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【用語集】〈自己完結社会〉の成立

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このマガジンでは、筆者が2021年に刊行した『〈自己完結社会〉の成立――環境哲学と現代人間学のための思想的試み(上巻/下巻)』(農林統計出版)に登場する用語(キーワード)について… もっと読む
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#意のままにならない他者

【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』テーマ別索引

 このページでは、筆者が2021年に刊行した『〈自己完結社会〉の成立――環境哲学と現代人間学…

「自己実現」とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

「自己実現」 【じこじつげん】 一般的には、抑圧から解放され、自己の内なる可能性を発見し…

〈他者存在〉とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

〈他者存在〉 【たしゃそんざい】 一般的に「私」ではない(他の)存在のことを指すが、本書…

「意味のある〈関係性〉」とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

「意味のある〈関係性〉」 【いみのあるかんけいせい】 差異性や異質性を含んだ「意のままに…

〈自己存在〉とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

〈自己存在〉 【じこそんざい】 われわれが“私”と呼ぶものを存在論的に捉えた概念で、自我…

「意のままにならない他者」とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

「意のままにならない他者」 【いのままにならないたしゃ】 〈他者存在〉の本質を述べたもの…

「ありのままの私」(「純粋な私」、「本当の私」)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

「ありのままの私」(「純粋な私」、「本当の私」) 【ありのままのわたし】 他者や世間など、外的な何ものかによって付与される〈間柄〉から解放されたところにあるとされる、幻想としての自己概念(「本当の私」、「純粋な私」とも言い換えられる)で、「〈ユーザー〉としての生」が拡大した社会において、〈自立した個人〉の思想が浸透することによってもたらされる。  「〈関係性〉の分析」(第三のアプローチ)によれば、〈自己存在〉とは、本質的に「意のままにならない他者」との「〈我-汝〉の構造」を

「意のままになる他者」とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

「意のままになる他者」 【いのままになるたしゃ】 〈他者存在〉の根本原理に反した概念で、…

「この私」(肥大した自意識としての)とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の…

「この私」(肥大した自意識としての) 【このわたし】 〈社会的装置〉に依存する「〈ユーザ…

「おのれの人生の主人公」とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

「おのれの人生の主人公」 【おのれのじんせいのしゅじんこう】 日本のマルクス主義、および…

「自由な個性の全面的な展開」とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

「自由な個性の全面的な展開」 【じゆうなこせいのぜんめんてきなてんかい】 日本のマルクス…

〈共同〉とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

〈共同〉 【きょうどう】 人間存在の根本原理のひとつで、本書では「複数の人間が何かを一緒…

「共同行為」とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

「共同行為」 【きょうどうこうい】 「牧歌主義的―弁証法的共同論」の影響によって、共同概…

「〈共同〉のための作法や知恵」とはなにか――【用語集】『〈自己完結社会〉の成立』

「〈共同〉のための作法や知恵」 【きょうどうのためのさほうやちえ】 人間存在が「共同行為」としての〈共同〉を実現させるために、〈共同〉の負担を少しでも緩和させようとして歴史上構築してきた知恵や作法のことで、大きく〈役割〉、〈信頼〉、〈許し〉の原理がある。  〈共同〉を実践することは人間の本性に基づくものの、その行為の成立は無条件に実現するわけではない(「100人の村の比喩」)。十全な形で〈共同〉を実現するには、「人間的〈関係性〉」の文脈で言えば、「意のままにならない他者」と