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【棋書レビュー】将棋パワーアップシリーズ 5手詰将棋

こんばんは。虚海と申します。今日から棋書レビューを書いていきたいと思います。私はブログも書いていますけど、そこでも棋書レビューを書いているんですね。評判がいいんだか悪いんだかわかりませんが、それなりにご覧いただけているみたいですので… しょせんは81道場初段程度の実力ですから、高段者のようなカッコイイことは書けませんが、よかったら参考にしていただけたら嬉しいです。

最初は系統立てて書いていこうかなと思っていたんですが、ちょっとそれも大変なので(笑)、思いつくままに好きな本をご紹介していきます。記念すべき最初の本は、おそらく私が2番目に繰り返し読んだ本で、最も好きな棋書なんじゃないかなと思っている本です。

【出版社】創元社
【タイトル】将棋パワーアップシリーズ 5手詰将棋
【著者】高橋道雄九段
【初版】2009年9月刊行

最初のレビューが5手詰めになってしまいました。1手詰めからのほうが順序としてはいいかなあと思ったんですが、ぶっちゃけ1手詰めとかどれでも同じですからねえ…(笑)。いや、おススメはあるのですが、それは別の機会に譲ろうと思います。

そもそも詰将棋の本で有名なシリーズは2つあって、一つは浦野先生の「ハンドブックシリーズ」、もう一つは高橋先生の「〇手詰将棋シリーズ」です。あとはそれ以外がいっぱいありますけど、私は良く知らないので(笑)、とりあえずこの2つが有名だと言い切ってしまいます。

おそらくは「ハンドブックシリーズ」のほうがシェアも大きいですし有名なんですけど、私個人はこの「〇手詰将棋シリーズ」のほうが好きです。


1.この本の特徴

この「5手詰将棋」の特徴、というか「〇手詰将棋シリーズ」の特徴として、「実戦形っぽい」ことが挙げられます。問題はどれもこちらの攻めが刺さって相手玉の囲いが崩れた感じのものばかりです。

例えばこの本の場合、第1問から第13問までは矢倉の崩れた形、第14問から第48問までは美濃囲いの崩れた形…みたいな感じ。そこからいかに詰ませるかということの実戦的な練習ができます。

それゆえ、普通の詰将棋では相手玉は基本右上にあることが多いのですが、この本の場合は実際の対局のように、矢倉の場合は右上、美濃の場合は左上、中住まいの場合は真ん中…みたいな配置になっています。

2.この本の形式

1ページに2問問題があり、ページをめくると解答と解説が載っています。問題図も大きく書かれているのでとても見やすいですし、解説も十分な量だと思います。きちんと読んで理解できないことはまずないでしょう。

全部で202問ありますので、「ハンドブックシリーズ」の200問と比較しても遜色無い量ですね。それでいてお値段は1000円(税別)! 最近は棋書の値段も高くなってきていますから、これは嬉しいです(笑)

3.この本の難易度と対象

もちろん5手詰めなので基本的には3手詰めよりは難しいのですが、素直な問題が多いので、難解な3手詰めよりも簡単かもしれません(笑)。

「ハンドブックシリーズ」にも「5手詰ハンドブック」という本が有りますが、はっきりとこちらの方が難易度は下がります

というか、「5手詰ハンドブック」はとても難しい。「3手詰ハンドブック」をスラスラできるようになって、いざ「5手詰ハンドブック」に挑戦!となっても、けっこうな確率で挫折します。現に私は挫折しました(笑)。

そこでこの本の出番です。「3手詰ハンドブック」を瞬殺できるようになったら(これ大事!)、「5手詰ハンドブック」に進む前にこの「5手詰将棋」に取り組むことで、5手詰めに慣れることができます。「5手詰ハンドブック」への橋渡し的な役割を果たしてくれることでしょう。

そして、楽しく詰将棋を解きたい人にもオススメできます。先ほども書いたように、この本は実戦で出てきそうな形をしている問題が多いですし、実戦で出ないような詰将棋独特の手筋もそんなに出ないので、けっこうスラスラと解くことができます。やっぱり解けた方が楽しいですよね(笑)。


4.総合評価

いろいろ書いてきましたが、お勧め度は…

・1~5級くらいの方:Sランク!
・初段以上の方:Bランク
・6級~初心者の方:Bランク

3手詰めに満足できなくなったくらいの棋力(3~5級くらいかな?)の方であれば、きっとピッタリだと思いますし、1級くらいの方でも楽しく5手詰を練習することができますし。ぜひお試しいただきたいと思います。

さすがに有段者には簡単過ぎるかなという気はします。ものの本には「初段になるためには5手詰めがスラスラできれば詰将棋力は十分」と書いていましたし、有段者は7手とかそれ以上が適切なのでしょう。私も普段は7手詰めがメインですしね。

また、素直な問題が多いとはいえ、やっぱり5手詰めですから。3手詰めに苦労している方(たぶん6級~初心者の方)はまず3手詰めを完璧になるように反復して頑張りましょう!

上のリンクから買っていただけると私にも紹介料が入るそうなので、ご興味がお有りの方は、ぜひそちらからお願いします(笑)。もちろんそうでなくてもけっこうです。私はこの本をもう15回以上繰り返しています。そのくらいのお気に入りなので、知っていただけたら嬉しいです♩



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