高知夏の風物詩「よさこい祭り」を見たことがない方へ
こんにちは。高知支局の鈴田卓といいます。
高知の夏の風物詩と言えば「よさこい祭り」。私は高知支局に異動したばかりで、それまで全く存在を知りませんでしたが、踊りに触れてすっかり魅了されてしまいました。そこで、以前の私同様「よさこい祭りって何?」という方向けに雰囲気をご紹介します。
私自身が「よさこい祭り」という単語に初めて触れたのは、高知支局に赴任の挨拶に訪れたときでした。「高知といえばよさこい祭り!今年は70回目なので特集記事を出したいと思ってます!」と興奮気味の支局長。四国の祭りというと徳島県の阿波おどりしか知らなかった私は「似たような祭りかな~」となんとなく思っただけで、夜の歓迎会でカツオのたたきが出る頃には、そのあまりの美味しさに悶絶し、よさこいのことはすっかり忘れていました。
高知の皆さんすみません・・
■踊り子イラストでPR
一度はカツオのたたきに気を取られましたが、開催が近づくと街全体はよさこいモードに。夜になると、社屋の近くにある郵便局の駐車場や、商店街のアーケード内などあちこちで、音楽を流し練習に励む姿を目にしました。夜とはいえそれなりに暑い中、毎晩頑張る姿を目にするうちに「今日も頑張ってるな-!」と、気付くと目で追っている自分がいました。
今回は70回目のよさこい祭りということで、高知市は7月から、踊り子のイラストを使った垂れ幕やラッピング電車、街中のポスターなどで祭りのPRを始めました。
イラストは「静」と「動」の二種類があり、色鮮やかで柔らかな色彩が目を引きます。
イラストを描いた漫画家の窪之内英策さんによると、「自身が踊り子の気持ちに憑依し、祭りが始まる前の高揚感と、始まってからの躍動感を表現している」そうです。よさこいは全国各地で踊られていますが、元々は戦後に市民の繁栄を願って始まったという経緯があるようで、市は「高知が発祥」とアピールしました。
■よさこいスタート!
そもそもよさこい祭りは1954年、商店街振興のために高知商工会議所が中心となり始めたそうです。当初は民謡調の音楽に合わせた踊りが中心でしたが、次第に自由な曲や衣装で踊るようになり、今では全国に広がっています。今年は県内外から157チーム、約1万4千人が参加しました。
前夜祭・後夜祭含めると8月9~12日の日程で、接近していた台風の影響が心配されましたが無事にスタート! 前夜祭はステージで、以降は各演舞場で踊ります。
よさこいはチームごとに商店街や演舞場を行進しながら踊ります。はじめにトラックが先導し、踊り子が続きます。トラックは「地方車」と呼ばれ、チームごとに趣向を凝らした装飾がされています。
必須アイテムの鳴子を両手に持って踊ります。スナップを効かせて鳴らすと、ピシッとした心地よい音色が響いていました。
印象に残ったのは地方車の音のボリューム。いろんな方から「よさこいは音が大きい」と耳にたこができるほど聞かされていましたが、想像していた以上の大音量でした。写真じゃ伝わらないとは思いますが・・ズンズンという振動が体全体や心臓にこだまする感じで、例えるとするなら音楽のライブのような感覚でしょうか。耳もびっくりの大音量にもかかわらず、個人的には不思議と心地よくもありました。
チームごとに趣向を凝らした踊りを披露しました。
2025年大阪・関西万博公式キャラクター、ミャクミャクも、県庁職員らのチームと一緒に踊りました。
音楽・踊り・衣装、どれ一つとして同じチームはなくいつまでも眺めていられました。とにかく「最高!」この一言に尽きます。気がつけばリズムに乗せて自然と身体が動いていましたが、取材中のため動けず・・。次は踊りに参加しようと心に決めました。高知県の人は明るくておしゃべりな人が多い印象ですが、よさこいを見て納得しました。多くのチームの踊りに触れましたが、どれも自由で独創性に溢れて魅力的!来年の夏も楽しみにしています!
■もっとよさこい祭りを知りたい方へ
冒頭で支局長が鼻息荒く企画していたよさこいの記事は、祭りの歴史や全国への広がり、よさこいに魅せられ高知に移住した男性などを取材し、無事に特集記事になりました。以下のリンクからあわせてご覧いただければ幸いです。また、この春に入社したばかりの船田千紗記者は今回のよさこい祭りに参加しました。体験記が完成次第アップしますのでご期待下さい。
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