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J2視覚化計画2023〈第23節〉

#J2視覚化計画2023

◎今節のアナリスト◎慈永津 眞経

J2はこないだの水曜に2試合やってたけど、清水vs秋田見たー?秋田の粘りヤバかったじゃんねー。AKB清水がBBA(BlauBlitzAkita)に浴びせたシュートは26本の雨あられ。一方のBBAはシュート5本(うち枠内1本)で1点取って勝っちった。弱者が強者を倒すお手本みたいだったっしょ。吉田謙マジリスペクトだわ。

最近「ゴール期待値」っての、よく出てきてると思うんだけど、このゲームだと清水=2.344 vs 0.364=秋田なんよね。コンピューターくんが弾き出す数字通りに行かねぇのがサッカーの面白ポイントだし、そもそもそういう期待?みたいなのを裏切ることが筋書き通りのドラマとはいかないスポーツのワクワクの源ノヨシツネな訳で、つまりはゴール期待値みたいなのを裏切るクセモノたちがサッカーを面白くしてるっつーか。まぁやられた方はたまったもんじゃないけどねー。

ゴール期待値ってはのJ公式の英語サイト(←スタッツの充実度がハンパない)だと「xG」ってことになってる。expected Goalsね。面倒なことをスッ飛ばして平たく言えばだいたいこれくらいゴール奪えたんじゃね?って数値だわな。ゴールに近いとこでのシュートチャンスを作れば大きくなるし、単純にチャンスを積算していっても多くなるな。
で、その裏返しとして「xGA(expected Goals Ageinst/被ゴール期待値)」ってのもあって、こっちが高くなると、ゴールを奪われても仕方ない度が高かったんだぜ、ってことになる。この数値が大きいのにゴールを割られてないチームがいれば、「シュートのピンチは多いのに凌ぎきってしまうクセモノ」ってことじゃね?ちょっと見てみよう。そうしよう。(編集部注※前節/22節時点のデータ)

※22節終了時点

xGAと失点数はイコールなモノではないんだけどさ、いやーこうしてみると今季一番のクセモノは群馬ちゃんだよね。33.6くらい失点しててもおかしくないのに、26で収めてる。いわゆる上位からしてやりづれぇチームで、群馬ちゃんは1位町田、2位大分、5位磐田には敗れているものの3位東京Vには△、4位長崎に○、6位甲府に○、7位清水には○△とクセモノぶりを発揮。逆に群馬ちゃんみたいなトコにしっかり勝ってる町田、大分、磐田は本当に力があるってことなんじゃね?

あと目に付くのがくまもん(熊本)で、攻撃力がクローズアップされがちだけど、ピンチが多めのワリにはよく守りきってるって数字が。ただ、くまもんは群馬ちゃんと違って上位勢にはそんなに勝ててないんだよねー。今節もヴェルディといい勝負しながら惜敗だったよ。

岡山や秋田はシュートのピンチをあまり作らせてないチームだねー。上位から見りゃ勝ちを計算しづれぇタイプ。てか岡山はむしろ上位の方(6位以内)にいなきゃダメっしょ。

で、ざっくりとマッピングしたのがこの表ね。横軸・右にいけばいくほど失点ピンチが多くて、左側にいるとトコは少ない。縦軸・上が失点数多、下が失点数少ね。

※22節終了時点

ピンチ作らせても群馬ちゃんやくまもんぐらい防げてるとプレーオフも狙えるチームになる。まぁ紙一重だけどな。
右上にいるとこはほぼ残留争い組だけど、藤枝氏だけ例外で、守備の脆さを攻撃でカバーしてるパティーン。
徳島とか山形はピンチを減らせればもっと順位上がるんじゃね? 1つだけひょっこり上に出ちゃってる千葉くんは何か緩いんだろうね。ピンチの割に堅い長崎と対称的だわ。

結局今回何が言いたかったかって言うと、群馬ちゃんみたいなクセモノポジションのチームがガンガン出てきてほしいってのと、そういうクセモノに勝ちきるとこが魔境J2を勝ち抜けるんじゃね?ってこと。とりあえずxGAって言葉だけでも覚えて帰ってけさい。

慈永津 眞経(じえいつ・まきょう)
1989年三重県生まれ。実家はお寺。でもできれば継ぎたくない。推しレフェリーは岡宏道審判員。座右の銘は「やっぱ今年もJ2は魔境っしょ」。

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