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それでも酸欠ヒステリーが完治しないオオクワガタ・ブリーダーに捧げる……

 オオクワガタ・ブリーダー界隈に於ける似非科学の最たるもの——酸欠ヒステリー——に今尚悩まされ続け、完治することができないあなたにわたしが捧げられるバラード(証拠)は数々あるのですが、中々画像などでわかりやすい決定的瞬間みたいなものを撮れる機会というのはタイミング的に難しいものがあります。これに関する事実は賢明でまともな観察眼をお持ちの方なら同意されることと思いますし、そもそも論として、オオクワガタの幼虫は我々人のように肺呼吸はしてませんよ、ということがボタンの掛け違い(認識の間違い)の最初のところになると思われます。この違いを自分自身の呼吸と同じようにごっちゃにして考えているおバカさんたちがこの業界に如何に多いかということなんですが、ちょうど適当な実例がまた出ましたので、ご提示いたします。

ウスヒラタケ子実体の発芽幼菌 - 蓋の通気口のフィルターを突き破って発芽する逞しさ

思考停止せずに事実を直視すべし

 この菌糸瓶は、2023年度のKYOGOKU血統ブリードの内の1個体を投入済みのもので、本日撮影したものです。この画像をご覧になって直ぐに気づかれたと思うのですが、蓋の天辺からにょきにょきとキノコの子実体が発芽してきてますよね。これはウスヒラタケなのですが、未だ幼菌なので、みなさんがスーパーの売り場なんかで見慣れたヒラタケの可食に適当なサイズ感にまで成長するには、あと一週間くらいは掛かるでしょうか? ちなみに、この投稿のカバー画像の方のが別の菌糸瓶の過去撮影(年末頃)のもので、あれくらいまで育つと食べ頃ですかね。キノコの子実体の成長加減については気温状況にもよりますので断定はできませんが、まあ、現時点ではそのような成長段階だということです。そして、実は、蓋に空けてあるフィルター付き空気穴(3 x 6.5mmφ)の内側が成長した菌の原基で埋まって、そして、それがこのように発芽するのに約一ヶ月掛かっています。つまり、もう既にこの菌糸瓶の中には外気の流通経路はほぼ無い状態です(真空密閉容器ではないので皆無ではないと思いますが)。その状態が約一ヶ月間続き、しかし今尚そのままである、ということですね。
「では、この中の幼虫はもう死んでるじゃないっすか」と、オオクワガタ酸欠ヒステリー患者さんなら仰るでしょう。
 ところが、丁度、ラベルの直ぐ下辺りを見てください。食痕が確認できますよね? これ、昨日、幼虫が齧って培地に空けた窓です。生存確認。死んでません。幼虫はこの菌糸瓶の中でちゃんと食餌活動しているということです。
 だいたいね、多頭飼育する予算も手間も、場所も、そんな飼育規模に対応できる気持ちの余裕さえも持ち合わせていないわたしが、当家血統ブリードの少数精鋭部隊の内の貴重な1頭をまざまざ死なせてしまうなんてことはないのですよ。そして、飼育管理人であるわたしは、この発芽子実体を採ろうともせず放置したままで、しかも、何をあろうことか、霧吹きで成長促進のために散水までしている不始末! いやあ、前回も調理して食べたらばとても美味しかったので、こうなったら、晩御飯のおかずに適当なサイズまで育ってもらおうと思っているところなのです(笑)。これは冗談ではなくて本当の話で、それまでこのまま放置しておいても幼虫が死んでしまうなんてことはないので、まったく問題ないんですよ。これが実態であり事実です。なので、オオクワガタ・ブリーダーの酸欠ヒステリーは詐病みたいなものなのですよ、みなさん。それでも、この事実を受け止められないオオクワガタ酸欠ヒステリー・ブリーダー諸氏はまだ居られましょうし、まあ、そこまでの重症患者さんは、もう、わたしには救いようがありません。
 そして、SNSやYouTube投稿などで「菌糸瓶の空気孔から子実体が発芽した場合は幼虫が酸素を吸えなくなるので即座に採って捨てましょう」などと解説・指導されている自称専門家、スペシャリスト、古参飼育経験者、オーソリティー、プロ……のみなさま方、この際、ご自身のその幼稚な似非科学認識を今一度見直されては如何でしょうか。「酸欠防止策」とか言って、菌糸瓶の蓋を外して酸素を取り込むのだとか、瓶を天地逆さまにして二酸化炭素を排出するのだとか、そんなこと、何の意味もないですから。何れも培地の水分が排出されてしまい、腐朽菌の活性を弱めてしまうだけの悪手です。

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