オオクワガタのハンド・ペアリングは僅か数分で完遂

これはワイルド・オオクワガタ同士をハンド・ペアリングによって交尾させたときの動画ですが、常温飼育下ですと、気温がだいたい30℃近くにまで上がらないと成虫の活性が高まらないので、我が家——京都市内——の気温では6月下旬くらいにならない限り、常温飼育下では自然に交尾体制に入ってはくれません。
 この動画を記録した日は5月10日で、京都市内の気温はまだ低くく、案の定、そのまま土俵に上げても両者共にじっと動かず、幾ら見守っていてもまったく無反応な時間がただ過ぎてゆくだけでした。
 そこで、炬燵を利用して遠赤外線を照射することでじんわりと体温を上げてやりますと活性が高まり、明らかに動きが活発になり出したので、頃合いを見て動画のようなペアリング容器(廃菌糸瓶容器にカットした段ボールを敷いたもの)に再投入しますと、あら不思議! ものの数秒でご覧のように交尾完遂しました。一度交尾が成功しますと、♀が拒否行動を取らない限りその後も数回引き続き交尾しますので、それを確認できればもう間違い無いと思います。

 その後の♀の産卵行動ですが、個体の活性にはこれもまったく同様に気温が肝要になりますが、産卵準備自体は交尾後の翌日から可能で、実際にそれも目視確認しています。

 何れにせよ、成虫個体の活性は気温の上昇に伴うので、特に高緯度地域産地の個体や飼育地域では、我々人にとっては好条件な20 - 25℃くらいの気温条件でのペアリングは上手く行かないことが多いと想像できます。
 ちなみに、我が家の京都市産ワイルド・オオクワガタの場合、どれも30 - 35℃くらいの気温帯で最も活性が高く、よく動き餌もよく食べます。元気が過ぎてケースの中で飛びまくるくらいです。一般的に、「オオクワガタは高温多湿に弱い」とよく言われていますが、我が家では真夏の最高40℃でも難なくやり過ごしましたし、弱った様子はこれまでまったく観察できていません。但し、水分補給は絶対欠かさないようにしていますので、その点だけは留意が必要かと思います。

 とにもかくにも、ペアリングに最適な温度帯はだいたい30 - 35℃ということです。それ以下の気温条件では不発なペアでも、この温度帯であればものの3分で成就いたします。これ、間違いないでです。

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