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STEAMは「創造的探究学習」

今回は、STEAM学習と探究学習の違いについてお話をしていきましょう。

このnoteの2023年10月29日の投稿で、私は「STEAM学習は探究学習の一部だ」と述べました。STEAM学習は、探究学習と同様に、問題解決学習であり、実際の社会や生活の中から問題を発見し、教科を融合して考えていく学びです。その点では、探究学習とほぼ同じです。しかし、探究学習とは異なる点もたくさんあります。

STEAM学習では、問題の解決にあたって、論文を書いたりプレゼンテーションとしてまとめたりするのではなく、科学技術を活用したものづくりとしてアウトプットします。つまり、創造(創作)がキーワードとなります。

STEAM学習を言い換えれば、「創造的探究学習」もしくは「創作的探究学習」ということになるでしょう。

少し話が複雑になりますが、STEAM学習は必ずしも探究学習でなくてもよいという捉え方もあります。つまり、教科融合の創造活動であれば、必ずしも問題解決的でなくてもよいということです。

昨年、東京大学生産技術研究所准教授の川越至桜先生、聖徳学園中学・高等学校の品田健先生とパネルディスカッション(※)をさせていただいた時、お二人の先生もそのような考えを示されていました。

  • ※2022年8月20日開催の「コアネット私学教育フォーラム2022」の中で「STEAM教育のこれからを考える」というタイトルでパネルディスカッションを行いました。川越先生、品田先生の貴重なご経験、実践をたくさんお話しいただき、大変有意義な会になりました。ご聴講いただいた多くの先生方にも参考になる話ができたのではないかと思っています。

通常の中学校や高校の授業でSTEAMを探究学習として取り組もうとすると、かなりの授業時数が必要になります。総合的な学習(探究)の時間などで年間を通じて取り組むプログラムであればよいのですが、それだけをSTEAM学習と呼ぶとハードルが高くなってしまいます。通常の教科の授業の中で、教科融合の創造活動を少し取り入れることもSTEAM学習と呼んだ方が取り組みやすくなるということです。

STEAM学習への取り組みのハードルを上げてしまうのは本意ではないので、私もこの考え方に賛同します。ただし、「科学技術を活用した」「教科融合の」「創造(創作)活動」という条件は定義として必要だと思います。

STEAM学習に取り組むには、2つの方向で考えていただくとよいと思います。
1)総合的な学習(探究)の時間や独自科目の中で、1年間かけてじっくりと取り組む本格的な創造的探究学習としてのSTEAM学習プログラム。
2)通常の教科の授業の中で取り組むミニSTEAM学習(科学技術を活用した教科融合の創造活動)。

いずれにしても、これからの時代にはとても大切な学習ですので、ぜひ皆様の学校でも導入を考えてみてください。

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