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J2視覚化計画2023〈第14節〉

#J2視覚化計画2023

◎今節のアナリスト◎下輪 毅

日本職業蹴球連盟二部における「第十四節」は、全日程の三分の一となる節目の節にて候。大まかな傾向は見えしものの、この段階にて将来を予見できぬ者などおらぬのではなかろうか。

過去五季の「第十四節」の状況をひもときながら、しばし昔語りなどを致してみよう。御目汚し失礼。

2020シーズン第14節

先ずは、記憶にも新しい昨季十四節。この段階で既に自動昇格を果たした横浜軍、新潟軍が首位と二位。降格と相成った二軍団も、既に最後方であった。無論、その後に紆余曲折があっての最終結果なのでござるが、十四節の成績が概ね下敷きになっておるな。この時点では、仙台軍もかなりの有力候補であったのだが。

2021シーズン第14節(※降格4枠)

新潟軍と琉球軍が序盤戦を超高速で駆け抜けしも、そこに京都軍が追い付いてきた局面哉。この時点で既に上位は六つの軍団に絞られておった感もあり、昇格争いはある程度決していたと見るべきか。一方、最終的に降格となる松本軍はまだ中位大集団の位置取り。この年は降格四枠との取り決めがあり、三分の一の段階で最後尾にいた相模原軍、北九州軍、愛媛軍が降格の憂き目に遭い申した。

2020シーズン第14節(※降格なし)

新型感染症の影響にて降格なしの取り決めとなった年。試合消化もままならず、混迷せし展開であったことが見てとれる。驚きしはこの時点で一試合未消化、勝点十八、十三位と平凡なる戦果に窮しておった福岡軍が昇格を果たすこと。此は大集団の真ん中あたりからでもまだ巻き返せることを示す。降格なき年ゆえに、下位の情勢は参考外といたすがよかろう。

2019シーズン第14節

この段階で先頭から山形軍、水戸軍、大宮軍とな! 現在から見らば驚異極まる展開にござるな。あの「おるんが殿」擁する大本命・柏軍はまだ六位。のちに昇格を果たす横浜軍に至っては、十二位。やはり三分の一の段階ならば、力のある軍団が巻き返すには十分な時間が残っておる。一方、この年降格する二軍団はこの段階でも奮わず。最後方にて、今現在一部にいる福岡軍と今現在三部の岐阜軍が首を並べておったのだな。勝負の世界とは不可思議哉。

2018シーズン第14節

最終的に四つ軍団が勝点一差の内にて昇格を決した大混戦の年。この段階ではまだ大集団におった松本軍がじわりと順位を上げて差し切りを果たす。近年では最も優勝勝点が低し年で、既にその傾向も見ゆると心得る。熊本軍は序盤快調だったものの、この段階で大集団の後方まで順位を下げておるな。この年は西日本豪雨災害がありし年。川井監督率いる愛媛軍は災害復旧作業を士気に代えて躍進いたした。今現在一部にいる京都軍は、五年前は二部の最下位にござった。


こうして昔語りをしたとて先を見通せるものではないが、振り返らば、三分の一の情勢が最終結果とリンク…いや相関しておるのは昨季のみ。昇格に関しては「差し込み」展開が幾例もあり、この段階にて建て直し、勢いに乗らば、二位以内は十分に狙えようぞ。
一方で降格に関しては、三分の一の段階でそれなりの兆候が見ゆる例えも多い。後方にいれば嫌でも下が気になるもの。下は怖し。

過去、第十四節で降格圏に沈みし福岡軍や京都軍が、現在一部で戦っていることを鑑みれば、サバイバ…生き残りさえすれば、開かれる運命もある。J2万事塞翁が馬。

下輪 毅(したわ・こわし)
1970年高知県生まれ。ブルックスやフューチャーズを知る世代だが特に需要がないし話も合わない。座右の銘は「旅は道連れ、二部は情け」

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