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〈間柄規定〉とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』


〈間柄規定〉 【あいだがらきてい】

 「例えばわれわれは、前述したもの以外にも、親子、家族、友人、親友、夫婦、恋人、同志、同僚、上司と部下、教師と生徒、クラスメート、地域の住人など、〈間柄〉を示す語を多様に用いている。これらはいずれも特定の〈関係性〉を示す“型”であって、そこにはそれぞれの〈関係性〉に相応しい、あるいは相応しくない“振る舞い”というものが同時に理解されているのである。」

上巻 215

 本書では、人間が「人間的〈関係性〉」を構築する際に用いている、互いの振る舞いを規定している特定の枠組みのことを〈間柄〉と定義するが、〈間柄規定〉とは、想定されている具体的な中身のこと。

 〈間柄既定〉は、日々人々の相互作用を通じて変化していくものであり、修整可能なものである。しかしそれが時代の要求や人々の望みに沿った形に修整されるにはそれ相応の時間が必要となる。むやみに変質してしまう〈間柄規定〉であったら、それはそもそも〈間柄〉として機能しないからである。

上柿崇英『〈自己完結社会〉の成立――環境哲学と現代人間学のための思想的試み(上巻/下巻)』(農林統計出版、2021年)

 このページでは、筆者が2021年に刊行した『〈自己完結社会〉の成立――環境哲学と現代人間学のための思想的試み(上巻/下巻)』(農林統計出版)に登場する用語(キーワード)についての概略、および他の用語との関係について説明したウェブ版の用語集のnote版です。

 (現在リンク先は、すべてウェブ版を借用していますが、徐々にnote版に切り替えていく予定です。

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