 乙は、甲に対して、著作者人格権を行使しない 甲が(クライアント)で発注者です。 乙が(ベンダー)で著作物を創作した側、著作者です。 この"著作者人格権"とは、どういうものでしょうか? 契約書の専門家がわかりやすく解説します。 1.著作権とは似ていますが、著作者人格権と著作権とは異なります。 で

【オンラインスクール】お客様と有効に契約するには

コロナ渦におけるオンライン化がすすんでいます。 スクール事業においては特に顕著で、今まで対面で講座やレッスンを提供されていた事業者が、オンラインで提供する方法を模索しています。 このオンラインでサービスを提供する際に、必ず必要となるのが、規約です。 申し込みいただく際に、お客様に事前に同意いただく、この規約について、規約の専門家が分かりやすく説明します。 1.事業者の好きなように決めてしまってもよいか先ずはじめに、勘違いされておられる事業者も結構多いのですが、 この

企業が個人に外注するときの契約書の注意点

昨日は、個人(フリーランス・個人事業主)の立場から、企業から受注する際の契約書について解説しましたが、 本日は逆に、 企業の立場から、個人(フリーランス・個人事業主)へ発注する際の契約書について、契約書の専門家が分かりやすく解説します。 1.業務委託契約を締結する一般的に、企業が個人へ業務を依頼する場合、個人との間で「業務委託契約」を締結します。 もちろん、口頭やメールなどでも契約自体は成立するものなのですが、のちのち、「言った、言わない」などとトラブルになってしまう

【フリーランス・個人事業主】お仕事をいただく契約の前に必ず確認すること

会社に所属せず、自由に働くことができる「フリーランス」という働き方が増えています。 良い面だけが注目されがちですが、それだけではありません。 会社に所属していた方が独立するのですから、今までは会社が契約関連の書類はすべて用意してくれていたところ、フリーランスは自分ですべてチェックして手続きを進める必要があります。 内容をよく確認せずにサインしてしまうと、 「仕事内容が聞いていた話と違った」 「支払いサイトが思ってたのと違った」 「納期に遅れ損害賠償を請求された」 な

セミナーや講座の【受講者数を増やすことができる!】受講規約とは

セミナーや講座を、オンラインで提供されている個人の先生や教室、スクールなどが多くなってきました。 今まで対面で提供されていたものが、オンラインで提供されることになったのですから、オンライン特有のリスクを回避する「受講規約」が必要になることはもちろんですが、 そんな皆さんがお使いの「受講規約」を確認させていただくと、セミナーや講座の内容にまったく適していない「受講規約」をお使いになられている方が時々いらっしゃいます。 このことが大きなリスクになることは誰しも想像つきますが

個人事業→法人にするメリットは?

個人事業主の方から、「株式会社にするメリットは何ですか?」とお問い合わせをいただきました。 法人成り(個人事業から→法人にすること)を検討されている方から、このようなご相談を多くいただきます。 法人成りのメリットについて、法人設立の専門家が分かりやすく解説します。 個人事業→法人にするメリットとして、以下のようなものがあります。 1.信用力UP✅取引先 個人事業主とは取引をしないという企業も存在します。また、同じ営業をするでも、法人の方が相手に与える印象が良くなりま

コンサルティングの契約は、なぜトラブルが多いのでしょう?

コンサルティング業務 = トラブルが多い こういうイメージをもつ方は少なくありません。 「コンサルティング契約を締結していたにも関わらずお客さまから損害賠償や全額返金を請求された」 このようなコンサルタントの方を多く見かけます。 いったい何故でしょうか? 1.契約書の内容が不明確、または、間違っている次の2.3.にも関係しますが、お客さまとトラブルがあった方のなかには、インターネット上にある、いわゆる「契約書のひな形」を探しだして自分なりにアレンジしてお使いになった

【オンラインスクール編】せっかくの規約を有効なものにするために

コロナ渦によりオンラインの需要が増し、オンラインスクールの規約について多くご相談をいただきます。 ご相談いただくお客様の中には、そもそも規約が無い状態で運営を始めてしまったり、規約はあるものの欠陥があったり、誤った使い方をしたため、トラブルとなってしまった… という方もいらっしゃいます。 規約なしに運営を始めてトラブルになるのは致し方ないとして、せっかくの規約を有効なものとするには、どうしたらよいのでしょうか。 規約作成の専門家がわかりやすく解説します。 1.インタ

【専門家が分かりやすく解説!】基本契約と個別契約の違い

ビジネス取引の際に、 基本契約と個別契約をよく目にすると思いますが、 この違いは、何でしょうか?契約書の専門家がわかりやすく解説します。 1.基本契約とは基本契約とは、継続的に売買や業務の委託などを行う際に、契約する両者間で、基本的な契約条件を定めるものです。 基本契約には、「業務委託基本契約書」「取引基本契約書」「購買基本契約書」「請負基本契約書」などの契約書が該当します。 この基本契約に基づいて、個別の商品の発注や、個々の業務委託の発注の依頼などがなされることに

【スクールや教室の運営で必ず必要】2つの契約方法

1.受講契約の2つ方法スクールや教室を運営する場合に、生徒と受講契約を締結します。 受講契約とは、『スクール側が講座やレッスンなどを提供し、生徒が受講料を払って受講する』ことを約する契約です。 この、スクール側と生徒との間で成立する受講契約は、一般的に、①「契約書」と②「規約」2つ方法があります。 この2つの方法の違い、メリットやデメリットなどを比較しながら解説します。 2.①「契約書」の場合多くの人が「契約」と聞いて最初にイメージする契約書面です。 〈タイトル名