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RAY - 尊しあなたのすべてを @ RAY 1st Oneman Live 0824「birth」MV編集のこと

(アイドルグループ「RAY」が2020年8月24日に行った無観客の配信限定ワンマンライブ「birth」、グッズ購入のMAXコースでは当日の8台のカメラ映像すべてを入手できて、編集、公開が可能となっています)

M12「尊しあなたのすべてを」
MV編集でやってみたこととか、意図とか、メモしておきます。
とりあえずMV全編はこちら。

今回のMVのアイデアというか発端は、2:30あたりからはじまる後半の映像のところです。(退色した感じのところ)

ライブMVらしい正統派の映像はすでに多くの方が作られていたので、普通とはちがう映像、それでいてRAYのこの曲に合う映像、と考えていたとき、「尊しあなたのすべてを」の流れるような美しい音や公式MVから、ディレイのかかった映像が思い浮かびました。

ちょうど劣化したビデオテープか、あるいは電波の悪いアナログテレビの映像のような。輪郭が本体からややずれたゴーストのような。

提供された元の映像に対しておなじものを別レイヤーにコピーし、1フレームだけずらしたものを重ねています。後半は比較的ダンスの動きが速いので、1フレーム分がちょうど上のスクリーンショットのようなずれ具合で。

そして実はさらに、重ねたレイヤーの一部の色を(クロマキーとおなじ要領で)抜いています。実際に抜いた色は衣装に映ったライトのオレンジっぽい色味。クロマキーで抜けたところにディレイした映像が映るかな、と思ったのですが、どちらかというと動きより色味の変化が大きくて、まさに退色したような映像に。意図してはいなかったのですが、曲の後半にさしかかる前の、シリアスなブリッジ部分によく似合う色味になりました。

この映像効果を軸に、前半もほとんどはディレイ、ないしは映像を横にずらす手法を使っています。

以下、全編とおした解説。

冒頭のタイトル部分。

立ち位置を移動する足元をとらえた映像が凛々しくて、もうほぼそれだけで成り立っていたのですが、ここからすでにディレイを入れています。
イントロ3~4小節目にはタイトル、5小節目からは音楽に合わせてちょうど1小節分のロングディレイ。

1コーラス目の結愛さんパート。
4フレームのディレイですが、動きが少ないので揺らいでいるような映像になっています。さらにクロマキー効果でややノイズの入った懐かしさの漂う絵に。コーラス終わりで引きの絵に長めのオーバーラップで切り替えて、ちょうど昔の歌番組のようなつなぎ方に。

2コーラス目の月日さんパート。
ここはじつはディレイではなく、タイミングはおなじまま青みを強調した映像を若干右にずらして重ねています。(後半は赤みの映像を左に)
まさにアナログテレビのゴースト。

歌い終わりとともに映像を元のきれいなものに戻しているのですが、このときの月日さんの右手の動き、表情、視線の移し方が美しくて。
まさにここだけ、過去の映像からいまの映像に時をもどしたような。

(ふたたびオーバーラップで、今回なかなか使うタイミングのむつかしい天井カメラ映像)

前半ラストの3コーラス目、甲斐さんパート。
下手からアップで撮った映像の色味がライブフィルムのようで、ディレイはほんとにうっすらと(透明度16%くらい)。

そして曲調がドラマティックに変化する中盤。
バックから差し込む照明、緊張感のある展開に対して、拍に合わせてシャープなオリジナル映像とクロマキーの退色映像、ショートディレイでブラーのかかった映像を切り替え。
緊張感のあるブリッジを越えたところで、後半の雲の晴れたような美しいオリジナル映像に。(公式MVではちょうどトンネルを抜けたところ)

ここからはもう美しいカメラ映像をひたすら堪能するためエフェクト最小限で、ベストショットをひたすらつないで。照明に背後から照らされたダンスが流れるような美しさです。

このシーン、なぜか夜の野外ステージのように見える。。。

最後に各トラックの説明を載せておきます。MV編集される方の参考になれば。

以上、M12「尊しあなたのすべてを」の編集ポイントをざっと挙げてみました。

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