〈関係性の病理〉とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』
〈関係性の病理〉 【かんけいせいのびょうり】
主に、生身の他者との間に直接的な関係性を持つ必然性を感じられなくなる〈生の自己完結化〉の帰結として、人々が直接的な関係性を維持、構築していくことに多大な困難を抱えるようになること。
人々は〈社会的装置〉を介してつながりあっているものの、個々人の経験の次元においては、互いに互いを必要としていないように思えるという心理的影響が、関係性のハードルを非常に高めることになる。
その結果として、〈社会的装置〉を媒介した気軽な関係性とは対照的に、生身の関係性が負担やリスクとしてのみ感受されるようになり、人々はやがて直接的な関係性を構築すること自体を次第に諦めるようになっていく。
このページでは、筆者が2021年に刊行した『〈自己完結社会〉の成立――環境哲学と現代人間学のための思想的試み(上巻/下巻)』(農林統計出版)に登場する用語(キーワード)についての概略、および他の用語との関係について説明したウェブ版の用語集のnote版です。
(現在リンク先は、すべてウェブ版を借用していますが、徐々にnote版に切り替えていく予定です。