子どもはより多くの大人から見守られ愛されることが励みになる〜土井香奈さん〜
こんにちは。一般社団法人りむすびです。離婚後も両親で子育てする共同養育を実践している女性「共同養育woman」特集。今回は、元夫や義両親と交流を続けながら子どもの成長を見守る土井香奈さんをインタビューしました。
■プロフィール
お名前:土井香奈さん
お子さんの性別・年齢:12歳長男(小学6年生)、9歳次男(小学3年生)
香川県出身。
社会人1年目23歳で授かり婚後、出産を機に退職し専業主婦になる。27歳の時に次男誕生。家事育児をしながら自宅で料理教室の主宰、ライフスタイルや栄養面のコンサルタントなどを手がける。
結婚生活9年目31歳の時に協議離婚。現在、人や会社のご縁をつなぐエージェントを行う傍ら、輝く女性が健康、美容、英語、自己啓発などを発信できるコミュニティ「22世紀女子大学」を立ち上げる。
■現在、どんなカタチで共同養育を行っていますか。
月に1〜2回、多い時には毎週末、子どもが行きたいタイミングで子どもが直接父親へ連絡して遊びや泊まりに行っていますね。兄弟2人で電車に乗って行っていきます。小さい時は最寄りの駅まで送りに行っていましたが、今では玄関まで送り出すだけなので、すっかり手がかからなくなりました。
私が仕事で海外に行く時など数日お願いすることもあるのですが、私の都合の場合は、私が直接元夫へ連絡をしています。
あとは、運動会など学校行事などは義両親も交えて一緒に観に行きます。夏休みや年末年始には子どもたちは毎年義両親の家に泊まりに行かせてもらったりしていますし、誕生日やクリスマスにプレゼントをもらったり旅行に連れていってもらうなど、今でも変わらず子どもたちは可愛がってもらっています。
■共同養育するにあたり困っていること、困っていたことはありますか。
むしろ、離婚して共同養育するようになった方が困ることは減りましたね。私たち夫婦は、言い争わず無言になるタイプだったので、子どもたちは居心地が悪かったと思います。食事をする時も会話がないなど、いわば家庭内別居のようなものでしたから。
特に、長男は小学1年生の頃気持ちの不安定さが如実に出ました。家庭の不安定さと子どもの不安定さは比例することを実感しました。離婚した方が子どもの気持ちは明らかに安定しましたね。
ただ、離婚して辛い思いをさせたことには変わりないので、子どもたちの要望を叶えられるものは叶えるように心がけています。
最近、子どもへ「パパとママが一緒に住んでいないのはどう思う?」と聞いたら、「寂しい。みんなで一緒にご飯を食べに行ったり、旅行に行きたい。」と言われました。
誕生日や運動会の後など4人で食事をすることはありましたが、「旅行に行きたい」は「それはできないな」とキッパリ断りました。しないことを言って変に期待を持たせたくないからです。
■お相手がどんなことをしてくれたらうれしいですか。
子どもがしたいことをなんでも要望に応えてくれればそれだけで十分です。この3月に香川県の実家に子どもを連れて引っ越すんです。それに伴い、子どもたちが父親と会うタイミングが、夏休みやお正月など長期休みに変わるので、いろんな場所へ旅行へ連れてってくれて子どもたちの見識を広めてくれたら嬉しいですね。
引っ越すことについては、実家の方が安心だろうと元夫もよく思ってくれているんですよ。父子の信頼関係もできていますし、今後も会えないという不安がないからこそ、気持ちよく送り出してくれるんだと思います。
■共同養育はどんなメリットがありますか。 お子さんはもちろんご自身にとっても良いことがあれば教えてください。
わが家は男の子なので、特にこれから父親の影響が強くなっていきます。母親は父親役を担ったとしてもあくまで女性。母親は子どもたちへ言葉で伝える一方で、父親は言葉ではない部分で子どもたちに伝えていくことが多いと思うんですよね。
元夫はとても優しい父親で私は子どもをしっかり怒るタイプ。そのあたりもバランスが取れてよいかなと。母親がイヤという時に父親のところに行けるのも子どもにとって逃げ場になるではないでしょうか。
私自身としては、仕事で夜家を空けたり数日不在にすることがあるので、遠慮なくお願いできるので助かっていました。平日お願いする時には、いつもは夜遅いはずですが、仕事から早く帰って子どもたちを迎え入れてくれたりしたので、優しい元夫に感謝しています。
■お相手との関わりにおいてご自身が心がけていることはありますか。
ズバリ、子どもたちと過ごしている時間のことはなにをしていても文句を言わないこと。これ鉄則です。
父親と過ごす時はいつもゲームかyoutube三昧なんですよ。私としては思うところもありますが、絶対に何も言わずに目をつむっています。
食事もカップラーメンなどジャンキーフードを食べさせているようですがこれも目をつむる。私自身が普段させないことだからたまにはいいかと思うようにしていますね。
あとは、必ず「ありがとう」を伝えるように常に心がけています。
■ご自身のこれからの夢やビジョンがあれば教えてください。
この3月に実家へ引っ越しますが、近い将来、海外で暮らしたいと思っています。子どもは一緒に行きたいといえばもちろん連れて行きますし、日本に残りたいと言えば実家で過ごせばよいですし、子どもの意思を尊重したいと思っています。
私自身、好きななことをして生きているので、子どもたちも世間の枠にとらわれず、自分のやりたいことをやってほしいですね。
愛と思いやりを持って人と接し、守るべきことを守ってやるべきことをやれば、だいたい自由でいいと思うんです。人に迷惑かけてはいけないとは言いません。人を頼った後に、どうやって感謝するか、どうやって人の助けになるか、感謝を循環させていくことが大事ですし、子どもたちに伝え続けていきたいですね。
先日、長男が学習発表会で「人の役に立ちたい」と言っていたのを聞いて、育て方は間違っていなかったかなと実感しています。
■読者の方へメッセージをお願いします。
離婚の原因はそれぞれ。その理由を子どもに重ねる必要はありません。親の事情で子どもが親に会えなくなってしまうのはかわいそうなことです。
虐待がないのであれば、引き離す必要はないし、会わせないことで養育費が滞ることもありますよね。それって自分で自分の首を絞めてる気がするんです。
離婚をすることで自分の至らなかったことに気づけることもありますよね。その時には素直に後からでも謝ってみるのもひとつです。
そして、「謝られてないから許さない」ではなく、子どものため自分のために努力も必要です。「謝る」「許す」って難しいことだけど、それらができることで人として成長して共同養育できる関係ができる可能性も秘めていると思うんです。どの立場の人も歩み寄ることにトライしてもらいたいですね。
子どもって、より多くの大人から見守られ愛されていると励みになり安心するんですよね。離婚しても、両親それぞれの祖父母や地域の大人たちなどみんなで成長を見守っていける環境を作り合っていけるとよいですね。
企画・取材 一般社団法人りむすび
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